歴史的な背景と格闘シーンが楽しめる漫画っていうことで、前作はめちゃくちゃ夢中になって読みました。そして今作、連載誌がコロコロ変わりながも話は続いています。
前作よりも大人になったキャラたちや明らかに向上した画力など見所が満載です。格闘漫画、古代ローマの世界観が好きなら鉄板!というわけで今回は、セスタス第二弾「拳奴死闘伝セスタス(連載中)」を紹介します。
拳奴死闘伝セスタスのあらすじ
セスタスがたくましくなって帰ってきた!!負ければ最後、生と死の狭間で戦い続ける拳士たちが熱く描かれる、セスタスシリーズ第2弾が始まる!!
拳奴死闘伝セスタスの見所をチェック!!
前作から一気に成長したセスタスの姿
前作「拳闘暗黒伝セスタス」の続編にあたる本作ですが、少年から青年になったセスタスの姿が見られます。ぶっちゃけ最初の方は「あれ?こんな勝気なキャラだったっけ?」って思うくらい内面も変わっていたように感じたんだけど、どうやらそれは演出で実際には中身はそんなに変わっていませんでした。
前作はまだ綺麗事を並べ立てる余裕があったし、現実よりも理想を追い求めるっていう少年らしさがあったものの、青年になったセスタスも同じような態度でいられるのかどうかは大きな見所と言っていいでしょう。
体格が変われば考え方が変わってもおかしくないだろうし、この時間の流れは誰にでも平等です。つまりかつてのライバルや友人と呼ばれた人間たちも成長・変化しているということになるので、この辺りの前作との違いに注目してみてください。
筋肉の動き、拳が当たる瞬間のリアリティが激増
端的に言うと前作に比べて絵がめちゃくちゃ綺麗になりました。セスタスが成長して筋肉や骨格が成長したってこともあるんだろうけど、バトルシーンの躍動感や迫力が遥かに増したと思います。
パンチの残像みたいなものも見やすくなったし、インパクトの瞬間の描写もよりリアルになりました。これによってディフェンスからオフェンスに転じるシーン(パンチを避けてから攻撃をするシーン)の一連の流れが滑らかになったと言っていいでしょう。
本作で描かれているのは古代ボクシングです。近代ボクシングとは違って綿の入ったグローブで殴り合ってるわけじゃないので、硬い拳が相手に当たる瞬間にリアリティが増したっていうのは物凄い進化だと思います。
前作の時もそうだったけど、やはり本作の醍醐味は「スポーツではない、負けることが許されない殴り合い」だと思うので、この迫力満点のバトルは見所がたっぷりです。
トーナメントがメインの拳闘の世界へ
前作だと皇帝ネロの前で殺し合いをさせられる奴隷っていう縮図だったのが、今回は相当マイルドになって「試合形式の拳闘トーナメント」って感じになりました。前作みたいに観客からの殺せコールみたいなのがなくなったし、負け=死みたいなことはなさそうです。
もちろん階級制はないうえに素手よりも殺傷能力の高いグローブをはめるからアレだけど、少なくともバトルパートにおいては前作のようなドロドロ&シリアスな感じがかなり軽減したように感じました。ここには賛否あるんじゃないかと思うんですが、まさに拳闘漫画という感じ。
ちなみにトーナメントには猛者ばかりが出場していて、優勝者には皇帝ネロから望むべき報酬が与えられる的な展開となっています。果たしてセスタスが優勝できるのか、ネロやルスカと対峙した時に何かが起こるのかにも注目です。
拳奴死闘伝セスタス 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
個人的には拳奴ならではのドロドロな展開が結構好きだったので、本作の平和的なバトルにはちょっと物足りなさを感じてしまいました。序盤を見た限りだと「現代ボクシングの危険バージョン」くらいの感じで、よほど当たり所が悪ければ死ぬかもしれないけど、基本的にはケガで済みそうな感じです。
だから言葉を選ばずに言うのであれば、その辺のボクシング漫画と大差ないというか、あの「勝たなければ明日がない」っていうダークな感じがないんですよね。絵は綺麗になってバトルの見応えは遥かに向上したけど、トータル的には少し残念になったかも。
あとはネロやルスカとの関係性がどうなるか、政治的な背景なんかに注目したいと思います。この辺りはめちゃくちゃ面白くなりそうな予感。
あとがき
もっと人気が出てもいい作品の筆頭。