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「怪獣8号」を読んだ感想・レビュー

怪獣8号表紙

 

久々に掴みが完璧な漫画を見ました。第一話を見た時まさに衝撃が走ったし、基本的には単行本でしか漫画を読まない僕にとっても「単行本が出るまで待てない!」と思えるくらいの勢いがあります。

ミイラ取りがミイラになるじゃないけど、怪獣を駆除する防衛隊員になりたいと思っているオッサン主人公が怪獣になっちゃうっていう…。この設定を少年漫画でやるかね。30代以降の幼少時代に特撮ヒーローモノに憧れたという読者には「刺さらない理由が見つからない!」ってくらいの漫画と言えるでしょう。

というわけで今回は、超王道バトルに幾つもの+αが加わった異端漫画「怪獣8号(連載中)」を紹介します。

※コミックス1巻部分のみ軽いネタバレがあります。

 

 

怪獣8号 あらすじ

【デジタル版限定!「少年ジャンプ+」掲載時のカラーページを完全収録!!】怪獣発生率が世界屈指の日本。この国は、容赦なく怪獣が日常を侵していた。かつて防衛隊員を目指していたが、今は怪獣専門清掃業で働く日比野カフカ。ある日カフカは、謎の生物によって、身体が怪獣化、怪獣討伐を担う日本防衛隊からコードネーム「怪獣8号」と呼ばれる存在になる。

 

怪獣8号の見所をチェック!!

怪獣専門清掃業者の物語!?

怪獣8号1

 

まず本作の何がすごいかって「怪獣専門清掃業者の主人公」っていう初期設定です。怪獣が頻出する世界において、その怪獣たちを駆除する地球防衛軍的なものが注目される世界観の中で、あえて清掃業者にスポットを当てるっていう発想が斬新すぎたよね。

ウルトラマンなんかが倒した怪獣に対して「怪獣って倒された後はどうなってんの?」なんて考えたことがなかったし、そんなこと言い出したら「変身に時間がかかるタイプのヒーローモノはなぜ変身中に攻撃されないのか」みたいな話になってくるじゃないですか?もう完全に思考回路の外側なわけです。

軽くネタバレすると、この怪獣専門清掃業者の話は割と早い段階で終わっちゃうんだけど、個人的にはこの世界観のままで一作品描き上げて欲しかったと思えるくらい掴みが抜群な作品だと思いました。

 

コンプレックスだらけのヒロインとの関係性

怪獣8号2

 

本作の主人公には幼馴染(ヒロイン)がいて、2人とも防衛隊員になるという夢を持っていたんだけど、ヒロインの方だけが合格してしまったという現実があります。で、主人公の方は防衛隊員になれずに清掃員になり、ヒロインの方は隊長にまで上り詰めたという感じ。

この劣等感が物語を熱くしていく展開は間違いないでしょう。2人で会話するシーンはしばらく出てこないだろうし、お互いが「一市民と防衛隊長」という関係性のまま物語が進行してくはず。そのうちヒロインが窮地に立たされた時に、主人公が助けに来るみたいな感じになるんじゃないかと。

 

怪獣8号=主人公

怪獣8号3

 

タイトルにもある怪獣8号ですが、主人公が怪獣になってしまうという展開によってもたらされます。「一生怪獣なのかな?」と思ってたんだけど、NARUTOで言うところの九尾システムみたいな感じでした。普段は一般人の姿でいられるっぽいです。

とは言っても予期せぬタイミングで怒りを覚えたりすると、勝手に怪獣になっちゃったりするんだと思う。だからずっと夢見ていた防衛隊員になれるかどうかって部分も見所だし、正体がヒロインにバレた時に駆除の対象になってしまうのかどうかって部分も見所です。

 

怪獣8号 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

第一話のクオリティに度肝を抜かれました。ジャンプで連載されてるってこともあって、そのうち王道のバトル漫画になっていくんだろうなぁって気はしてたけど、異端すぎたのは1話と2話だけです。

あとは「ヒロインや一般市民に姿を明かせない特撮ヒーローモノ」のような感じ。ヒーローじゃなくて怪獣っていう大きな違和感はあるけど既視感バリバリのように感じました。でも挫折を味わったコンプレックスだらけのオッサンが主人公っていう時点で、他の少年漫画には無い面白さがあるのも事実です。

本レビューを書いている時点ではまだ物語は序盤も序盤なので、この先どういう展開を迎えるかによって評価は大きく変わることは間違いありません。いずれにしても大きなポテンシャルを持っている漫画であることは間違いないので、引き続き注目していきたいと思います。

 

あとがき

昔、鉄人28号というアニメがあってだな…。