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「ぼくらの☆ひかりクラブ」を読んだ感想・レビュー

ぼくらの☆ひかりクラブ表紙

昔、ただの空き地に電化製品が捨てられていて、それを秘密基地だなんだって言って楽しんでいました。で、そこを仲の良い友達に教えて3~4人で遊んでいたら、そのうちの1人が別の友達を連れてきたんです。

最初にそこを見つけたのは僕だし、新しく来た子は僕とそこまで仲良くなかったからすっげー複雑な気持ちになったのを覚えています。ちなみに本作はまさにそんな感じのスタートを切る物語です。

というわけで今回は、仲良し3人組の秘密基地が徐々に狂気に変わっていく物語「ぼくらの☆ひかりクラブ(全2巻完結済み)」を紹介します。

ぼくらの☆ひかりクラブ あらすじ

傑作『ライチ光クラブ』前日譚! 少年たちの秘められた過去が、いま明かされる――。☆工場の煙に覆われた螢光町の片隅にある、「光クラブ」と名づけられた少年たちの秘密基地。無邪気な遊び場が、残虐な物語の舞台へと変貌したのは何故なのか――。

ぼくらの☆ひかりクラブの見所をチェック!!

仲良し3人組の秘密基地から始まる物語

ぼくらの☆ひかりクラブ3
Ⓒぼくらの☆ひかりクラブ

まず最初に「ひかりクラブ」っていう名前に引っ掛かるんじゃないかと思うんですが、これは仲良し3人組の名前の頭文字を取ったものです。いわばKAT-TUNみたいな感じ。

本作の舞台は工業が盛んだけどあまり裕福じゃない町っていうことで、廃工場を秘密基地と呼んで遊んでいる子供たちの物語となっています。子供って発想力があるから何でも秘密基地にできちゃうけど、廃工場っていうのはクオリティが高すぎる…。

そして別にそこで何をするわけでもなく、どこでもできるチェスなんかの遊びも秘密基地でやれば楽しさ倍増ってわけです。そんな平和でノスタルジーな雰囲気があることをきっかけに崩れ始めていきます。この後に訪れる狂気は他の漫画ではなかなか見られないほどのやつと言っていいです。

新しく増えた仲間

ぼくらの☆ひかりクラブ2
Ⓒぼくらの☆ひかりクラブ

秘密基地は秘密なのが醍醐味であって、それが他人にバレてしまうと興ざめ以外の何物でもありません。もしこれが同級生に見つかってしまったという場合、一番波風を立てずに済む方法は「新しく仲間に引き入れること」じゃないですか?

ぶっちゃけ小学生の時なんて広く浅くっていう交友関係がデフォというか、嫌いな奴って言ってもそこまで嫌いな奴っていなかったと思うんです。だからよほど嫌な奴でもなければ仲間に引き入れておくのが無難と言っていいでしょう。もし仲間外れにして、そいつが周りにバラしまくって秘密でも何でも無くなったら最悪ですからね。

という感じで、元々仲良し3人組から始まったひかりクラブに新しいメンバーが入り、ここから物語は少しずつ狂い始めていく…という感じの流れになっています。

少しずつ変わっていく力関係

ぼくらの☆ひかりクラブ1
Ⓒぼくらの☆ひかりクラブ

小学生の時に罰ゲームみたいなことを考えて勝負するってことは、誰にでもあったんじゃないかと思います。僕もトランプとかゲームでお菓子を賭けて勝負したってことはあったし、登下校中にじゃんけんをして負けた奴がランドセルを持つみたいなこともしました。でも「君付けで呼んでほしい」みたいなことは無かったなぁ。

ぶっちゃけ僕が小学生の頃って君付けで読んでほしいって思ったことが一度もなかったんだけど、これを小学生で言っちゃうっていうのが既にやばいじゃないですか?ひかりクラブにはちゃんとしたリーダーがいるのに、そのリーダーが新メンバーを君付けしなければならないっていう、いびつな関係ができてしまいます。

これをキッカケにして少しずつひかりクラブが変わっていくことは想像に容易く、楽しい秘密基地がカルト教団のようになっていくんですよね。後半の狂気じみている感じとかマジでやばいです。

ぼくらの☆ひかりクラブ 全2巻を読んだ感想・レビュー

本作は「ライチひかりクラブ」の前日譚となっていて、物語が超気になるところで終わってしまいます。だから正確に言えば、ぼくらの☆ひかりクラブ上下巻+ライチひかりクラブの全3巻構成って思ったほうがいいかもしれません。

そして上巻は小学生、下巻は中学生という区切りがあるんだけど、小学生時代はともかく中学生の方はダークな雰囲気が凄すぎて、元々は秘密基地っていう楽しい設定があったことすら忘れてしまうくらいです。そして自分たちだけの場所が食い荒らされていく寂しさみたいなものを痛感しました。

まさに火遊びのようなドキドキ感があって、明らかに良くないことをしている背徳感もあっただろうし、それを覗いている僕もまた夢中にさせられてしまう…そんな感じの漫画です。間違った青春というか犯罪に繋がる中二病というか、そういう危うい雰囲気の漫画が好きなら間違いないと思います。

あとがき

仲良しメンバーで立ち上げたLINEグループに、自分とは全然仲良くない奴が入っちゃった時の感じ。