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「永世乙女の戦い方」を読んだ感想・レビュー

永世乙女の戦い方

 

最近人気が徐々に高まってきたとは言え、漫画のジャンルとして見たらまだまだ少ない将棋漫画。しかも本作は単なる将棋漫画ではなく、女流棋士(というかトップ女流棋士との対局を目指している主人公)の物語です。

将棋を指す人たちだし、なにより可愛らしい女の子が登場人物ということで、ちょっとした百合漫画だと思っていると痛い目に遭うでしょう。やってることはバトル漫画みたいな感じだし、熱量的にはバトルものの少年漫画と大差ありません。

将棋に興味を持っているという人なら、本作を読んで熱くなること間違いなし!というわけで今回は、プライドのぶつかり合いに見応えがある将棋漫画「永世乙女の戦い方(連載中)」を紹介します。

 

 

永世乙女の戦い方 あらすじ

華麗で獰猛な美しき乙女たちの戦い!81マスの盤上で激しく戦う乙女達!

高校2年生の早乙女 香が目指すのは、将棋界の遥か高み。彼女の前には、美しくも獰猛な乙女達が立ちふさがる。なによりも熱く、そして冷徹な戦いが今始まる!

 

永世乙女の戦い方の見所をチェック!!

迫力満点で分かりやすい頭脳戦を演出

永世乙女の戦い方1

 

将棋の対局って最近でこそソフトの数値が表示されていたりして、あまり将棋を知らない人でもどっちが優勢なのかが分かりやすくなっていますが、基本的に棋士の方はポーカーフェイスであることが多いので、素人からすると「どっちが勝ってんの?」という感じになることが多いです。

しかし本作で描かれている将棋は、良くも悪くもプロレス的な将棋になっていて、対局中にもガンガン会話が進むし、よく言うなら熱量が迸る感じ、悪く言えば行儀が悪いという表現になると思います。個人的には漫画なんだから、これで全然OK。

対局者に罵声を浴びせることも少なくないし、闘志をむき出しにしている様子は実際の棋戦ではまず有り得ないことだけど、対局中の棋士の脳内を具現化したエンターテイメントとして考えると、非常に興味深い表現がたくさん登場する将棋漫画だと思いました。何より作者のくずしろ氏の絵とマッチした鬼気迫る感じの世界観が最高。

 

目指すのは棋士でもタイトルでもなく、ある人物

永世乙女の戦い方2

 

将棋を全く知らない人だと、棋士と女流棋士の区別も分からないという人は少なくないでしょう。だから女流棋士のトップやタイトルを目指しているのか、あるいは女性として棋士を目指しているのかという部分はそんなに気にならないかもしれませんが、本作のゴールは「とある女流棋士と対局すること」となっています。

いわば憧れの人と対局する的な目標ですね。はじめの一歩で言うところの「目標は王者ではなく宮田くんとの対戦」みたいな。バキで言うところの「親父に喧嘩で勝てるなら世界で二番目に弱くてもいい」みたいな。

そういう意味でも他の将棋漫画とは少し違うというか、将棋を知らない人こそ楽しめる作風じゃないかと思います(もちろん将棋が好きな人も楽しめるけど)。

 

永世乙女の戦い方 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

将棋を漫画の題材にすると、実際の対局を再現するというよりは「ある程度の熱量」がプラスされることがほとんどですが、本作の熱量は異常です。ぶっちゃけ「将棋が題材にはなってるけど、バトル漫画か何かですか?」ってくらいの感じ。

個人的にはそれで良いと思っていて、棋譜は一切排除して、話が進むにつれて具体的な指し手には一切触れずに「一気に逆転した!!」みたいな展開で充分楽しめています。

なにより登場人物たちの鬼気迫る雰囲気が最高です。実際の対局を見ていても、勝った後のガッツポーズなんかそうそう見られないし、なんなら「どっちが勝ったの?」ってくらいの感じじゃないですか?でも休憩中に甘いものを食べたりしているところを見ると、相当エネルギーを使っていることは想像に容易いわけで…。

きっと脳内では激しいバトルを展開してるんだろうなぁって思ったら、本作の表現もあながち誇張とも言い難いんじゃないかと思います。将棋に興味を持っている人なら読んでみて損はないはず。

 

あとがき

可愛いとカッコ良いの両立。

 

 

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