個人的には「高校生っていうよりも中学生っぽいノリじゃね？」って思ったけど、とりあえず男子の青春時代特有の笑いやエッセンスが詰め込まれたギャグ漫画です。このノリが好きだっていう男性読者は多いと思うし、似たようなノリで笑ってきたという読者も多いんじゃないかと思う。
アホっぽいし、くだらくもあるんだけど、青春を謳歌してるって感じがたまらないですよね。リアルタイムで高校生という読者も、高校時代をとうに過ぎてしまった読者も、どちらも楽しめるんじゃないかと。
というわけで今回は、男子特有のノリが光るギャグ漫画「男子高校生の日常(全7巻完結済み)」を紹介します。
※コミックス1巻のみネタバレがあります。
男子高校生の日常 あらすじ
男子の青春時代には欠かせないテーマがある。それは「どうすれば彼女ができるか？」「スカートの穿き心地とは？」など様々であるが、これらを真剣に(かつアホらしく)語れるのは男子の特権と言っても過言ではない。
ちょっとした面白いフラグが立てば、それに全力で乗っかる。そしてふとしたことがキッカケで収拾のつかないミニコントが始まる。そんな懐かしくもある青春時代の日常を覗いてみたい人も少なくないだろう。
ふと始めた怪談話が誰かのボケをキッカケに少しずつ形を変えていく…。そんな男子特有のノリが楽しみたい読者は本作を手に取ることをおすすめしたい。
男子高校生の日常の見所をチェック!!
下ネタに頼らない展開
男子高校生の日常って言ったら、真っ先に下ネタに頼りそうなイメージがあるけど、本作は下ネタがほとんど無いような気がしました。「スカートってどんな感じなのかな？」とかそういうノリはあっても、安易に下ネタに逃げていないあたりは評価されるべきだと思うし、それ無しでも男子高校生という登場人物で笑いが取れるというのは凄いことだと思います。
3人全員で「せーのっ！」でスカートを穿くつもりが、他の2人は穿いてなかったとかも個人的には結構好きなパターンです(「好きな子の名前を同時に言う」って言いながらも誰も言わない的なノリだよね)。
「あるある」→「いや、ない！」というノリ
一見すると「あるある」って言いたくなるんだけど、よくよく考えたら「いや、ない！」って感じになる経験ありませんか？お笑いの世界で言えばノリツッコミに近いかな。
場面は「怪談」みたいなことを語ってるんですよ。怪談の定義を知らないからアレだけど、かなり噛み砕いて言うと、怪談って怖い話ですよね。その流れで、なぜか乳首の周りに毛が生えているというコンプレックスの話になり、1本1本抜くのは面倒だからカミソリで一気に…っていう話の展開に。
多くの読者は目をそむけたくなるような瞬間だと思う。なんだろう、体験したことはないし決してあるあるネタってわけじゃないんだけど分かるっていうこの感じ。もちろん仲間内でも突っ込みが飛び交うけど、それを読んでいる読者もまた突っ込みを入れられる空気感がたまらないです。
テンドン→切り口を変えるボケ
上記シーンは、温泉旅館で卓球に興じる仲良し4人組の姿を描いたシーンです。いわゆる「球を打つ瞬間にお題に合った答えを言う」っていう古今東西的な追加ルールのある卓球なんだけど、このお題がなかなか面白くて僕はメチャクチャ笑っちゃいました。
そもそも古今東西の楽しみ方って「答えが色々あるにも関わらず、焦りなんかのせいで答えが出てこない」っていうのが楽しみじゃないですか？「なんで最初から答えがわからないようなお題でやってんの？」っていうね。そして「なぜそれを常識のように答えてんの？」っていうね。
ここを見た限りだと「あー、難しい問題を自分以外の全員が当たり前のように答えるっていう笑いね」って思うんだけど、それだけで終わらないのが本作の特徴です。
面白い形のボケはテンドンして被せていくのがセオリーだけど、切り口を変えてくるっていう高度なテクニックも使われています。まるで芸人さんのコントを見ているような感じなので、お笑い好きの人はぜひ読んでみてください。
男子高校生の日常 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
アホくさいノリの中にもツッコミ所を残してくれているというか、物語の中だけで完結しないで、ちゃんと読み手も参加できる隙間を用意してくれているギャグ漫画という感じです。周りのワイワイやってるノリを見ながら、こっちも読みながら「なんでだよ！」とか参加できる感じはなかなか珍しいんじゃないかと思う。
そして何と言っても男子高校生という、長い人生の中でも特殊な時期にスポットを当てている作品と言うだけあって、この時期を経験した読者はどこか懐かしさを感じるはず。
コントさながらの展開の数々が身近なものに感じられるので、多くの人が笑えるギャグ漫画と言っていいでしょう。笑いたい人、下ネタに頼り切らない男子特有の笑いが好きな人におすすめ。
あとがき
こうやって冷静に見ると男子ってアホやな。
