ただ殺し合いをするだけのデスゲームはもう飽きました。いや、飽きたっていうかそこにプラスワンがあればいいと思ってるし、特に頭脳戦や腹の探り合いなんかがあった方が好みです。
そういう意味では本作で描かれている駆け引き、デスゲームは非常に見応えがあると言っていいでしょう。というわけで今回は、自殺者たちによる高次元な駆け引きのデスゲーム「煉獄デッドロール(全6巻完結済み)」を紹介します。
煉獄デッドロール あらすじ
天才高校生・境裕明は、ある日自殺しようとする女生徒に巻き込まれ、校舎から転落する。目が覚めるとそこは、自殺者たちが絶えず「殺し合いゲーム」をさせられる空間「煉獄」であった…。敗北=即死のゲーム、開幕!
煉獄デッドロールの見所をチェック!!
死後の世界で行われる頭脳戦デスゲーム
本作は主人公の自殺から物語が始まります。まぁ正確に言えば自殺じゃないんだけど、死ななくても済んだようなことで死んでしまったことが自殺として判定されて、自殺者のみで行われるデスゲームに巻き込まれていくという感じ。
死後の世界においてもまた生死を賭けて戦うっていうのは変な気もしますが、本作は復活ありきのデスゲームという非常に斬新な一面を持っているんですよね。ゲームに参加した人が全滅すれば消滅してしまうものの、誰か1人が生き残れば全員が復活するというシステムです。
これがめちゃくちゃ斬新!みんなが生き残りたいなら結託して誰かを残せばいいんだけど、参加者全員に自殺したという経緯があって、もう終わらせたいと思っている人物も少なくありません。この人物たちを上手く誘導しながら生き残っていく様子は見応えたっぷりと言えるでしょう。
トリックがしっかりしている数々の頭脳戦
各ゲームの内容はかなりしっかりしていて、勝ち負けのトリックに関しても見応え十分です。そして一般的な1vs1の頭脳戦と違って、自分が死ぬことで全滅を防げるならそれも有効っていう流れが秀逸だと思いました。
誰だって何度も死にたくはないので「生き残ろうとする or 全滅する」という選択肢になるわけですが、ここの意見が割れてしまうとそれぞれのガチンコ勝負となってしまい、場合によっては主人公がめちゃくちゃ不利なケースに追い込まれてしまうことも少なくありません。
ちょっと人狼ゲームっぽい内容のゲームが出てきたりもするけど、かなり応用のエッセンスが効いていてパクリとは言えないオリジナリティのあるゲームばかりなのも特徴です。
規定人数を葬ったときに願いが叶う
本作には「一定人数を殺せば願い事が叶う」という設定もあるので、主人公の目的は「ひたすらゲームに勝ち続けて生き返る」というのが当面の目的となっています。
もちろん願いを叶えたいという人間は他にもいますし、「願いとか要らないからもう何もかもを終わらせたい」という気持ちで全滅を目指す人間もいるので、いかに全滅をしないように生存し続けるかが重要です。
ライバルがどのような願いを叶えようとしているのか、主人公がゴールに到達できるかという部分が見所なのは当然として、それ以外にも「主人公の死の真相」みたいな部分にも見所が用意されています。ゲームの内容もクオリティが高いので、最初から最後まで緊張感を持ちながら読み進めることができるでしょう。
煉獄デッドロール コミックス全6巻を読んだ感想・レビュー
原作者が頭脳戦や心理戦に定評のある「賭ケグルイ」で有名な河本ほむら氏ということもあり、デスゲームの内容そのものについては全く心配無用です。ギミックのしっかりした駆け引き、ハイクオリティな頭脳戦が堪能できます。
そして生死そのものを問題としていないっていう部分がとにかく斬新で、生き永らえるためにあえて死を選ぶっていうのがとにかく凄い発想だなぁと感心しました。まぁ勝つためとは言ってもあえて死ぬのってキツイと思うんで、そういう意味でもよくやったなぁと。
ボリューム自体は全6巻でも色濃い心理戦が描かれているので、その辺の全6巻よりも頭を使う分サクサク読むことはできないと思います。残酷なデスゲームの中にも汗を握るような駆け引きが堪能したいという読者におすすめです。
あとがき
俺はこの選択を一生悔やむことになる。
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