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「往生際の意味を知れ!」を読んだ感想・レビュー

往生際の意味を知れ!表紙

 

誰しも「忘れられない過去の恋人」っていると思います。僕も恋愛経験が豊富な方じゃないけど、バイト先の女の子を好きになったことがあって、その子のことは今でも忘れられません。

とは言っても合コンとかで好きな人のタイプを聞かれて「元カノみたいな人」っていうことは死んでもあり得ないし、当時はかなり引きずったけど時間が解決してくれたと言ってもいいです。

だから本作のような展開が、羨ましいような気持ち悪いような…。とりあえずめちゃくちゃ気になるっていうのは間違いありません。というわけで今回は、常識外のアンモラルな恋愛ストーリー「往生際の意味を知れ!(連載中)」を紹介します。

 

 

往生際の意味を知れ! あらすじ

「元カノと結婚したい」は叶うのか!?

主人公・市松海路(いちまつかいろ)の前に、7年前に失踪した元カノジョ・日下部日和(くさかべひより)がある日突然、現れた。恋い焦がれ、待ち望みすぎて、元カノ教の敬虔な信徒と化していた市松だったが、彼女の無理難題な要求が明かされて…

「市松君に私の出産記録を撮って欲しいの。」「だから市松君の精子が欲しい。」

『あげくの果てのカノン』米代恭が新時代を切り開く、新しいアンモラル…!?深呼吸必至の元カノ×元カレ“やり直し”ラブストーリー!!!

 

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今でも元カノが忘れられない純粋(?)な主人公

往生際の意味を知れ!1

 

例えば結婚している夫婦に聞いてみても「忘れられない元恋人がいる」っていう人は結構いるんじゃないかと思います。もちろんそれがどの程度忘れられないのかは分かりませんが、大半は「ふとした時に思い出す」とか「今でもあの当時の好きだった気持ちが蘇る瞬間がある」みたいな感じなのかな。

いずれにしても失恋直後は「この人じゃなきゃ絶対に無理!」と思っていても、時間が解決してくれるケースがほとんどではないでしょうか。一方で本作は、元カノに振られてから7年間ずっと好きで居続けているという…。ちょっと変わり者なアラサー男子が主役です。

7年間想い続けてるっていう部分だけを捉えれば、場合によっては「一途」みたいに映るかもしれないけど、本作の主人公は「仕事から帰宅すると、彼女が出ている映画を見ながら思いの丈を叫ぶ」という…。「これを変わり者とい言わずして何と呼ぶか?」的な人物と言っていいでしょう。だからこそ本作のような掟破りなストーリーには丁度良い人選となっています。

 

モラルを疑うほどぶっ飛んだ主人公の元カノ

往生際の意味を知れ!2

 

で、そんな変わり者の主人公の元カノはというと…こっちはこっちで相当ミステリアスというか、超が付くほどの変わり者です。7年前、急に別れ話を持ち掛けてから一切の連絡がなかった彼女が急に連絡してきたかと思ったら、なんと「精子が欲しい」という…。

ぶっちゃけ結婚直後は幸せそうでも数年で夫婦関係が破綻し、その後は結婚したことを後悔するかのように別れる夫婦は少なくありません。「亭主元気で留守がいい」という言葉があるように「ラブラブなのは最初だけであとは惰性の夫婦生活になるなら、最初からそんな関係はいらない(でも子供は欲しい)」みたいな人が、子供だけ作りたいと考えるのはそんなにおかしいことではないのかも。

にしてもよ。結婚を意識するほど長く交際していたというわけでもなければ、主人公のことを忘れらないほど好きだったという気配もなく、ただただ「このタイミングで姿を現したことが怪しい」という見方しかできません。そんな彼女の目的は一体何なのでしょうか。

 

物語の向かう先が全く分からない

往生際の意味を知れ!3

 

行った先の合コンで「元カノが忘れられない」と言うくらいの主人公ですから、恋人関係をやり直す絶好の機会だと思って奮闘するのは予想できるとして、彼女の方も「やり直したい」ではなく「精子が欲しい」と言っていることから、恋人関係をやり直したいわけではないんだろうなという部分が簡単に想像できます。

だから両者の落とし所がどこなのかを明確にさせて、そこからそのラインを動かしていくという駆け引きが楽しめそうです。主人公は「精子だけじゃなく、むしろ夫として一緒になりたい」となり、彼女は「いや、それはいいです」となる。「そこをなんとか」→「そんな面倒なら別の人に頼む」→「いや、協力させてください」みたいな。

少なくともよく見る感じの恋愛関係ではないし、女性も普通に働くことが当たり前となった今、こういう関係は増えていくことすら予想されるわけで…。この2人が一体どこに向かうのか、序盤から目が離せません。

 

往生際の意味を知れ! コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

最初はちょっと気持ち悪い感が強かったです。前評判が高かったことと、作者の方が「あげくの果てのカノン」の作者の方ということで「あぁ、なるほどね」と思う部分があったので、もしつまらなく感じることがあっても3巻くらいまでは読むつもりでした。

でも、そんな心配は要らなかったというくらい1巻目から面白いです。派手な展開こそないんだけど、今後加速していく感じが伝わってくるし、何より「真意の見えない気持ち悪さ」みたいなものがハンパない。

ちなみにタイトルにもある往生際とは、死ぬ間際とか追い詰められてどうしようもなくなった時という意味があるんですが、本作の主人公がどのような窮地に立たされるのか、そしてその時の行動が今から楽しみです。

 

あとがき

「精子をください」って言われても何か嫌だ。

 

 

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