「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」を読んだ感想・レビュー

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代表紙
Ⓒ3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

将棋とヒューマンドラマを見事に融合させ、爆発な人気を誇っている「3月のライオン」にスピンオフ作品があるのをご存じでしょうか。作風や雰囲気は全く異なっていて、オリジナルには無い「灼熱」が魅力の将棋漫画です。

舞台が昭和ということもあってノスタルジーな雰囲気を楽しみつつ、迫力ある対局を楽しめる将棋漫画×ヒューマンドラマと言っていいでしょう。というわけで今回は、若き日の日本将棋連盟会長の姿を描いた「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代(全10巻完結済み)」を紹介します。

著:西川秀明, 著:羽海野チカ
¥660 (2021/09/15 07:29時点 | Amazon調べ)

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代のあらすじ

「3月のライオン」スピンオフ待望の第1巻!日本将棋連盟会長・神宮寺崇徳。若き日の彼には、倒さねばならぬ相手がいた…。熱き筆致で、昭和の棋士達を描く!!

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代の見所をチェック!!

あの3月のライオンのスピンオフ作品

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代1
Ⓒ3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

本作は大人気将棋漫画「3月のライオン」のスピンオフ作品です。とは言っても僕の中では「スピンオフってこんな感じだったっけ?」感が否めないスピンオフ作品でした。

個人的にスピンオフって主役級のキャラを主役にして新しく物語を作るみたいな感じだと思ってたし、そのキャラから見た世界がまた面白いみたいな話だと思ってたんですよね。例えばドラゴンボールで言うならベジータが主人公の作品を描いて、ベジータから見た悟空をまた楽しめるみたいな感じ。

しかし本作は良くも悪くもスピンオフっぽくないというか、ぶっちゃけ完全オリジナルで良かったんじゃないかと思いました。3月のライオンとはまた違う魅力のある将棋漫画と言っていいでしょう。

バトル漫画かと思うくらいの対局シーン

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代2
Ⓒ3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

僕は将棋漫画がかなり好きなんだけど、対局の盛り上がりを表現するための工夫にはいつも驚かされています。というのも、棋譜全開の展開だと将棋を知らないと読んでもらえないだろうし、理想は「将棋にそこまで詳しくない読者でも楽しめる」っていう部分だと思うんで、なかなかに難しいんだろうなぁと。

そういう意味では本作はめちゃくちゃバトル展開になっていて、将棋盤を挟んだ特殊能力バトルみたいになってます。特に物語の後半になると「これ遊戯王かなんかですか?」ってくらいの感じになっていました。

対局中については熱さを表現するという点において賛否があるかと思います。個人的には嫌いじゃありませんが、少なくともここだけを見ていると「3月のライオンっぽさは皆無」と言えるので、3月のライオンのスピンオフっていう視点で本作を手に取ろうと思っている場合は注意が必要です。

昭和を感じさせる一幕や解説

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代3
Ⓒ3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

本作は昭和を舞台にしている漫画ということもあって、昭和生まれの人には懐かしさ全開のシーンやアイテム紹介があります(とは言っても昭和後半生まれだと懐かしさとかあんまりなさそうだけど)。

で、これらの雰囲気は例えそれらをリアルタイムで知らないという読者にも響くのではないかと思いました。見せ方が秀逸というか物語に馴染んだカタチで登場するので、平成生まれの読者でもすごく懐かしい気持ちを感じることができるでしょう。

「これこそが古き良き時代!」っていう雰囲気に溢れていて、まさに灼熱の時代という感じ。日本にまだ希望があった頃…って言っちゃうとなんか寂しいけど、ノスタルジーな空気が全開の素敵な世界観が見所です。

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 全10巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

ぶっちゃけ「3月のライオンのスピンオフである必要があったのか?」と思うくらい別物だったような気がしました。スピンオフってこういうことだったっけ?本編の主要キャラにスポットが当てられていて、本編のキャラが続々登場するみたいな展開があるなら分かるけど、本作にはそんな感じが一切ありません。

将棋漫画やヒューマンドラマとしては迫力があって見応えも抜群だと思います。対局のシーンは将棋というよりバトル漫画のそれに近かったような気もするけど、いずれにしても迫力がすごくて「灼熱の時代」がしっかりと再現されているように思いました。

将棋漫画が好きな人とか昭和のノスタルジーな雰囲気が好きな人なら楽しめるでしょうが、3月のライオンが好きな人が読んで楽しめるかどうかは微妙です。少なくとも本作を面白いと感じる人のほとんどは「本編とは別の面白さがある」という意味で面白いと言っているはずなので、ここだけは注意した方がいいかも。

あとがき

3月のライオンでスピンオフって言ったら、普通は幸田の若かりし頃とかじゃないの?

著:西川秀明, 著:羽海野チカ
¥660 (2021/09/15 07:29時点 | Amazon調べ)