記事内に広告を含みます

「凍牌~人柱篇~」を読んだ感想・レビュー

凍牌~人柱篇~表紙
Ⓒ凍牌~人柱篇~

狂気を感じられる麻雀漫画といえばこれ。あまりにも簡単に人が死んじゃうから逆にスリルがないって意見もあるくらい、とにかく異常な空気感を持っている作品と言っていいでしょう。

特に本作では勝負にかかっている金額も桁違いに増えていて、読んでいるこっちの金銭感覚すらも麻痺してくるほどです。というわけで今回は、凍牌シリーズ二作目にして前作よりもパワーアップした麻雀漫画「凍牌~人柱篇~(全16巻完結済み)」を紹介します。

凍牌~人柱篇~のあらすじ

謎の『名簿』を賭け、羽鳥と対局することになったK。しかし、羽鳥5万点、K3万点の持ち点で、点棒の代わりに1人6千点×5人の命という絶対的に不利なルールであった!!大人気麻雀バトル・コミック新シリーズ!!

凍牌~人柱篇~の見所をチェック!!

「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-」の続き

凍牌~人柱篇~1
Ⓒ凍牌~人柱篇~

本作は「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-」の続編ということで、前作を読んでいないと意味が分からないシーンが続いてしまいます。ぶっちゃけ「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-(全12巻)」の13巻目っていう感じ。

冷酷な判断と冷静な打ち方で裏世界のトップにまで上り詰めた主人公は「氷のK」と呼ばれていて、ヤクザの代打ちを務めている雀士です。お金はもちろん体の一部や命を賭けるような展開を強いられつつ、それでも勝ち続けてきた主人公が前作以上に危険な橋を渡ることになります。

特に本作はヤクザ同士の抗争が激化していて賭けられる金額も前作以上に多く、まさに桁違いのリスクを抱えた対局が堪能できると言っていいでしょう。控えめに言ってこれは危険すぎる麻雀です。

前作以上に命が軽く扱われる麻雀

凍牌~人柱篇~2
Ⓒ凍牌~人柱篇~

何が危険かと言うとタイトルにも「人柱」という言葉があるように、麻雀中にもかかわらず人がバンバン死んでいきます。もちろん最下位がリスクを負うパターンもあれば、第三者にリスクが及ぶ場面も珍しくありません。

冷酷だからこそ「氷のK」と呼ばれている主人公にとっても、見捨てることができない人物に危険が及ぶこともあるわけで…。そんな時でも心を乱さずに麻雀を打ち続けることができるのかっていう部分にも注目です。

ぶっちゃけ普通の麻雀なら負けた時に膨らんでしまう負債が気になりそうなもんだけど、本作の場合お金はそこまで気にならないんですよね。軽く億を超える戦いになったりするけど、それ以上に「負けたら生きて帰れない」っていうハラハラ感がたまりません。

麻雀の皮をかぶったヤクザの抗争

凍牌~人柱篇~3
Ⓒ凍牌~人柱篇~

間違いなく麻雀漫画ではあるんだけど、実は「麻雀の皮をかぶったヤクザの抗争を描いた作品なのでは?」って説もあります。あからさまにドンパチやり合ってないだけで、カチコミに行ってタマを取る(麻雀で)みたいな雰囲気があって、健全な麻雀とは程遠い位置にある麻雀漫画です。

前作ではせいぜいヤクザのシノギくらいのイメージだったのが、本作では明らかにそれ以上の意味を持っています。裏社会のトップに立つための作戦だったり、自分を狙っている人物をあぶり出したり…。もっと言えば邪魔者を消すための麻雀だったりするから穏やかじゃないんですよね。

もちろん前作以上に強力なライバルたちが出てきて、主人公もリスクを背負うことになる展開は見応えばっちり!「普通の麻雀漫画で主人公がここまで追いつめられることってあるだろうか」ってくらいに追い込まれたりもするので、その辺の手に汗握る感じにも注目です。

文字通りのデスマッチ的な麻雀

凍牌~人柱篇~4
Ⓒ 凍牌~人柱篇~

例えば「最下位の奴がロシアンルーレット」みたいな話になったとき、死ぬかどうかっていうのは作者の裁量次第じゃないですか?まぁこんなこと言いだしたらバトル漫画でも「主人公が勝つかどうかは作者次第」みたいになっちゃうんだけど、ロシアンルーレットってちょっと違うような気がするんです。

ぶっちゃけやろうと思ったら5/6のロシアンルーレットを10連続で回避とかも普通にできるわけで、豪運に守られてる的な演出をかましてドヤ顔で引き金を引くようなキャラはまず死にません。

でも本作の場合はちょっと違って「どうせ主人公は助かるんでしょ?」みたいな冷めた感じで見ているときにこそ波乱が待っているって言うんでしょうか…一般的なご都合主義とちょっとタイプが違うんですよね。主人公側に立っている人間もリスクを受けるし、主人公がすべてを守り切れないっていう部分にも見所たっぷりです。

凍牌~人柱篇~ 全16巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

今作も続編ありきな感じで始まっていて、続編は「凍牌~ミナゴロシ篇~」となっています。前作が全12巻、本作が全16巻、続編が全10巻なんで凍牌シリーズで考えたら全38巻完結っていう感じです。

そして本作は大きな見所がたくさんあったように思いました。さすがに「主人公が死ぬかも…」みたいな目線で読む人はそんなにいないと思うけど、割とリスクが大きい戦いも多くて、常に目が離せない展開が多かった気がします。

とは言え、シリーズの中でも最も気になる要素と言っても過言ではない「謎の少女」に関するストーリーがほぼ進んでいないこと、そしてロシアンルーレット的なものが始まった瞬間にある程度の結末が読めてしまうっていうのは残念でした。

それでも狂気を感じる麻雀漫画が読みたいという人には、これ以上ないってくらいおすすめしたい麻雀漫画です。

あとがき

ヒラで軽く役満あがれるんだからロシアンルーレットくらいなんてことない気がする。