最近でこそここの壁を一気に飛び越えていく漫画作品が続出していますが、一昔前はここらで完結するのが超人気漫画の境界だったように思います。
非常に人気のある作品が勢揃いで、アニメ化されていたり、古い作品でもみんなが名前を知っているという作品が多く名を連ねていると言っていいでしょう。
というわけで、ここでは「全30巻以内で完結する面白くておすすめの漫画」を紹介します(本記事のメインコンテンツは全21巻~全30巻で完結した漫画作品です)。
全20巻以内に完結した作品まとめ
バーテンダー(全21巻)
お客さんが注文するカクテルを提供し、それ以上の癒しを与えてくれるバーテンダーの物語。お客さんの注文はハッキリしたものもあれば抽象的なものもあり、場合によっては「あえて味を落として作る」みたいなこともするので、掟破りな側面がめちゃくちゃ面白かったりします。
ちょっとイイ話系のエピソードが多く、ほっこりできるのも魅力の一つ。物語の中でお客さんが癒されている様子を見て、同時に読者の僕たちも癒されること間違いなし。お酒が好きな人なら本作をつまみにお酒を飲むのも乙です。
まじかる☆タルるートくん(全21巻)
タコ焼きが大好きな魔法使いタルるートと主人公・江戸城本丸が繰り広げる日常コメディー漫画。幼少の頃に読んでた時は「なんかエロいシーンが多い漫画だなぁ」くらいにしか思ってなかったけど、大人になってから読むと教訓じみてることが多いというか、なんか心に響いてくる場面も多いです。
急に絵が大人っぽくなったり、小学生が天下一武闘会みたいなので命のやり取りをし始めるという急展開もあって、大人が読んでも退屈しないテンポの良さがポイント。登場人物の名前も面白くて原子力(はらこつとむ)までは良かったけど、それ以降は完全にギャグだしもう笑うしかありません。
あと子供心に響くようなエロいアイテム、ズルいアイテムも魅力と言えるでしょう。そして無性にたこ焼きが食べたくなる。
ザ・ファブル(全22巻)
最強の殺し屋が1年間の休養生活に入るという物語。当然ながら平和な日常というわけにもいかず、色んないざこざに巻き込まれていくというバトルアクション漫画です。
最強と言われながらもどこか抜けている感じに親近感を覚えるんだけど、殺し屋としての腕は一級品で、どんな相手でも6秒で倒すという…。オンとオフのギャップが面白く、オンの時のダークヒーロー感は最高です。
敵の罠にいち早く気付く観察眼だったり、正体を隠すためにわざとやられる演技だったり、主人公のすべてが魅力的に見えます。まさに捨てるところがない全22巻と言っていいでしょう。
RAINBOW 二舎六房の七人(全22巻)
昭和30年の湘南特別少年院が舞台になっている壮絶なヒューマンドラマ。とにかく最初から最後まで暗い雰囲気が漂っていて、その凄惨な雰囲気は思わず目を背けたくなるほど。少年院での教官からの執拗な嫌がらせとか本気で気分が沈みます。
常に何をされるか分からない恐怖感みたいなのもあって、読んでいて常にハラハラさせられる作品です。「果たして仲間たちは無事に少年院を出られるのか!?」的な話かと思いきや、少年院を出てからの話の方が長いし、それも劇的。ダークな雰囲気が好きな人なら間違いなしです。
軍鶏(全22巻)
親殺しで少年院に入ることになった少年が、少年院で自分の身を守るために必死で身に付けた空手を使って、ゼロから這い上がっていくという感じの物語。こうやって書くと「プロ格闘家として大成すんのかな?」って思うけど、やってることは完全に悪役で、決して人に褒められるような道じゃないプロセスを歩んでいきます。
マイクタイソンも最初はいじめられっ子で、それがボクシングと出会って純粋なボクシング少年だったのが、気付いたら凄いことになってたじゃないですか?そこにカリスマ性を感じるという人なら、本作も間違いなく楽しめると思う。
結末がちょっと哲学的な感じで、僕は「???」ってなったけど、序盤から中盤にかけての面白さは異常です。
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蒼天の拳(全22巻)
北斗の拳よりも過去の物語を描いた作品で、主人公は北斗神拳伝承者なんだけど登場する敵は「北斗〇〇拳」という別の拳法を使います。そして主人公の前に立ちはだかるという感じ。
北斗神拳がなぜ最強なのかが良く分かる展開というか、色んな運命とか犠牲の上に成り立っている暗殺拳だっていうことを痛感しました。北斗の拳が好きな読者からすればどっちが好き・嫌いはあっても、本作を面白くないって感じることはないんじゃないかと思います。
ちなみに本作の主人公も拳志郎という名前で、北斗の拳の主人公・ケンシロウはここから名前を貰ったという設定です。ドラゴンボールの孫悟飯じゃないけど、この展開が熱いと思ったらぜひ読むべし!
ヒカルの碁(全23巻)
過去最強の棋士との呼び声の高い幽霊に憑りつかれた少年が主人公の囲碁漫画です。囲碁って言うと縁側で波平がやってるようなイメージでしたが、本作が流行したときは一大ブームとなりました。
ぶっちゃけ囲碁を知らなくても楽しめる漫画で、人間ドラマ的な部分に大きな見応えが用意されています。「もし自分に最強棋士の霊が憑りついたらどうする?」みたいなことを考えながら読むと、多分めちゃくちゃ感情移入できるはず。
全23巻ってことで決して短くないし、最後の最後まで中だるみもなくてめちゃくちゃ面白いんだけど、最後はちょっと納得がいかなかったです。気になる部分を残しての終わり方だったので、それだけが本当に残念でした。
鬼滅の刃(全23巻)
今さら紹介する必要もないかと思いますが、映画の興行収入において歴史的な大快挙を成し遂げた化け物的少年漫画です。ふりかけやらレトルトカレーやらのパッケージにまで、本作のイラストが印刷されてスーパーに並びました。
物語としては終始シリアスな展開が続くダークファンタジーで、親・きょうだいを殺された少年が敵討ちのために旅をするというもの。一人だけ生き残った妹が鬼になってしまったので、元に戻すための方法も探しつつ…みたいな感じです。
鬼によって人生を狂わされたキャラクターが多くて、新キャラの生い立ちやら何やらでダークな展開が多いんだけど、圧倒的な戦力を誇っている鬼たちと激しいバトルをするシーンは見応えたっぷりです。
喧嘩商売(全24巻)
高度なギャグと高度な格闘シーンが見事に融合している作品です。特に前半部分のブラックジョークや下ネタを交えたギャグ展開は、男性読者ならほとんど笑わされてしまうんじゃないかと思うほど。
そして後半は打って変わったように、かなり真面目な格闘漫画に変わります。「今…現在 最強の格闘技は決まっていない」 というのを合言葉に、まさに最強の格闘技が何であるかを証明するかのような熱い展開が待っていると言っても過言ではありません。
そして本作は全24巻で第一部完という形で終わり、続編「喧嘩稼業」へと続きます。明らかに続編ありきな終わり方をしているというか、そもそも後半がもう次回作の紹介みたいな部分があってこの辺も斬新です。ちなみに喧嘩稼業もめちゃくちゃ面白いので、本作から読んだほうが120%楽しめると思います。
GTO(全25巻)
平成版の熱血教師物語。二度に渡って実写ドラマ化されていることからも、人気の高さは折り紙付き。簡単に説明すると元ヤンキーが中学校教師になって、問題児だらけでバラバラになっているクラスを一つにまとめあげるという感じの教師漫画です。
ぶっちゃけ令和にこのような作品がもてはやされる可能性は極めて低いんじゃないかと思うんだけど、ヤンキーと教師という相反する要素が上手く噛み合っていて、読者の多くが「こんな先生がいたら楽しかっただろうなぁ」と感じるんじゃないかと思いました。
いろんな教師漫画がある中で、個人的にはこのGTOの存在感が唯一無二だと思ってます。実写ドラマ(個人的に見たのは反町隆史さん主演の方)も面白かったし、アニメもラルクとかポルノグラフィティのテーマとマッチしていてカッコ良い仕上がりです。
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サンケンロック(全25巻)
好きな女を追って韓国に渡った男が、そこでギャングを形成し成り上がっていく物語。青年漫画としてのダーク感は魅力なんだけど、少年漫画を思わせるようなギャグと「これ必要?」って思うレベルのエロシーンが少し気になります。
それでも絵の迫力は一級品!バトルシーンなんか迫力がすごくて、絵もめちゃくちゃ綺麗。セリフが無くてもじっくり読まされてしまうレベルです。
タッチ(全26巻)
言わずと知れた国民的人気アニメです。本作の影響を受けて「南」と名付けられた女の子が何人いることか。
説明不要だと思うけど、双子の兄弟と幼馴染の女の子を中心に描かれる青春ストーリーで甲子園を目指す高校野球の物語です。エースだった弟から兄へバトンが渡されるって感じの物語で、控えめに言ってもめちゃくちゃ素敵。
色んな作品でパロったりされてるけど現実でもネタとして使用されている場面も多く、野球部の合宿でいち早く寝た奴は「綺麗な顔してるだろ?」の餌食になったんじゃないかと。
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ドンケツ(全28巻)
完全に武闘派タイプの末端構成員が主人公のヤクザ漫画。主人公のロケマサは単細胞なリアルジャイアンで、めちゃくちゃ理不尽な嫌われ者だけど、腕っぷしが抜群に強く、一部の人間から溺愛されているという謎のカリスマ性を持っています。
とんでもないイチャモンの付け方だったり、倍返し以上の報復だったり…。味方だったらこれ以上ないくらいの頼もしさが魅力で、ヤンキー漫画に通じる熱さを感じずにはいられません。
ヤンキー漫画には見られない、組織内での権力争いなども本作の魅力の1つ。殴り合いしてばかりで、あまり銃や刃物が出てくる余地がないけど、昔ながらの極道に魅力を感じる人には超おすすめです。
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― (全28巻)
幕末時代を舞台に活躍する1人の剣豪の物語。全然強そうに見えない童顔の優男が、実は剣を持ったら強いって部分に男心がくすぐられる。ギャップにやられる女性ファンも多そうですね。
もともと秘密裏に暗躍していた元・人斬りが主人公っていうのが面白いし、過去の行いを悔い改めて「もう二度と人は殺さない」という誓いを持ちながらも、揺れ動く感情が巧みに描かれています。
本作を知ってる人なら、ビニール傘を持ったときに「九頭龍閃」とかやるよね。え?やらない?
モンキーターン(全30巻)
水上の格闘技とも呼ばれる「競艇」をテーマにした作品。主人公は競艇選手を目指す青年で、プロになるまでの過程と、プロになってからの姿が描かれています。
競艇といえば公営ギャンブルの一つだけど、ボートレースっていうスポーツとしての一面もあるし、ライバル同士の対決だったり、同期との友情だったり…。とにかく熱量のある青春漫画なので、競艇に興味がないからという理由で本作を読んでいないのであれば勿体ないです。
僕も本作に出会うまでは競艇にまったく興味がなかったけど、本作を読んでからは非常に奥深いスポーツという印象に変わりました。「マジもんのモンキーターンを見たら痺れる」に20000点。
あとがき
繰り返し読むには辛いボリュームだけど、面白い作品が一杯です。