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「雪人 YUKITO」を読んだ感想・レビュー

 

映画を見たかのような満足感が得られる漫画作品は多数ありますが、やはりサスペンス漫画に関しては長すぎず短すぎずのボリュームが1番読みやすいと思います。

そういう意味でも本作は全5巻というボリュームの中に、しっかりと伏線が張り巡らされていて、徐々に真相に迫っていく緊張感も再現されており、サスペンス好きにはたまらない仕上がりなんじゃないかと。というわけで今回は、刑事が父親殺しの犯人を追うサスペンス雪人 YUKITO(全5巻完結済み)」を紹介します。

 

 

雪人 YUKITO あらすじ

 

本作の主人公は秋田県警捜査一課に所属している刑事。自身の父親が殺された事件の真相を追求するために、辞表を提出して東京へと向かった。

東京に着くやいなや、ぼったくりバーのキャッチにハメられたりなど前途多難だったが、そのおかげで自身の父親を殺した罪で指名手配されている男の情報を手にすることに。

しかし「その男は犯人ではないのではないか」と考えていた主人公。指名手配犯は何者かに殺され、手掛かりがなくなったところで思わぬ僥倖が。そして最終的に辿り着いた事件の真相は、想像以上に大きな巨悪なものであった。

 

雪人 YUKITOの登場人物

梶 雪人

 

本作の主人公にして、秋田県警の捜査一課にいた元刑事。警察官は身内の捜査をしてはいけないため、刑事を辞めて(正確には休職扱いだが)自身の父親が殺された事件を追っている。

 

 

街で男を引っ掛けてぼったくりBARに連れて行くバイトをしていて、そのカモに雪人を選んだ。その後、自分が騙したにも関わらず、友人を助けるのに協力してくれた雪人に惹かれ始める。

 

佐江

 

東京の刑事。自分のシマで雪人がヤクザと揉めているところを仲介に入ってから、雪人の面倒を見ている。

 

呉林

 

警察のキャリア組で、秋田から東京に出てきた雪人の面倒を見ている。一方、自身が出世するうえでヤクザに大きな借りがあり、ヤクザ相手に色々と便宜を図っている。

 

宮本

 

雪人の父親を殺害した容疑で指名手配されている男の兄貴分だった男。指名手配犯を匿っていたために取り調べをされ、その取り調べ中に自身の組の親父が死んでしまったが葬儀に出られなかった。以後、かつて部下だった男の下で動くこととなる。

 

雪人 YUKITOの見所をチェック!!

指名手配犯の死亡

 

雪人の父親はとある組の構成員をしていた男を連行している途中に消息を絶ち、どうやら殺されたようです。警察ではその連行されていた男が雪人の父親を殺害し、そのまま逃亡したとみて指名手配していたのですが、雪人がその男の元に辿り着く直前にその男が殺されてしまいます。

ただ雪人自身は「自分の父親を殺したのはこの男ではなく、何かの力が働いてこの男がやったということにされている」という考え方をしていて、読み手としてもワクワクする展開に進んでいくのが大きな見所です。

やっぱこの間一髪で間に合わなかったってのは定番だけど、読んでるこっちも「くっそー」ってなりますよね。これは熱い。

 

任侠映画などが好きな人にはたまらない仁義

 

この物語には警察関係者やら暴力団やらが次々と出てきますが、暴力団だからと言って悪者というわけではありません。利害関係が一致している間は共に行動するという者もいれば、1度助けてもらった恩義に報いるためなら何でもするという者も。

もちろんとんでもないゲス野郎も出てきますし、ぼったくりバーなんかで金を巻き上げているようなチンピラも出てきますが、任侠映画などで人気を博すような極道の人間が登場するのも大きな見所です。

最近の暴力団、ヤクザは良い話を全くと言っていいほど聞かなくなりましたが、ちょっと前までは必要悪というかVシネマなんかでヤクザを持て囃す文化もあったんですけどね…。そういう作品が好きだったという人にはめちゃくちゃ刺さる展開が待っているでしょう。

 

緊迫するハードアクション

 

警察という肩書を持った人間が登場しているとは思えないほどドンパチやります。そして主人公は職務外なので拳銃を持っているわけでもなく、マタギ由来の刃物(それも未使用)のみで立ち向かうという漢っぷり。

基本的にはサスペンス要素に重きが置かれているので、ドンパチやるのはクライマックスだったりするのですが、要所要所でこういう刺激的なシーンを放り込んでくれているせいか読んでいて全く退屈せずに一気読みが可能です。

 

雪人 YUKITO コミックス全5巻を読んだ感想・レビュー

最初から最後まで一気読みしてしまうほど、夢中になりました。主人公が秋田から出てきた青年ということで言葉に秋田訛りがあるんだけど、特に読みにくいということもなく、むしろ新鮮に感じられて良かったように思います。

そして警官殺しっつったら死に物狂いで捜査するって聞いてるから、それで捕まってない犯人って何か怪しいですよね。「犯人は誰かわかってるのに捕まえられないんじゃないの?」的な。そういう陰謀めいた演出も巧みだし、物語が少しずつ真相に近付いていくのにはワクワクさせられっぱなしです。

個人的にはもっと流行ってもいい作品だと思ってるし、サスペンス漫画が好きな人にはぜひ読んでみて欲しいです。たぶんジャケ買いする層が見向きもしないっていうか、タイトルで損してるだけだと思う。

 

あとがき

「警察×ヤクザ×敵討ち」的な展開は鉄板。

 

 

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