僕もこれまでの人生で自分とは絶対に相容れない嫌な奴を何人か見てきたけど、そのうちの半分くらいは立場が上の人に取り入るのが上手い奴だったような気がします。それと一緒で表向きが良い奴が本当にそうとは限らないし、そういう奴の裏の顔を白日の下に晒すには相応のやり方を考えなくてはありません。
本作には教員の世界に蔓延る嫌な奴らに制裁を与えていくという、スッキリできる展開が目白押しです。というわけで今回は、教員内でのヒエラルキー・いじめ問題に一石を投じる「制裁学園(連載中)」を紹介します。
制裁学園 あらすじ
「非公式制裁人――上から派遣された非正規教員です」 念願の小学校教師になった良竹亜須香。しかし子供達の笑顔あふれる学び舎は、裏で校長お気に入りの教師達によるパワハラ、セクハラが横行する最悪の職場だった。地獄のような日々に心が壊れそうになる良竹だったが、同じくイジメられていた非正規教員・紙宮航一から思いがけないもう一つの顔を知らされる。
制裁学園の見所をチェック!!
正規教員による非正規教員に対するいじめ
会社なんかでも正社員という立場を利用して、非正社員に対して良からぬ行為を働いていそうな人は少なさそうですが、本作で描かれているのはそれの教員バージョンです。場合によっては正規教員が非正規教員に対して仕事を押し付けるみたいなことはあるのかなぁと。
本作は「怨み屋本舗」などで有名な栗原正尚氏による作品なので、嫌がらせのレベルが仕事を押し付ける程度では済みませんし、実際に無いとも否定できない絶妙なラインだと思いました(無い寄りのありという感じ)。
ぶっちゃけ勝手なイメージだけど、教員や学校の世界って事なかれ主義というか出る杭は打たれるというか…陰湿ないじめが多そうな気もするし、かつて通っていた学校の教職員を思い出すと情景がイメージしやすいっていうのもポイントです。
教員の裏の行動を暴いて制裁を与える「非公式制裁人」
大抵嫌な奴っていうのは表向きは優等生だったりするので、いじめなんかの場合は事態が大きくなってから「そんなことをするような人じゃなかった」みたいな展開が多いです。会社にいる嫌な奴も世渡りだけは上手くて社長に気に入られていたり、クラスの嫌な奴も異性から人気があるか先生から評価されてるかのどっちかであることが多くないですか？
そういう奴を懲らしめるためには、立場が下であることを装った調査員が有効です。コンビニなんかでも本部から客を装った調査員が来て店員の態度をテストしたりしてるみたいですが、それの教員版が本作で描かれているテーマです。
表向きは非正規教員なんだけど実は上から派遣されている非公式制裁人ということで、例え校長や父兄たちや生徒たちから人気があっても教員に似つかわしくない行為をしている教員には、問答無用で制裁を与えるという流れになっています。
主人公の目的は復讐
単に「表向きは良い顔をしている嫌な教員がいる→制裁を与える」っていう流れだけでも十分すっきりするんだけど、本作の根底には「主人公が自分の親を殺した教員に復讐をしたい」という大きなテーマがあります。
人を殺しておきながらまだ教員という立場を失っていないということから、相手は相当な地位やコネを持っていることが予想されるわけですが、少しずつ力を付けて行って最終的には復讐を目指すというテーマにワクワクすること間違いなしです。
1人1人の嫌な教員を追い込んでいく様子はもちろん、最終的な目標でもある復讐を遂げることができるのかどうかは大きな見所と言えるでしょう。あ、ちなみに作中では「復讐」ではなく「制裁」とされています。
制裁学園 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
怨み屋本舗シリーズで描かれていたような因果応報系の流れを汲んでいるので、最初のムカつく煽りや制裁した時のスッキリ感はさすがの一言です。毎回そうなんだけどすごく安定感があると思います。
教員が題材になっていて僕は教員でもなければ教員になろうと真剣に考えたこともないんだけど、なんとなーく持っているイメージが合っているというか、教員の世界を何も知らないのに違和感なく読み進められるんですよね。中学校の職員室のこととか思い出して楽しんでます。
1巻で登場する教員は確かに嫌な奴ではあるんだけど、まだ序の口と言っていいはず。今後どのような嫌な奴が出てくるのか、そして最終的に復讐を遂げたい相手がどれほどまでに嫌な奴なのかが楽しみです。
あとがき
我々の仕事は「復讐」ではなく「制裁」です。
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