最近は女子高生が専門的なことに取り組む様子を漫画にした、いわゆる「コアな層」にウケそうな題材の漫画が多いような気がします。あくまで個人的には「こういう狩猟系のような漫画はおっさん臭くてもいいから、すごく踏み込んでいる作品が読みたい!」っていう願望が強いんだけど、やっぱJKが主人公ってだけで華やかさが出るよね。
そういう意味では、ある意味「JKを主人公に据えるのも王道」って感じがしなくもないです。というわけで今回は、JKが罠を仕掛けて作物を守るために害獣を捕獲する物語「罠ガール(連載中)」を紹介します。
罠ガール あらすじ
自宅の畑や農作物を荒らされることに手を焼いているJKが、イノシシやシカなどを捕獲するために罠を仕掛けて捕獲するまでの一部始終を描いた作品。捕獲した鹿は血抜きを行ったうえで食べたり、イノシシについては駆除するシーンなども織り込まれているが決定的なシーンは上手く隠しており、サバイバル感は残しつつもグロいという印象を与えていない。
主人公がJKということもあってライトな印象を与える作風ではあるが、主人公は18歳ながらにも「わな猟免許」を取得しているし、自分の家で採れる野菜や果物を守るため必死である。怪獣駆除という生々しいテーマではあるが、それを上手くJKが中和していて取っ付きやすくなっている専門漫画と言っていいだろう。
罠ガールの見所をチェック!!
罠のあれこれ
僕は罠って言ったら「仕掛けるほうじゃなくて引っ掛かる方だ」って認識があるんだけど、この手の話に興味があるという人は意外と少なくないんじゃないかと。
僕は昔、買ってたハムスターが逃げ出した時は鳥かごの真ん中に餌箱を置いて、それに割りばしを引っ掛けただけの簡単な罠(ハムスターが餌箱を推すと、鳥かごの扉を支えている割りばしがズレて入口が塞がる)で捕獲したことがあります。
それを踏まえて本作を読むと「動物って意外と賢いんだな…」と驚かざるを得ないっていうね。警戒心凄すぎ。それでいて「とらばさみが禁止されてる」とか普通に知らなかったから驚きました。楽しみながら罠のあれこれを学ぶことが可能です。
捕獲した鹿を食べるシーン
もし映像で見てたらなんか思う部分があるのかもしれないけど、漫画で読むから鹿の亡骸を見ることにそこまでの抵抗はないです。僕らの生活だとスーパーなんかに行ったら既に原型を留めていない牛肉・豚肉・鶏肉が売られてるじゃないですか?そういう意味ではこういうシーンを見るっていうのはすごく興味深いことで、それと同時に「逆に知っておくべき部分」だと思いました。
だって血抜きとかって聞くけど、結局それが何なのかって多くの人は知らないと思うんです。鹿が死んだら体温が上がるとか知ってる人どれだけいんの?
僕はこの先たぶん一生山で鹿を狩って食べるなんてことは無いだろうから、鹿の体温が上がって肉の味を落とさないように水で冷やすっていう情報を知ったところで使うことはないでしょう。でも知識欲を満たすという意味で、すごく興味深く読めます。普通に面白い。
意外とアナログなトドメ刺し
もし僕が家で農家とかをやっていたとして、イノシシに農作物を荒らされようもんなら、捕獲した時は親の仇くらいの感じでフルボッコにしそうな気もしたけど、実際に罠に引っ掛かったイノシシをどうやって仕留めるかなんて知らないから、その方法を知った時は唖然としました。「なんてアナログなんだ…」と。
確かに猟銃は免許が必要なのは分かるけど、棒とか槍とか…ギャートルズ時代やんけ。原始時代と大して変わらないっていう部分に驚きました。一応、電気っていう手段もあるみたいだけど、これは畑などに近寄ってこないようにするための罠として使っている所も多いって聞きますよね。でもまさか棒で叩くとは…。
罠ガール コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
僕は割とYouYubeなんかでも害獣駆除の動画を見るのが好きなんだけど、一昔前はそういうテレビ番組も多かったと思う。でもそれを放送してしまうと、一定数の人は「可哀想」って思うようで、それなりのクレームが来るんだろうね。最近はあまり見なくなりました。
(池の水を抜いて外来生物を駆除する的な番組が流行ったけど、それにもクレームあるみたいだし…)
まぁイノシシとかも「人間が自然を壊したせいで食べ物が無くなって、人里に食べ物を求めてきている」っていう背景があるだけに難しいですよね。ただ、どっちかって言ったら僕は「じゃあこいつらに畑を荒らされて自分らが死んだらどうすんの!?」っていう農家側の視点で見てしまうんで、そういう意味ではこういうニッチなジャンルの漫画はすごく楽しみながら読んでいます。
JKが主人公ってこともあって、非常に取っ付きやすくなっている点も大きな特徴です。狩猟系漫画の入口には最適な作品だと思います。
あとがき
JKの罠にはまりてぇ。