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「山羊座の友人」を読んだ感想・レビュー

 

僕は小説を滅多に読まないです。滅多にっていうか、ほとんど読まないかな。そんな僕でも「乙一」って名前はメチャクチャ知ってます。一時期、その辺の女子高生が熱狂してたという印象です。

それでも僕は読んだことがなくて、あるタイミングで本作と出会い、乙一という人間が持て囃された理由を知ることになるんだけど、まぁ面白すぎるよね。流行るべくして流行ってるって感じがしました。

というわけで今回は、そんな天才小説家が書いた短編小説をコミカライズした作品「山羊座の友人(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

山羊座の友人 あらすじ

 

主人公の男子高校生・松田ユウヤの家には、落ち葉と共に沢山の漂流物が流れ着く。それは洗濯物や雑誌のみならず、見たことがない文字で書かれたノートであったり、賞味期限が200年前のスナック菓子の袋であったり…。

まるで異世界から流れ込んできたと思われる漂流物が届くことも、さほど珍しいことではなかった。そんな時、1つの漂流物のことが頭から離れない。

それは9/25日の朝に拾った「10/2の新聞の切れ端」である。そこには「ユウヤと同じ市に住む、同い年の少年が殺されてしまうこと」「その少年を殺した少年が、殺人容疑を認めて自殺してしまうこと」が書かれていた。

 

山羊座の友人の登場人物

松田 ユウヤ

 

本作の主人公。彼が住んでいる家のベランダには、落ち葉と共に数多くの漂流物が流れ着く。金城が若槻をいじめている姿を度々目撃していたが、それを止めることができず、罪悪感のようなものを背負っている。

 

若槻 ナオト

 

ユウヤの同級生で、同じく同級生の不良・金城から執拗にイジメに遭っていた。華奢な体格をしていて大人しく、山羊座である。

 

本庄 ノゾミ

 

本作のヒロインにして、ユウヤのクラスメート。ユウヤとは仲が良く、彼の家の奇妙なベランダについても知っており、それに興味を持っている。途中からメガネをやめてコンタクトに替えた。

 

山羊座の友人の見所をチェック!!

「山羊座の友人」というタイトルについて

 

本作はもともと短編小説だったものがコミカライズされた作品です。小説は非常に奇をてらったタイトルになっていることが多いんだけど、本作の「山羊座の友人」ってのもすごく深い意味を感じました。

というのも仮に本作を自分が作ったとして、タイトルに「山羊座の友人」なんて絶対に付けないと思うんです。でも、言われれば思う。「あぁ、山羊座の友人だなぁ」と。

某歌手のさそり座の女じゃないけど、これは上手いタイトルだと思いました。「なんで山羊座の友人?」って思いながら読むと、本作の魅力がしゃぶり尽くせるんじゃないかと思います。

 

等身大の高校生の様子

 

高校生を主人公にした漫画って多いんだけど、そのどれもが「子供っぽい」あるいは「大人すぎる」と感じてしまうことは少なくありません。それに引き換え本作は等身大の高校生っぽいなーと感じさせられました。ちょっとふざけたこともするし、大したことじゃないのに重く受け止めたりもするし、この距離感が高校生らしいなぁと。これって結構難しいことだと思います。

僕は高校時代のこともハッキリと記憶に残ってるけど、生意気にも当時は大人とそんなに変わらないと思ってたんです。でも今になって通学している高校生とかを見ると「高校生ってこんなに子供だっけ?」って思うんですよね。

自分が年を取っていくに連れて、正確な距離感ってわからなくなってくるはず。そういう意味では本作で描かれている高校生は、ままで等身大と言っていいでしょう。

 

物語の結末は…?

 

本作の最大の見所は、未来から来た新聞記事のように「同じ市に住む同い年の少年が殺されてしまうのかどうか」という点。そして「その事件が起きてしまった時、その少年を殺してしまった少年も自殺してしまうのか」という点だと言えます。

事前にそんなことが起こるってのを知っていたら「それを食い止めることができるんじゃないか?」ってのが1つのテーマだと思うんですよね。言うまでもなく、このあたりの結末に関しては文句無し。すっげー面白い。惚れる。息子が生まれたら名前を乙二にする。

冗談はさておき、やっぱ殺人事件が起きちゃうのかどうかって部分がまず注目すべき点で、もしそれが起きちゃったんだとしたら、せめてその殺しちゃった側の少年に対して「自殺なんかせずに罪を償ってほしい」って思うんだけど、そこに更に乙一マジックが加わったって言うのかな。タイムリープ系の物語で「運命を変えることができるか!?」って展開が好きな人なら間違いなくハマると思います。

 

山羊座の友人 コミックス全1巻を読んだ感想・レビュー

初期設定の掴みからして一気に引き込まれました。そして最後の最後に「え!?そういう終わり方すんの!?」って部分も完全に盲点だっただけに、度肝を抜かれるような感じがして本当に衝撃的でした。

個人的に「どうせこうなるんでしょ?」と思って読んでいるものを、良い意味で裏切られるのが大好きなんだけど本作はまさにそんな感じ。

全1巻で物語も綺麗にまとまってるし、原作を知らないからアレだけど絵の雰囲気も作風にマッチしてると思います。ちょっとしたサスペンスとか、推理系の作品とか、タイムリープ系の作品が好きな人におすすめしたいです。

 

あとがき

「なに座?」って聞かれて「フリーザ」って答えるやつ、今も流行ってんの?ねぇ?

 

 

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