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「天空侵犯」を読んだ感想・レビュー

天空侵犯表紙

 

殺し合いのサバイバルやデスゲーム漫画の中にも、色んな設定がプラスされた作品が登場しています。本作にも「天空」という要素がプラスされていて、高所恐怖症の読者にとってはめちゃくちゃ怖い設定と言えるでしょう。

ただでさえ手斧やら鎌を持った敵に追い回されるだけでも怖いのに、高層ビルと高層ビルの間のつり橋で襲われたら…。もう創造だけで怖い、やばい、ちびる。いや、ちびった。というわけで今回は、高所で行われるデスゲーム「天空侵犯(全21巻完了済み)」を紹介します。

 

 

天空侵犯 あらすじ

「私は学校にいたはずなのに…」 女子高生・ゆりが、いつの間にかいた場所は、超高層ビルの屋上! 目の前では、仮面をかぶった男が、斧で人を殺していた。どうやらこれは、夢や幻ではなく「現実」! 仮面の男に追われながら、出口を探してビル内を逃げるゆりが目にしたのは「地上に降りる事はできない」と書かれた看板。なんかムカついてきた! こんなふざけた世界で死んでたまるものかっ!! ゆりのサバイバルが始まる!

 

天空侵犯の見所をチェック!!

高所で行われる生死を賭けたサバイバル

天空侵犯1

 

本作は殺し合いがテーマになっていて、いわばデスゲームと呼ばれるジャンルの漫画なんですが、特筆すべきは「高層ビルの集合体のような高所でのバトル」が展開されるという点です。

例えば2F以上の建物の中で誰かに襲われた場合、普通は「下に逃げる」のがセオリーだと思います。しかし本作では、地上に降りて逃げるという選択肢が最初から排除されており、逃げる場合は上に上に逃げなければなりません。これが非常に秀逸な設定となっています。

まるで火事が起こった建物内で下に逃げられない恐怖というか、上に行けば行くほど追い詰められていくという焦りみたいなものが心拍数をグッと上げてくるんですよね。最後の最後まで追い詰められると「ここから飛び降りれば苦しまなくて済む」というような極論も信じてしまいそうになるくらい、パニック状態に追い込まれること間違いなし。

 

襲ってくる謎の仮面人間

天空侵犯2

 

普通のデスゲームでは賞金の発生するゲームだったり、生き残るために誰かに仕組まれたゲームだったり…基本的にはプレイヤー同士の対決である場合がほとんどです。しかし本作に登場するのは仮面を被った人物で、まるで生身の人間が仮面によって操作されてるかの如く襲い掛かってきます。

その仮面によって操作されてるのだとすれば、その仮面を作った人物の目的は何なのかが気になるし、そもそも仮面を被る前は普通の人間だったのか等、色んな疑問が出てくるのでグイグイ物語に引き込まれていくでしょう。

そして仮面人間はそれぞれ武器を所有しており、園芸用のスコップみたいなしょぼい武器の奴もいれば、本格的なスナイパーライフルを装備している奴もいます。逃げ場のない高所でスナイパーに狙われる恐怖…想像するだけでちびる。

 

可愛いキャラと微エロ要素

天空侵犯3

 

本作は絵が上手くて、特に主人公である女子高生がめちゃくちゃ可愛いです。少年誌で連載されていたということもあり、ちょいエロ要素で読者を引っ張ろうとした感があるものの、たまーに顔を覗かせるそれは本作の見所の1つと言っても過言ではありません。

あからさまなエロ要素を出しているというわけではなく、本当に微エロ。そこそこパンチラは出てくるけど、それ以上のものは出ません。「サバイバルの場にエロを持ち込まないでほしい」って人もいるかもしれないけど、たぶんそこまで世界観の邪魔にはなってないです。

むしろ死にかけている時に、いちいちパンチラを気にしながら逃げるという人もいないと思うので、そういう意味では「かなり必死になって逃げている感」みたいなものが感じられて、むしろ恐怖感を煽ってる要素と言えるかも。

 

天空侵犯を読んだ感想・レビュー

コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

なぜ高所でデスゲームを強いられているのか、再三に渡って登場する「お兄ちゃん」とは何者なのかを含め、謎が謎を呼ぶ展開が気になって仕方ありません。

少なくとも主人公には信頼できるお兄ちゃんがいるってことなんだろうけど、何かにつけて「お兄ちゃんが~」というシーンの連続は行き過ぎたブラコンのような気がして、個人的にはちょっと気持ち悪く感じました(作者さんにはそういう願望があるのかな?)。

それでも仲間が増えることで得られる安心感と、その仲間が「ひょっとして裏切るのでは?」という猜疑心のバランスが秀逸です。この先どんな展開を辿るのか、気になって仕方がない序盤と言えるでしょう。

 

コミックス全21巻を読んだ感想・レビュー

途中までは「この先、どんな展開になるんだろう…」と楽しみに見ていたのが、途中から「これどうやって収拾つけるんだろう…」という感情に変わりました。バトルもインフレが進んで、もはやライフルとか手りゅう弾が意味をなさないし、物語序盤の恐怖感が後半はほとんどなかったです。

単行本が21巻っていうのは決して短くないし、むしろ人気作じゃないと到達できない領域だと思うんだけど、最後は打ち切りだったんだろうか…。「え、これで終わり!?」っていう感が凄くて、現実を受け入れられなかったというのが正直なところ。

個人的には高所恐怖症というのもあって、高所でのデスゲームっていう展開は想像するだけでも身の毛のよだつ設定だったのが、途中から高所という要素がまったく関係なくなっちゃったので勿体ないような気がしました。

全10巻くらいで終わってたらここまで不満を言うこともなかったんでしょうが、全21巻読んで「これで終わりかーい!」っていう部分にちょっと不満を感じてしまったのかも。

 

あとがき

拳銃で戦ってた時が1番面白い。レールガンが出てきたらむしろ怖くない。

 

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