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「少年Y」を読んだ感想・レビュー

少年Y表紙

 

もし自分が新しいマンションに引っ越してきたその日に「右の隣人か左の隣人か、どっちが死ぬかを決めてください」って言われたら困るじゃないですか?これは究極の二択とはまた別の意味で選択に困るパターンです。御幣を恐れずにいうと「どっちでもいい」っていう迷い。

これが例えば右の隣人とは軽く挨拶を交わしていて、趣味の話も合うし、最高の第一印象だったとなれば、たぶん右の隣人を救うはず。たったこれだけの違いで、簡単に理由ができるのって怖いですよね。

本作はそういう人間のエゴに切り込んだ漫画です。というわけで今回は、引き算じゃなくて足し算のデスゲーム「少年Y(全8巻完結済み)」を紹介します。

 

 

少年Y あらすじ

中学2年生・栗原ユズルが転校先の教室で迎えた圧倒的絶望とは…!? 手にしてしまった神の権能。今、少年に迫られる究極の選択!! 「命のランク付け」に焦点を当てた前代未聞のパニック・サスペンス!!

 

少年Yの見所をチェック!!

引き算じゃなくて足し算のデスゲーム

少年Y1

 

本来デスゲームと言えば「クラスや学校などの単位で、生き残りをかけて殺しあう」という引き算のゲームであることがほとんどです。一方、本作の場合は少し趣向が異なり、「クラス全員が死んでしまった中から誰を生き返らせるか」を選択していく流れになっています。

殺すんじゃなくて生き返らせる展開って聞くと、なんだか救われるというか胸をなで下ろしてしまう人がいるかもしれないけど、これが結構残酷なんですよね。というのは、例えばA君とB君のどっちを生き返らせるかを選ぶというのは、どちらか片方を見捨てることと同じだからです。

しかもちょっと接点を持った相手が天秤に掛けられた場合、対価が重くなるっていうね。赤の他人と赤の他人なら、最悪「どちらにしようかな」でいいけど、片方が友人になったらもう片方の選択肢は10人の他人とかになって帳尻を合わせてくるんです。この辺がトロッコ問題っぽくて、色々と考えさせられてしまいます。

 

斜め上の発想が求められる頭脳戦のような展開

少年Y3

 

本作の主人公は転校生で転校初日にデスゲームのようなものに巻き込まれてしまうので、クラスメートに対して面識が一切ありません。そのような状況で「5人の中から4人の名前を書き、名前を書かれなかった人が死んでしまう」というゲームをさせられたら、単純に「救う4人を選べ」って意味だと思うじゃないですか?

そもそもこれが自分にとって大切な5人であれば、なんとか5人全員を救う方法はないかと模索するだろうし、そこまで必死になれば「そもそも救う4人の名前じゃなくて、救わない1人の名前を書かせればいいのに」とか「救うのに1位~4位の順位って関係なくね?」って部分まで気が回るかもしれません。

結論から言うと、このゲームには誰も死ななくて済む必勝法があります。僕は全然気付かなかったけど、ギミックが明かされたときに非常に良くできているなぁと思いました。なぞなぞや頭脳戦が好きな人におすすめです。

 

色んなルールのゲームが多数登場

少年Y2

 

本作には色んなゲームが登場します。それこそ「しりとり」みたいな単純なものだったり、あるいは「AとBのどっちを助けるか」っていう二択だったり。中には設定が凝っているものもあって、ルールの盲点を突いて最善の結果を出していく展開は読んでいて胸が熱くなります。

ぶっちゃけると頭脳戦の色が濃いのは前半だけで、後半になるに連れて「なにこれ?」って感じのゲームが増えてくるんだけど、最初はクラスメートの誰を救うかって話だったのが少しずつ自分にリスクが降りかかってきたりするので、勝負に負けた際のリスクは無視できなくなってくるでしょう。

軽くネタバレすると借り物競争みたいなゲームで、負けるとゴリラに殴られるとかあるからね。「ゴリラに殴られると死ぬんじゃないの?」って思うけど、意外と生きてられるって設定になってます。

 

少年Yを読んだ感想・レビュー

コミックス前半を読んだ感想・レビュー

頭脳戦的な展開にすごく見応えがあって面白いです。何にも接点がなければAもBも大差ないのに、ちょっと接点を持っただけで命の重みが変わるっていうのは、すごく核心を突いてるなぁと。人はエゴで生きてるということを痛感しました。

実際に自分の親・兄弟の命と、自分に関係のない人の命×1000を比べたら、前者を選ぶ人が大半だと思います。こういう切断を迫られるあたり、何かを考えさせられるという意味では、普通のデスゲーム漫画とは一線を画す作品と言えるでしょう。

この物語がどういう結末になるのか、気になって仕方がないです。

 

コミックス全8巻を読んだ感想・レビュー

前半は割とゲームの内容が凝っていて、思わず「なるほどなぁ」と思わされるシーンが多かったんだけど、後半になるに連れてよく分からなくなってしまったような気がします。前半のテイストが好きで、前半の頭脳戦のような空気にハマればハマるほど、後半の展開はがっかりするかもしれません。

結末自体は張り巡らされていた伏線の回収もあったし、綺麗に終わったと言っていいです。いずれにしてもデスゲームっぽくないデスゲームという感じで、ただ残酷なだけじゃなく命の重みについて考えさせられたのは凄いと思いました。

 

あとがき

痛いの最上級ってWHYなの?

 

 

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