僕も小学生とか中学生くらいの頃に嫌なことがあった時、この世からフッと消えたいと思ったことが何度かあります。その時は息を止めて1分半くらいで息を吸ってしまうっていうのを何回も繰り返しただけだったんだけど、その時にコレを読んでたらやばかったって感じの漫画があるんです。
大きなテーマとしては自殺に見せかけた殺人事件の推理をするっていう感じの作風なんだけど、全体に漂っている雰囲気が少し危ういっていうね。というわけで今回は、異色のアンビバレンスサスペンスコメディ「自殺探偵(全4巻完結済み)」を紹介します。
自殺探偵 あらすじ
事故か？自殺か？ 他殺か？若き女警部補と死にたがりの男の子の自殺の知識で事件の真相を暴くアンビバレンスサスペンスコメディ「自殺探偵」シリーズ第1弾 ついに登場！
- 自殺探偵～冠婚葬祭編～(2019/1/25)
- 自殺探偵～自殺パーティーにようこそ！～(2019/2/15)
- 自殺探偵～ご祝儀袋～(2019/3/22)
- 自殺探偵～開幕式～(2019/6/28)
自殺探偵シリーズは4作品から構成されているんですが、発売日順に並べると上記の順番になります。ただし時系列的には1番最後に発売されている「開幕式」が最初のような気もするので、開幕式から手を付けたほうが物語には入っていきやすいかもしれません。
ちなみにKindle Unlimited登録者なら無料で読めるのでぜひ読んでみてください(本記事執筆時点で全巻対象です)。
自殺探偵の見所をチェック!!
やたら自殺に詳しい男と自殺に見せかけた殺人が許せない女
本作の主人公は男女コンビなんですが、どちらも「自殺」に対して強い思い入れを持っている人物です。女性主人公の方は父親を自殺で亡くしているんですが、それを認めていない(父は自殺なんかしていない)ということで、自殺に見せかけた殺人事件を憎んでいるという感じ。
一方で男性主人公の方は少し変わっていて、とにかく自殺願望が強いというキャラになっています。で、被害者の自殺の仕方に違和感を見つけると「この自殺は美しくない」と言い出し、事件の解明に重大なヒントを語りだすという流れです。
この名コンビが数々の難事件を解いていくという推理サスペンス調の作品となっています。
自殺に見せかけた殺人事件を暴いていく
本作のテーマは事件を解決する探偵モノなんだけど、起こる事件が「自殺に見せかけた殺人事件」となっています。まぁ内容自体は名探偵コナンなんかと比べてもめちゃくちゃ単純なトリックなんだけど、僕みたいにあんまりそういう知識がない読者にとっては「へぇ～」って言わされる内容です。
例えば車のガスで中毒を起こして死んだ場合、体がピンク色になるんだとか。酸素が欠乏するとチアノーゼって言って体が紫になるっていうのは知ってたけど、こういう部分から自殺かそうでないかを見抜いていく展開が描かれています。
1話(というか1冊)もサクッと読める感じのボリュームなので、あまり頭を使わずにフランクに推理漫画を楽しみたいという場合はおすすめです。
様々な自殺方法に関する情報
本作には自殺方法のレクチャー的な要素も含まれています。これは完全に「良い子はマネしないでね」案件と言っていいでしょう。メジャーなものからマイナーな物まで様々ですが、まるで参考書のような説明には驚きを禁じえません。
個人的には自殺願望が一切ないので、事故としてありそうな「カフェイン自殺」に興味を惹かれました。海外なんかだとエナジードリンクの飲みすぎて死んでしまったっていうニュースを聞いたことがあるんですが、一説によるとデマっていう説もあったりして何が本当か分からないんですよね。
でも僕がよく飲んでいるエナジードリンクだと20本が致死量に相当するみたいなんで、いけないこともないっていう…。さすがにどんなに喉が渇いていても意識せずにモ〇スターを20本も飲むことはないだろうけど、これには少し注意しようと思いました。
自殺探偵 コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー
自殺に見せかけた殺人事件を解いていくっていう展開そのものは、周りにある推理系漫画と一線を画す内容になっていて面白いと思いました。トリックはそこまで凝ってないものの、難しいことを考えずに読める推理モノとしては文句ないデキだと思います。
ただ、途中でいきなり自殺方法のレクチャーをし始めるあたり、ちょっとした危うさも否定できません。その辺のホラーよりも怖いし、単なる推理モノとして手を出すのはリスキーというか不健全すぎるような気も。飛び降りする時の高さに関する解説とかあるからね。
精神状態が不安定な人が参考にしてしまいかねないと思うとあまりおすすめできないんだけど、そういうのが絶対にないって断言できる人にはおすすめです。
あとがき
美しくない自殺ってなんやねん。
