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「乙女高校ボクシング部」を読んだ感想・レビュー

乙女高校ボクシング部表紙

 

僕が中学生だった頃、割と近くに「今年から共学になります」的な女子高がありました。当時はちょっとした羨ましさもあったし、少し茶化すくらいの感情はあったけど、女子200人に対して男子が5人くらいの比率だと逆に結構きついだろうなぁと。

そんな舞台でいじめられっ子がボクシングを始めるという設定の、硬派なんだか軟派なんだか分からないボクシング漫画があるんです。というわけで今回は、王道展開にハーレム要素をプラスしたボクシング漫画「乙女高校ボクシング部(連載中)」を紹介します。

 

 

乙女高校ボクシング部 あらすじ

乙女高校ボクシング部1

 

中学時代イジメられっ子だった主人公・雷田大樹。乙女高校と言われた共和高校が女子高校をやめて男子を一部入れると聞き早速入学する。男子が少ないのならイジメられることもなく、しかも女の子にもてるだろうと大樹は小躍りする。しかし入学式に出席して呆然とする。入学した男子はたった4名。その日から今度は女子からイジメられる。居場所がなくなった大樹たちがたまたま逃げ込んだのはボクシング部の部室であった。その日からボクシングをやらざるを得なくなる。しかし大樹たちは少しずつボクシングの魅力に取りつかれていく。

 

乙女高校ボクシング部の見所をチェック!!

王道の煽りと秘められたセンスという要素

乙女高校ボクシング部2

 

タイトルにもあるように女子高だったという設定がハーレムを連想させていますが、描かれている内容は少年誌に掲載されている王道ボクシング漫画という感じです。

最初はボクシング部に所属している可愛い女の子に惹かれてボクシングを始めるんだけど、ヘタレだった主人公にボクシングの才能が垣間見えて、少しずつ成長していくって流れになってます。で、嫌な奴が煽ってくるっていうまさに王道の流れ。

いくら素人とは言え、同年代の男子のパンチによってガードを崩された女子選手が「こいつ、私のガードを…」みたいな展開には思う部分がある読者も少なくないと思います。ただ、今までいじめられっ子だった主人公が徐々に成長していく姿という要素は、面白くないわけがないでしょう。というわけで期待度は高めです。

 

ボクシングの基礎・基本からの視点

乙女高校ボクシング部3

 

よほどボクシングが好きな人なら別だろうけど、経験者でもない限りはボクシングの基礎・基本も体験したことがないと思います。僕はボクシングを見るのが大好きだけど、実際にリングに上がったことはないし、初めてボクシンググローブを見た時は「こんなに大きいの!?」って思ったし。

そういう人からするとリングの広さ、そしてリングを動き回るだけでも足に負担が掛かるなんてことは、意外と目が向かない要素なんじゃないかと。本作は主人公がボクシング初心者ということで、そういう視点も交えて物語が進んでいきます。

まぁ関東2位の女子選手が新入部員の女子選手に殴りかかったり、余裕で返り討ちに遭ったり、返り討ちする側が咄嗟の行動とは言え素手で応戦するという展開には思う部分がありますが、まぁかつての王道スポーツ漫画の流れを汲んでいるということで。

 

乙女高校ボクシング部 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

普通はいじめられっ子がボクシングを始めるって展開になれば、誰もが主人公を応援したくなると思うんだけど、個人的には本作の主人公に対して感情移入できませんでした。

入り口の「もういじめられたくないから今年から共学になった、かつての女子高に入学した」という展開は分かるし、入学した男子が少なすぎて結局は女子にいびられ続けるって展開もいい。でも不良とケンカして「俺、強くなってる!?」はちょっと違うでしょ…。しかも不良のリーダー格みたいな奴も実はボクシング部で、しかも普通に殴ってくるとかそういう要素があります。

「人の夢を笑うな!」みたいな熱い展開の裏で、街中で普通に喧嘩したり、こっちに優しくしてくれる女子のことはハーレム1号と呼んだり…。いじめられっ子だけど結構ゲスイ奴なんだなぁと思ったら応援できなかったです。

ただし、ボクシングを通じて人間的にも成長する過程を演出していくというのであれば、これくらいで丁度いいのかもしれません。今後の展開に期待しています。

 

あとがき

不良とケンカして退部になって「ボクシングがしたいです」的な展開になるかと思ったら全然違った。