音楽って色んな種類や形態があると思うんだけど、これまでの僕の人生でマーチングバンドって実際に見たことがあんまりないんですよね。というか見てるんだろうけど、メインがそれじゃなかったっていうことが多いのかも。
ただし本作を読んでしまったら、もう実際のマーチングバンドを見たくて仕方なくなってきました。というわけで今回は、8分間に捧げる青春を描いた音楽漫画「みかづきマーチ(連載中)」を紹介します。
みかづきマーチのあらすじ
勉強漬けの日々で毎日が退屈だった高校１年生の美月は、春休みに家出をし、秋田で喫茶店を営む叔母・ユキを訪ねる。口うるさい母親も勉強もない日々は最高なはずだったのに、やはりどこか退屈で……。そんなある日、叔母の配達に付きそい地元の高校へ。そこで美月は、音楽と動く隊列で作られるマーチングバンドに汗を流すアキラたちと出会う――。８分間に捧げる青春、開演。
みかづきマーチの見所をチェック!!
マーチングバンドに魅了される主人公
本作は東京から秋田の親せきの家に家出(春休み中)してきた女子高生が主人公の物語です。よくある「親の敷いたレールの上を進むのに疑問を感じた」みたいなことがきっかけなんだと思います。
そこでたまたま見た高校のマーチングバンド部の活動を見て、それに一気に魅了されて「自分も参加してみたい！」と思うという流れ。ぶっちゃけ自分のところの高校でやるんじゃダメだったのかって思う部分もあったけど、秋田の高校に編入して挑戦することになります。
これまでは親の言うようにずっと勉強しかしてこなかった主人公にとって、初めて自分から挑戦したいと思ったことのようなので、これまでに経験したことがないような出来事がたくさん待ち受けていると言っていいでしょう。
演奏しながら動くことの難しさ
マーチングバンドってあんまり見たことがないんだけど、勝手なイメージでは「軍服のようなものを着て歩きながら演奏する吹奏楽」っていうイメージがあります。パレードなんかもマーチングバンドの一種ですよね。
楽器ってそれだけを演奏するのにも奥深くて難しいのに、これが歌いながら～とか歩きながら～ってなると急に難易度が上がるようなイメージがあるじゃないですか？ギターなんかでも座ったまま弾くのと立って弾くのとは勝手が変わってくるし、動きについての説明なんかは興味深く読むことができました。
周りと呼吸を合わせるってこともそうだけど、演奏や音楽のリズムとはまた違った動きのリズムも保ちつつ～っていうのが面白いです。まして楽器の種類によっては重量的な問題もあるし、華奢な女の子が演奏したりもしてるし…。
今までは何となく見ていたマーチングバンドの奥深さに注目です。
泣き虫な主人公が成長していく姿
今までずっと塾を言い訳にして、クラスの子たちと放課後に遊ぶみたいなことをしてこなかった主人公にとって、仲間と呼べる存在ができるのって嬉しいことでもあり、そして大変なことなんだろうと思います。
高校生くらいの子だったら何かミスや失敗があった時、どうしていいか分からなくなってテンパって泣いてしまうという人もいるんだろうなぁ。そういう時に泣いちゃった子を励ましたいっていう気持ちもあれば、逆に「泣けば済むと思ってる？」という辛辣な言葉を浴びせてしまう気持ちも分かるというか…。
いずれにしても本作では泣き虫だった主人公が強くなっていく様子が堪能できます。これまではやりたいことも無くて、親の言う通りに生きてきた主人公が初めて親に歯向かってまでも始めたマーチングバンドです。このマーチングバンドを通して成長していく主人公の姿は、本作最大の見所と言っていいでしょう。
みかづきマーチ 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
吹奏楽部とかコンクールに向けた音楽を題材にした漫画は割と増えてきた印象なんだけど、マーチングバンドってかなり珍しいんじゃないかと思います。そういう意味ではめちゃくちゃ斬新な音楽漫画です。
個人的にはマーチングバンドを見に行ったことって無くて、「何かを見に行ったらそこにマーチングバンドがいた」っていうケースしかないのであれなんだけど、たぶん最近見たのは自衛隊の駐屯地イベントとかだったと思います。身体の小さい女性隊員が自分の身体より大きい太鼓みたいなのを持って演奏してました。
そもそもホールのような屋内で演奏する前提じゃないし、楽器を持って歩きながら演奏するわけで、ただ座って演奏するのと全く違うというか、求められる能力が違うということがすぐに理解できます。そしてマーチングバンドに興味が出てくること間違いなし。
部員たちとの衝突や家庭状況のあれこれなんかもありつつ、少しずつ成長していく主人公の姿は必見です。やりたいことを見つけて夢中になる姿は美しいと感じさせられる音楽漫画だと思います。
あらすじ
「退屈なまま大人になっちゃう」って。
