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「逝けないカノジョのお手伝い」を読んだ感想・レビュー

 

タイトル的には本来の趣旨を生かしつつ、あわよくば「若い男性読者が盛り上がってくんねーかなー」みたいな目論見が感じられて、まぁ軽く冷めた部分もありました。

でも実際に読んでみたら、読んで良かったと思う。設定はすごく面白いラブコメだし、絵も綺麗だし、ちょっと男ウケを気にしすぎるあたりアレな部分はあるけど。

「踏み込み過ぎたオカルトは胡散臭さが感じられて、あまり好きじゃない」っていう僕みたいな読者でも、軽い気持ちで入っていける幽霊モノの作品だと言ってもいいでしょう。

というわけで今回は、コミュ障ポンコツ幽霊ヒロインがお送りするオカルトラブコメ「逝けないカノジョのお手伝い(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

逝けないカノジョのお手伝い あらすじ

 

どこの学校にも、真偽が不明な怪談話というものが存在するのではないだろうか。本作に登場する学校にも「屋上の輪子さん」という怪談話が存在する。輪子さんは10年前、この学校に通う生徒であったが、病弱だったこともありほとんど通学することなく死んでしまったという。

そんな輪子さんが、友達が作れなかったことを未練に思い、成仏できずにいるというのだ。本作の主人公・寺田妖平は、忘れ物を取りに教室に戻った際に怪しげな音に気付き、屋上へと足を運ぶが、そこで見たものとは…。

 

逝けないカノジョのお手伝いの登場人物

寺田 妖平

 

本作の主人公。実家がお寺で、本人もかなり霊感が強い。

見た目的には軽い不良のような印象を受けるが、輪子と初対面の際には「こっちが輪子に気付いたということを悟られたくない」という一心で気付いていないフリをし、その場をやり過ごそうとしてヘタレな一面も。

輪子と出会い、勢いで輪子の友達探しを手伝うことになってしまった。

 

さかき 輪子

 

本作の主人公にして、10年前に死んでしまった女幽霊。友達がいないことが心残りとなり、成仏できずにいる。

人づきあいが苦手だという自覚があり、上手くコミニュケーションが取れずにちぐはぐになってしまうことも多いが、根はいいやつで見た目的には通常の女子高生となんら変わらない。

 

逝けないカノジョのお手伝いの見所をチェック!!

幽霊ならではの付加要素

 

本作に登場する女幽霊・輪子は、とにかくポンコツぶりが目立ちます。ろくに相手と会話もできず、ちぐはぐな会話になってしまうこともあり、典型的なツッコミキャラでもある主人公とセットになって、初めてボケ・ツッコミという関係性のもと、会話が成立しているという感じ。

この辺りは、どんな漫画にも見られる王道の雰囲気があるんだけど、普通のコミュ障の女の子じゃなくて「幽霊」っていう前提があるから面白くなってるって部分があるんですよね。

「あ、幽霊も話題の映画はチェックしてんの!?」的な。そこからの「入場料払わなくていいし」みたいな流れとか、個人的にはかなり好きです。

 

他の幽霊とのまさかの競演!?

 

僕の通ってた小学校にも「トイレの花子さん」っていう怪談話はあって、それこそ放課後とかに探検だなんだって言って、同級生3~4人で女子トイレを見に行ったりしてました。

当時は異性のトイレのテリトリーがドラクエでいうところの毒沼みたいな感じで「入ったら死ぬぞ!」くらいの感じだったんだけど、放課後で誰もいないってのをいいことに勇気を振り絞って踏み込んでたなぁ…。

 

ちなみに中にいた男の先生にこっぴどく叱られたのを今でも覚えてるんだけど、大人になって考えたら「それもおかしな話じゃね?」って思ったり思わなかったり…。まぁそんなのはどうでも良くて、本作では「一般の友達は無理だから、幽霊の友達を作ったら?」っていう展開になっています。

もちろん誰しもが知っている有名な幽霊も登場するだろうし、今後も色んな幽霊と絡んでいくことが予想されるので、怪談好きの人は必見です。

 

軽い下ネタ・セクハラのオンパレード

 

まぁそこまで気にならないレベルではあるんだけど、タイトルからも分かるように「捉えようによっちゃそう見えないこともない」という感じのライトな下ネタが数々登場します。たぶん「ちょっとくらいそういうネタを入れた方が読者ウケするから!」みたいなやりとりがあったんだろうか…。

まぁ本当に軽いジャブ程度の下ネタだし、どっちかって言うと「そうやって聞こえる人の方がセクハラだー」って言われてもおかしくないくらいのアレで、特に下ネタがあまり好きじゃないという人でも、そこまでの嫌悪感を抱くってことはないと思う。

というか、逆にこのレベルの下ネタを使うのって難易度が高い…。

 

「逝けないカノジョのお手伝い」を読んだ感想・レビュー

コミックス1巻を読んだ感想

主人公が住職の息子で、ヒロインが幽霊っていう設定もいいし、ポンコツ系女子がヒロインになってるコメディー作品は数多くあるけど、幽霊になったってだけでもちょっと質感が変わるんですね。

僕は幽霊を信じないけど、地獄先生ぬ~べ~とかは面白いと思ったし、何も幽霊が出るからって恐怖を感じるような作風にしなくてもいいわけですから、そういうことを考えたら学校の怪談っていう誰しもが通ってくる場所を描いているってだけでも一定の支持層ができるんじゃないかと。

 

絵も綺麗で、登場する女の子たちも可愛いです(まぁ幽霊だし、ちょっと個性が強すぎるという点は否めないけど)。

そのうち「口裂け女」とか「座敷童」とかも出てくるんだろうなぁ。不器用なだけで根が悪いとかではないので、ガンガン友達はできていくでしょう。腹の立たないポンコツぶりで、素直に応援したくなる感じもありだと思います。

 

全3巻を読んだ感想

全3巻はちょっとボリューム不足というか、消化不良みたいな気がしないでもないです。もしかして、打ち切りだったんだろうか…。本作自体が「大まかなストーリーがありながらも、基本的には1エピソードずつ完結する感じの構成」なので、ぶっちゃけいつ終わってもそこまで違和感がない作風だからアレだけど…。

まぁタイトルが「逝けないカノジョのお手伝い」なんで、最終的には成仏すんのかなーって部分があるじゃないですか?もしくは、やっぱ成仏できませんでしたーとか。

個人的にはそこに特別な要素がなかったように感じて、RPG漫画作品で言うところの「こんな笑いあり涙ありの旅路は、これからも続いていく…おわり」みたいなイメージ。

 

まぁそれまでの展開もポンコツぶりを発揮してるんで、そこまで違和感がない感じに仕上がってるって部分は、本作ならではの特権じゃないかとは思ってます。

いずれにしても怖くないホラー・オカルト漫画としておすすめです。出てくるオバケやら妖怪やらが可愛いので、サクッと読めるオカルト要素ありのラブコメが見たい人はぜひ。

 

あとがき

いかぬなら いかせてやろう なんとやら。

 

 

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