漫画好きからすると「紙で作られた漫画よりも電子書籍の方の売り上げが増えた!」みたいなニュースを見る度に、漫画家の先生たちに還元される率が増えてるんならそれでいいという感情があるんですが、そうも言ってられないのが「印刷業界」です。
まさに苦境に立たされていて、今まで以上に企画力などを問われているんじゃないかと思います。そんな印刷業界を漫画家したのがこちら。というわけで今回は、印刷業界を舞台にしたお仕事コメディー「刷ったもんだ!(連載中)」を紹介します。
刷ったもんだ! あらすじ
東京近郊の印刷会社に勤務する真白悠(元ヤン・目つき悪し)。人生をやり直そうと、印刷業界に飛び込んだが、実際働いてみると、苦労もたくさん。先輩や同僚もこだわりやクセの強い人ばかり。でも、そんな仲間とてんやわんやするこの職場には、ささやかな感動も…。という真白のあれこれを、印刷業界あるあるとともに綴っていく、お仕事コメディーです!
刷ったもんだ!の見所をチェック!!
印刷業界の仕事内容を覗いてみよう
漫画とか雑誌、新聞なんかもそうだけど、紙媒体のコンテンツを作るのって締め切りがめちゃくちゃキツイっていう印象があります。だから仕事内容も相当キツイんだろうなぁって勝手に思ってました。
本作は元ヤンの女性主人公が新入社員として、印刷業界に飛び込んだ様子が描かれているお仕事・職業漫画なんですが、印刷業界ならではのやりがいや大変さにスポットを当てた作品です。「単に依頼された物を印刷とかコピーしてればいいんじゃないの?」って思ってる人は驚きの連続なんじゃないかと。
細かい仕事もあるし、かと言って丁寧にやりすぎて時間が掛かってしまったのでは意味がない…。僕もこうやってブログやってるけど、誤字脱字なんかはめちゃくちゃ多いわけで、それを許されない印刷業の仕事ってその要素1つでもう大変なんだろうなぁと痛感します。
印刷会社で繰り広げられる人間ドラマ
元ヤンの主人公ということで根性は座っているわけですが、周りの社員から距離を置かれている部分があったりもして、少なくとも損をしてしまっている部分があります。かと言って、好き嫌いだけでやっていけないのが仕事です。
時には厳しい指摘をされて元ヤンの一面が顔を覗かせることもあるんだけど、そういう挫折を繰り返しながら成長していく主人公の姿が見応えたっぷりに描かれています。これは元ヤンじゃなくても性格上の問題で共感できる人が少なくないはず。
まして上司のタイプによっては「分からないことはすぐ聞け(時間が勿体ない)」っていうタイプと「すぐ人に頼らないでまずは自分で考えろ」っていうタイプがいると思うんで、この辺は元ヤンじゃなくてもイラっとすることがあるだろうし、自信の喪失に繋がってるっていう新入社員も多いんじゃないかと思います。そんな中で本作の主人公がここを乗り越えていく姿は必見です。
印刷業界あるあるの宝庫
きっと印刷業界に勤めている人にとってはあるあるなんだろうなぁと思えることでも、僕みたいな印刷業界ど素人からすれば初めて聞くようなことだったりするし、まるで印刷会社に社会科見学に行ったかのような新鮮な気持ちで楽しむことが可能です。
インクの種類、デザインのパターンなど知れば知るほど奥が深くて、まさに職人芸という感じ。僕の家にも地方ローカル紙が定期的に投函されていくんだけど、そういうのも印刷業界が絡んで作られていると思ったらちょっと見方が変わってくるよね。
かなりリアリティ寄り(と思われる)なので、そこまで熱量があるわけじゃないにも関わらず、実写化から就活生が印刷業界に殺到するフラグが立ったと思えるくらいに魅力的な作品です。
刷ったもんだ! コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
ぶっちゃけ印刷業界っていう存在は知ってたけど新聞社とかとごちゃごちゃになって、具体的にどういうことをしているのかが全く分かっていませんでした。そういう僕みたいな読者にとっては新しい世界が覗ける良書だと思います。
特に最近は紙媒体のコンテンツが少しずつ電子化されてるじゃないですか?僕も漫画はもうほとんど電子書籍で買うようになったし、そういう人ってめちゃくちゃ多いと思うんです。そんな感じで苦境に立たされている印刷業界だからこそ、多くの人を惹きつけるためにやっていることが職人芸みたいになっていて、すごく興味深いシーンの連続となっています。
本作を読んだらその辺の印刷物に対する意識も大きく変わるし、普通に勉強になること間違いなし。元ヤンという設定の少し不器用な主人公が成長していく様子も楽しみです。
あとがき
印刷業界のすったもんだ。
職業・ビジネスがテーマ|面白くておすすめのお仕事漫画を厳選紹介!