ラグビーはワールドカップにて日本代表がなかなかの活躍を見せていますが、ルールが難しいせいかイマイチ人気に火が付いていないという印象を受けます。2019年のW杯、個人的にはかじりついて注目してまして…。全試合見たかったくらいだったのに、民放でも生放送される試合が少なくて残念でした。
日本代表と言いながら日本人っぽくない面々も多いけど、あの選手たちは下手な日本人より日本人っぽいからね。次回のW杯も期待できると思えるくらい、大活躍のブレイブ・ブロッサムズは超カッコ良かったです。
というわけで今回は、そんな熱いラグビーを描いた漫画「フルドラム(全5巻完結済み)」を紹介します。
フルドラム あらすじ
運動音痴で、部活動は即クビ、しかもストーカー気質…。そんな高校1年生・日野は、運命の人との出逢いを果たす!! その運命の出逢いがもたらしたのはラグビー人生。男と男、プライドが衝突する闘球の世界へ飛び込む!! 魂と意地が弾けるラグビーストーリーがキックオフ!!
フルドラムの見所をチェック!!
主人公が素人で、一点突出型
本作の主人公は他の部活で戦力外通告を受けるような人間で、お世辞にも運動神経がいいというタイプではありません。「だからと言って全国トップでもないような部活をクビになるか？」って思ったりもするけどここはまぁご愛敬。
さて、そんな彼がラグビーと出会ってラグビーに夢中になるわけですが、なぜか身体能力は高くないのに「タックルだけはめちゃくちゃ凄い」という一点だけ突出している能力を見せます。
ぶっちゃけラグビーは身体能力が高くないと駄目な競技だと思うんだけど、バスケみたいに「背が高くないとダメ」とかはそこまで無さそうだし、ポジションによって様々な役割がある分、オールマイティである必要はなさそうだという意味でこの主人公には合ってるのかなぁと。
まぁ体重70kgくらいの人がいくらタックルの技術が高かったとして、130kgの巨漢相手に「まるで丸太のようだ…」みたいに言わせることって現実的にあるんだろうかって部分は分かりません。漫画だし、ちょっとは盛ってるのかな？
でも僕のようにラグビーを実際にやったことがない人間からすれば、魔法系スポーツ漫画とも言い切れないリアルっぽさはあったように思います。
チームメイトとの結束
新入部員に対して「お前、才能ないから辞めろ」と突っかかってくる先輩がいたり、他の部員にはそんなに理不尽なことはしないくせに、やたらと主人公に絡んでくるキャラがいるというのは一種のお約束です。
それでもラグビーを題材にしてるってだけで、そんなありきたりなシーンも熱く見えてしまうっていうのは凄いよね。いつもなら「あー、始まったか」くらいの熱量なんだけど、本作に関しては主人公を応援してしまいました。
あとはラグビーっていう競技そのものが、特に結束力の問われる競技だからってのもあると思います。「おれが囮になる」みたいな演出もグッときそうなのは読まなくてもある程度は想像できるじゃないですか？主人公が徐々に仲間たちに認められていく感じがたまらないです。
フルドラム 全5巻を読んだ感想・レビュー(少しネタバレあり)
ラグビー漫画自体が少なく、序盤はすごく勢いを感じたので期待していたのですが、残念ながら(？)全5巻での完結となってしまいました。個人的にはもうちょっと読んでいたかった作品です。
打ち切りになるほど酷い漫画のようにも思えないんで、練習試合をちょろっとやって主人公が徐々に成長していく可能性を出してきた矢先に「そして月日は流れ…」みたいなのは、もう残念以外の感情がなかったっす。
ちょっと辛口なことを言うと「スラムダンクにインスパイアされてる？」と感じるくらい、似てる部分が多いような気がしました。「主人公が素人だけど、得意分野のみではトップクラスの才能を発揮する」とか「マネージャーの女の子に恋をして部活に入る」とか。決め手だったのは「怪我をしても、『俺は今なんだよ！』みたいなことを言って、試合に出て活躍する」ってとこだよね。
個人的には「怪我をして頑張ることを美談にしてほしくない」って感情が強いから、そういう漫画あんま好きじゃないんだけどスラムダンク然り、ルーキーズ然り、ここはインスパイアとか抜きにして読者を泣かせようと思ったら仕方ないのかなぁ。
絵は綺麗だし、仲間同士の結束や絆みたいなのも熱いし、もうちょっとボリュームさえあればもっと良い作品になったんじゃないかと思います。それくらいのポテンシャルを感じたのでラグビーに興味がある人、熱い男のスポーツ漫画が見たい人におすすめです。
あとがき
せめて花園手前くらいまでのボリュームがあれば…。
