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「ヒロインは絶望しました。」を読んだ感想・レビュー

ヒロインは絶望しました。表紙
Ⓒヒロインは絶望しました。

無償でメリットを享受しようっていう人にも思う部分はあるけど、相手の弱みに付け込んで見返りを要求するっていう人にも思う部分はあるわけで…。そういう意味では健全なようで、でも全然健全じゃない契約内容で進んでいくデスゲーム漫画がこちら。

はっきり言って序盤からヒロインの絶望具合がハンパないです。Sっ気が強めの読者には問答無用でおすすめしたい作品と言っていいでしょう。というわけで今回は、命と恥辱を天秤にかける仮想世界デスゲーム「ヒロインは絶望しました。(連載中)」を紹介します。

ヒロインは絶望しました。のあらすじ

悪くない毎日は、血と屈辱に侵された。女子高生・渋谷明は、ある日突然、仮想世界に転送された。なすすべもなく、化け物たちに喰われ嬲られ殺される。死は耐えがたいほど痛いのに、死ぬたび渋谷は現実に戻る。繰り返す死、狂いそうになる痛み、終わらない絶望──。転送先の世界の秘密を知る少年・秋葉歪は、渋谷の命と引き換えに、さらなる恥辱を要求した。これは少女の、尊厳をかけた戦いだ。

ヒロインは絶望しました。の見所をチェック!!

格ゲー世界のデスゲームのような展開

ヒロインは絶望しました。1
Ⓒヒロインは絶望しました。

本作はある時から異世界に迷い込むようになってしまったヒロインの物語です。異世界ではモンスターみたいな存在に襲われて、そこで死ねば現実世界に戻ってこれるというもの。

でも夢とは違って痛みを感じる仕様になっているので、「死んだら現実世界に戻れるって簡単に言われても…」みたいな部分があるじゃないですか?それにモンスターに対する対抗措置も思い浮かばず、ずっと虐げられているという流れです。

ある時に「もしかしてゲームの世界を反映した異世界なのでは?」ということになり、頼もしいパートナーができます。そのパートナーによって死の螺旋から抜け出すことができたんだけど、これが吉と出るか凶と出るか…。

パートナーが代わりの利かないゲス野郎

ヒロインは絶望しました。2
Ⓒヒロインは絶望しました。

例えばすっげー困ってる女の子がいて、それを助けられるのは自分しかいないっていう状況で、無条件で助け続けられる人ってどれくらいいるんでしょう。まぁ今まで距離が遠かった憧れの女の子と接点が持てたっていう展開なら、気に入られたいっていう下心全開で協力したりはするだろうけど…。

これが「助けてほしい時だけ近付いてくる」みたいな雰囲気を感じ取ったとき、助ける側としては結構面白くないんじゃないかなぁと思うんですよね。だから助けてほしければってことで見返りを要求するっていう展開は、割とリアルにあるんじゃないかと思いました。

その要求が到底呑めるようなものじゃない時、殺され続けることに耐えることと嫌々要求を呑むことの両方を天秤にかけて、どっちを取るかっていうのが大きな見所になっています。

そして本作のタイトルにもある「ヒロインの絶望」がマジで秀逸に再現されていると言っても過言ではありません。この絶望感は胸糞悪い感じともまたちょっと違うゾクゾク感があると言っていいでしょう。

ヒロインが望まないギブ&テイク

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Ⓒヒロインは絶望しました。

もし自分が好意を抱いている女の子を好きにできる権利がある場合、何を要求するかっていう部分も本作の大きな見所です。これはSっ気のある男性読者なら、割とそそられる展開じゃないかと思います。

ぶっちゃけそこまで分かりやすい要求はしません。でもヒロインを絶望させるには十分すぎるくらいの要求で、まさに悪趣味な要求っていう表現がぴったりな感じの展開と言っていいでしょう。

実際にどういう要求がされるのかって部分は実際に本作を読んで確認してもらうとして、ヒロインの立場になって考えてみると妥協案としては絶妙なラインだと感じました。まぁ相手の要求を考えたらしんどいけど、死ぬことの苦痛から解放されるって思ったらまだ我慢できるラインなんだろうなぁと。

いずれにしても現実世界と異世界の両方に絶望する要素が残されていて、悲惨な日常であることに変わりはありません。このギブ&テイクがどのように進行されていくのかに注目です。

人 vs 人 の残酷な展開に突入

ヒロインは絶望しました。4
Ⓒヒロインは絶望しました。

本作で描かれているデスゲームは、実際の人間を動かすタイプの格闘ゲームみたいなイメージです。コンピューター戦があるなら…あとはもうお分かりですよね。この展開から物語が一気に加速し始めます。

それに死ねば復活できるっていう考え方もちょっと違っていて、少しずつ風向きが変わってくるんですよね。実は復活できないパターンがあるっていうことを知ったとき、これはこれで相当な絶望を感じることでしょう。

そして自分と組んでいるパートナーについても絶対的な味方とも言えず、下手すりゃヒロインの絶望度に比例して要求の度合いも上げてきそうな輩ですから、この辺の駆け引きなんかにも大きな見所がありそうです。

ヒロインは絶望しました。 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

実際の人間を操作する的な設定はどこかで見た記憶があるんだけど、基本的には味方同士だったと思うんです。それが相手の足元を見るようになり、しかもヒロインに対してとんでもない要求をするなんて展開は斬新すぎる!

そして生かさず殺さず的な要求ばかりというのも、ちょっと興味を惹かれるというか上手い表現だなぁと思いました。ヌードとかに例えると「全部見えてるよりも、見えそうで見えない方が興奮する」みたいな部分があるじゃないですか?まさにそんな感じ(←なにがだ)。

デスゲームとしても単なるクラスメイト同士の殺し合いみたいな分かりやすい設定でもないし、ゲームの設定を反映した異世界バトルとしても見応えたっぷりです。まして自分の手綱を引く奴がゲス野郎っていうのが、今までになかった感じがして面白いと思います。

絶望するヒロインの姿にそそられるという人、相手の弱みに付け込んでゲスい要求を通したい人、斬新なデスゲーム漫画が読みたいという人におすすめです。

あとがき

こりゃヒロインも絶望するわ。