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「第3のギデオン」を読んだ感想・レビュー

第3のギデオン表紙
Ⓒ第3のギデオン

フランス革命っていう名前と1789年っていう年号だけはしっかり覚えてるけど、具体的にどんな出来事なのかは完全に忘れてしまいました。というかこういうのは諸説あるし、ちゃんと覚えても数年後に「あれ間違いでしたー」みたいになることも多いんで、なんか覚えようっていう意識がなくなるんですよね。

とは言いながらも、本作を読んだらフランス革命に興味が出ること間違いなし!というわけで今回は、フランス革命前夜の物語「第3のギデオン(全8巻完結済み)」を紹介します。

第3のギデオン あらすじ

舞台はフランス革命前夜。三部会の議員となり、貧困にあえぐ国を合法的に救いたい平民のギデオン。目的のためなら残酷でも最短の道を進もうとする、貴族のジョルジュ。国を変えたい二人の男が、共にその足を踏み出した。正義と悪と愛と憎悪の共同作業がむかうのは、血の地獄か、理想の未来か。

第3のギデオンの見所をチェック!!

フランス革命前夜の物語

第3のギデオン1
Ⓒ第3のギデオン

本作の舞台はフランス革命前夜です。フランス革命って言われても僕からすれば「1789年に起きた革命、ルイ16世、マリーアントワネット、バスティーユ監獄」くらいの知識しかないけど、そういう人こそ読むと楽しめるんじゃないかと思います。

簡単に言うと「国全体が貧しくなりすぎて、それでも優遇される貴族たちや国王に対して一般市民が遂に怒った!」みたいな感じ。そして主人公は武器を手に取るのではなく、あくまで言葉で革命を起こそうとしたギデオンと呼ばれる人物です。

タイトルが「第3のギデオン」っていうくらいだから主人公がギデオンなんだろうってところは軽く想像できる部分だと思うんだけど、じゃあ第3のっていう部分が引っかかるんじゃないかと思います。この第2、第3のギデオンが何なのかっていうのが本作の大きな見所の一つです。

幼少期を共に過ごしたジョルジュ

第3のギデオン2
Ⓒ第3のギデオン

ギデオンは平民ですが、幼少期に貴族の暮らしをしていたことがあります。いわゆる養子ってやつになるのかな?平民の子が金で買われて貴族の息子になったというやつです。

そこで出会ったジョルジュとは兄弟さながらのように育ってきたんだけど、ある時の事故がきっかけでギデオンが屋敷から逃げ出さなきゃいけないことになってしまうっていうね。この時、ジョルジュがギデオンを庇ったような感じになっていて、20年近く経ってから再開した今もなお両者には絆が残っているようです。

とは言っても、この両者の関係はこんな単純な話じゃなくてめちゃくちゃ複雑なんですよね。叙述トリックとかじゃないんだけど「え?なにそれ?どういうこと?」ってなるんじゃないかと思います。ここは本作最大の見所と言っても過言ではありません。

かの有名なマリー・アントワネット

第3のギデオン3
Ⓒ第3のギデオン

フランス革命における重要人物と言えばマリー・アントワネットが有名です。パンが無くて苦しんでいる市民に向かって「パンがなければケーキ(お菓子、ブリオッシュ)を食べればいいじゃない?」というセリフも有名ですよね。

まぁパンがないのにケーキやお菓子があるわけでもなく、世間知らずな王妃っていうイメージを植え付けるには十分すぎる破壊力のセリフで、市民たちからの「それができるならやっとるわい!」という怒りを買ったっていうね。実はこのセリフ、マリー・アントワネットのものじゃない説があるって知ってました?

本作ではマリー・アントワネットのものであるような、そうじゃないような…という微妙な感じで描かれてるんだけど、実は違う説のほうが信憑性があるみたいです。もしこれが「王妃に対して反感を持つように…」と仕向けられた陰謀だったとしたら、一気に興味が湧いてきませんか?

第3のギデオン 全8巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

僕は歴史の勉強をまともにしたのが中学時代だけなんで、大した勉強もしていなければその時の知識も忘れかかってるっていう救いようがない状態なんだけど、フランス革命のところを勉強させるときは本作を読ませてから授業に入ったりすればみんな話を聞くんじゃないかってくらいに面白かったです。

まず貴族に生まれるか平民に生まれるかで人生の難易度が大きく変わるっていう部分には驚きを禁じ得ないし、最近日本でもよく聞くようになった上級国民が何たるかっていうのが痛いほど伝わってきます。

僕もそうだし多くの読者は平民側の目線で本作を読むと思うんだけど、マスコミの扇動とかも事実を確認する前に騒いだりしちゃう部分があるじゃないですか?もし誰かによって焚き付けられているだけだったとしたら…みたいな陰謀論というか、そういう裏側まで考えながら読むとめちゃくちゃ楽しめる歴史漫画です。

あとがき

フランス革命を漫画化したやつのネタバレなしって無理じゃね?