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「レベルE」を読んだ感想・レビュー

レベルE表紙
ⒸレベルE

少年時代に幽遊白書に夢中になり、今ではハンターハンターに夢中。僕は漫画がめちゃくちゃ好きなんだけど、本作を描いている冨樫義博氏の作品には本当に魅了されています。

そんな富樫氏が描いている本作はちょっとした短編集のような読みやすさと、それに反比例するスケールの大きな物語が魅力的な作品です。電子書籍ならこのスケールの大きさが上下巻で楽しめるんですから、そりゃ読まないわけにはいかないでしょう。

というわけで今回は、天才漫画家・冨樫義博が描き上げる圧倒的スケールの連作集「レベルE(全2巻完結済み)」を紹介します。

レベルE あらすじ

『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博が世に問う異色の連作集! 宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主・ドグラ星第一王子…人呼んで「バカ王子」。その魔の手から地球を守るのは…熱血健康優良野球少年7番レフト・筒井雪隆。襲い来る魔物の群れに…不承不承立ち向かう悪ガキ5人組。その智略を尽くした剣・棒・術・策! 塾があるのに…。塾か? 世界平和か? そして…廊下は走るな!

レベルEの見所をチェック!!

天才的なバカ王子が地球に襲来

レベルE2
ⒸレベルE

本作は読み切りでもなく短編集でもなく「連作集」です。連作集というのは「何らかの繋がりを持った複数の短編」のことで、本作の中には共通する主人公と幾つかの異なるエピソードが収録されています。

その主人公というのがドグラ星という所から来た王子で、宇宙一の天才的な頭脳を持ってしてもバカ王子と揶揄される人物なんだけど、この王子がまぁどんでもない奴で色んな波乱を巻き起こすという感じの物語です。

単純なバカはまだ扱いやすいから良いとして、頭の良いバカは厄介極まりないというか救いようがない!本作を読むとそれを痛感することになるでしょう。そして僕のような読者は「あー、頭の悪いバカで良かった」って思うはず。

テンポの良いボケとツッコミ

レベルE1
ⒸレベルE

早い話が「地球に飛来する宇宙人」みたいなことがテーマになっているので、上下巻とは言ってもそのスケールはめちゃくちゃ大きいストーリーとなっています。宇宙人たちの技術力もそうだし、学習能力の高さなんかもそうです。とにかく「地球よりも遥かに進んだ技術を持った宇宙人の存在」を身近に感じることになるでしょう。

なので全体的に見ると堅苦しいというか難しい話が展開されるんですよね。それでも本作が少年漫画として楽しめる要素を担っているのは、間違いなくテンポの良い笑いだと思います。バカ王子がいるおかげで所々に笑いのエッセンスが詰め込まれているので、難しい話が苦手だという読者でも楽しめるのが特徴です。

バカ王子自身も知能指数が高いことは節々で感じさせてくるものの、少し抜けている部分があって天然が爆発することも少なくありません。そしてその王子の取り巻きによる王子の取り扱いもめちゃくちゃ面白いです。

原色戦隊カラーレンジャー

レベルE3
ⒸレベルE

本作はもともと紙媒体だと全3巻構成になっていて、電子書籍になった時に上下巻の2巻構成になりました。で、僕がまだ幼かった頃は宇宙の話とか種族繁栄みたいなテーマはまだ難しすぎたので、本作=原色戦隊カラーレンジャーの物語という認識で単行本でいうところの2巻ばかり読んでいたんですよね。

この原色戦隊カラーレンジャーは、5人の小学生がバカ王子が作ったゲームに参加させられてしまうことになったっていう感じのストーリーで、今でいうところの異世界転生に近い世界観を持っています。製作者がバカ王子ということでとんでもない設定なんかもありつつ、抑えることのできないクソゲー臭がたまりません。

個人的にはレベルEに対して「2巻だけ読めばOK!」と思っていたくらい、原色戦隊カラーレンジャーはとにかく面白い!上下巻ってことでここを楽しむにはどっちも買わないといけないわけですが、ここだけでもめちゃくちゃ楽しめるし、大人の読者ならその他のエピソードの壮大さも楽しめます。

レベルEを読んだ感想・レビュー

幽遊白書、ハンターハンターが好きなら押さえておいて損はないです。所々にゴンみたいなキャラも出てくるし、富樫氏の世界観に触れられる上下巻ってだけでも価値があると思います。

そして何度も言うようだけど原色戦隊カラーレンジャーはマジで読んでほしいです。これは僕自身、大人になった今でもたまに読み返したくなるし、幼い頃は本当に笑わせてもらいました。個性の違う悪ガキ5人衆とバカ王子の掛け合いがとにかく面白いのと、この物語がゲーム化されたら絶対にプレイしたいと思えるような世界観が最高なんですよね。

ちなみに下巻に掲載されている「愛が種族を滅ぼす話」なんかはテーマが壮大すぎて、政治的な背景もありつつ、それに翻弄される大人たちの苦労に見応えたっぷりです。いずれにしてもエピソードによって温度差がありすぎ。そして難しい話が嫌いじゃないなら至高の全2巻になるんじゃないかと思います。

あとがき

ゴールデンハンマー!!