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「サガラ Sの同素体」を読んだ感想・レビュー

 

昔、日本赤軍のメンバーを逮捕するために秘密組織が結成されたっていうドキュメンタリーを見たことがあります(アンビリーバボーだったかなぁ)。地道な捜査を続けて、何年も経ってようやく一筋の光が見えてくるって感じの途方もない諜報活動に、すっげーワクワクしました。

本作で描かれているのは、イラクにて実戦訓練を積んでいる日本人の組織と、それを探るスパイの物語です。テロって聞くと危険と感じる人が大半だと思うけど、本作で描かれているそれは戦争に近いような印象かなぁ。言ってみれば「カタチの異なる正義同士がぶつかってる」みたいな。

リアルの時代背景に一石投じるという意味でも、本作の結末には注目です。というわけで今回は、テロ組織とそのスパイの物語「サガラ Sの同素体(全8巻完結済み)」を紹介します。

 

 

サガラ Sの同素体 あらすじ

2018年、エルサレム。極秘裏に訓練を積んでいた一人の日本人警察官が、帰国を命じられる。200名以上の日本人武装勢力が、密かにイラクで実戦に参加していることが判明、その狙いを突き止めよとの特命が下ったのだ。武装勢力を束ねる男の名は、成瀬完治。彼と特命を受けた男、二人が持つ腕時計には、銃の発砲に反応して赤く発光する、特殊なダイヤモンドが埋め込まれていた。成瀬の狙い、そして二人の男の繋がりとは――。

 

サガラ Sの同素体の見所をチェック!!

ダイヤが埋め込まれた時計の存在

 

本作の主人公は「サガラ」というコードネームを持つ警察官で、イラクにて実戦参加している武装勢力のトップである成瀬完治という男を探るように命じられ、あの手この手で接触を図っていくという感じ。

一見すると「対テロ組織用の特殊任務を命じられた特殊警官(スペシャリスト)の物語」かと思うんだけど、この2人の間には共通点があって、それが「銃の発砲に反応して赤く発光するダイヤが埋め込まれた時計をしている」という点です。

これ自体が非常に貴重なもので簡単に手に入る物でもないということから、この両者には何らかの関係性があるんじゃないかっていう部分が、大きな謎となっています。

結果として「テロ組織のトップとそれを探ることになったスパイ」っていう関係性にはなったけど、もっと根っこの部分で2人は繋がってるんじゃないかっていうね。それが生き別れの家族っていうありきたりな感じなのか、あるいはそれ以上の秘密が隠されているのか…。序盤から早くも真相が楽しみになります。

 

テロリストの真の目的とは?

 

世の中には宗教的なものや思想によってテロ行為が行われることがあります。このうちの一部は「革命」なんて呼ばれたりもして、神格化とまでは言わないまでも、歴史上の出来事として正当化されることがあるじゃないですか?

テロ組織の大部分は「危険な思想してるなー」って感じる対象だと思うし、仮に思想が危険じゃなかったとしても「その武力で訴える手段はどうなの?」って思ったり思わなかったり。

 

ただ、近くの国でも「デモくらいじゃ変わらない」っていう現実があるわけで、国民は純粋に平和を願っているのに、国民を欺きながら政府が好き勝手やってる的な部分も見えてきたりします。もちろんテロを肯定するわけじゃないけど、言葉を選ばずに言うのであれば「テロリストとしての正義が少し理解できる」というレベルの話かなぁ。

もちろん本作の主役は日本人であり、日本の将来を担う1人がテロリストになったという部分。右翼とか左翼とかよく分からないけど、日本について少し不安に思う部分もあるし、腐りきってるなーって感じる部分もあります。

本作で描かれているテロリストたちが、どういう思想で武力行使を目論んでいるのか、そしてそれが実行されるのか。テロリスト側からすれば、仮に武力行使できなくてもその結果、自分たちの思う国作りに繋がればいいわけで、そのあたりの結末にも注目です。

 

サガラ Sの同素体 コミックス1巻~3巻を読んだ感想・レビュー

テロ組織が相手って言うから、序盤からドンパチあるのかなぁと思いきや、草の根活動というか地味な諜報活動が続きます。個人的にはこれがすごく好きで、一種のステルスゲーのような雰囲気が最高。「対象にバレないように、いかに自然に接近するか」みたいな。

もちろん主人公は単独でテロ組織の内情を探るように命じられるほどの、いわばスーパーエリートです。そして相手は相手で、元自衛隊幹部かつイラクにて実戦経験を積んでいるテロ組織のトップですから、両者ともに頭が切れます。この心理戦みたいな部分は、超見応えがある部分で、相手の心理を水面下で探る的な描写が好きな人には文句なしにおすすめです。

 

普通だったら「危険な思想を持ってるテロリストがいる→スパイとして潜り込んでその作戦を潰そう→テロは失敗に終わり、平和が訪れる」みたいな感じなんだろうけど、こんな単純に終わるわけがないって思える部分もめちゃくちゃ魅力的。

下手すりゃ「この両者には家族以上の絆や結束みたいなものが生まれて、警官側が寝返るんじゃねーか?」くらいのどんでん返しも無いとは言い切れないと思ってます。もちろん日本がテロ行為の餌食になって、その結果として改革されるっていう結末にはならないだろうけど、一方的に「テロ組織=悪」という感じにはならないんじゃないかなぁ…。

とりあえず損得勘定で動くような登場人物ばかりじゃないし、ドンパチするアクション部分だけじゃなく、水面下でのやり取りも魅力的な漫画です。この先の展開も超楽しみ。

 

あとがき

同素体:同一元素から成るが、その原子の配列や結合が異なり、性質が違う単体。例、ダイヤモンドと石墨と無定形炭素(木炭・石炭など)。

 

 

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