探偵と言えば卓越した観察眼と頭脳によって難事件を解決に導くというイメージがありますが、暴力で問題を解決するとは何ぞや?ちなみに文字通りのやつでした。
本作は暴力ですべてを解決するタイプの探偵ものです。推理することなく暴力で事件を解決に導いていく様子は、規格外すぎて斬新に見えること間違いなし!というわけで今回は、暴力特待生が大暴れする「暴力探偵(全3巻完結済み)」を紹介します。
暴力探偵のあらすじ
「悪いヤツはぶちのめす。」剋仙(こくせん)学園の番長・雄鷹陽一郎(おだか・よういちろう)。彼はトラブル解決のために、暴力装置として学園に迎えられた暴力特待生である。次々と発生する揉め事を、雄鷹はすべて暴力で決着させる!「これで解決だな!!」
暴力探偵の見所をチェック!!
超ヤンキーが主人公の青年漫画
暴力探偵っていうタイトルからも察しがつくと思うんだけど、本作はヤンキーが主人公による青年漫画です。ぶっちゃけ僕は本作が連載されていた時にアフタヌーンコミックスで読んでいなくて、完結してから本作を一気読みしたんだけどまさか青年漫画だったとは…。
確かにちょっとエッチなシーンとか胸糞悪くなるようなシーンも出てくるから、青年漫画っぽいっちゃあぽいんだけど、僕は完全に少年漫画だと思っていました。というのも絵が少年風(これは褒め言葉)で綺麗だし、すっげー見やすい。
でも「東京暴力ランキング」みたいな厨二っぽい要素がかなり多いし、この辺は好みが分かれるところだと思います。少年漫画っぽい現実離れした要素にワクワクできる人におすすめしたいヤンキー系漫画です。
ヤンキーなのに学校の問題を解決する展開
普通ヤンキーって言ったら学校内で問題を起こす側だと思うんだけど、この主人公は校内の不良たちを取り締まる側の立場にいます。それこそカツアゲとか盗撮みたいな問題があるなら、それを大ごとにして波風を立てたくない教師たちに代わって全力で解決するという…。
まぁここだけ聞いたらヒーロー系の漫画のように感じるかもしれないけど、少なくとも主人公にそういう正義感を感じるっていうことはないんですよね。なんでかは知らないけど、まるで「毒を以て毒を制す」っていう感じだからかも。
ちなみに探偵を名乗ってはいるけど、事件を解決に導くための推理みたいなものは飾り的な感じなので、よくある探偵系のミステリと同じように考えていると期待外れになってしまうと思います。あくまで本作はヤンキー漫画としてみた方がいいです。
びっくりするくらいの鉄拳制裁
本作の何がすごいかって驚くほどの鉄拳制裁なんですよね。暴力を暴力で解決する展開がほとんどで、相手が複数人だろうと武器を持っていようと決して負けない主人公の強さよな。
スタンガンを食らっても全然平気だし、車で轢かれても問題ないっていう人外の強さを誇っています。暴力ランキングのトップに君臨しているってだけで十分強そうな感じはするけど、その他のランカーが空気って言っていいくらいに実力が突出しているという感じ。
この圧倒的な強さに魅力を感じるのであれば超おすすめです。見開きページで決め台詞を言うシーンも多いので、そこにカッコ良さを感じるのであればぜひ読んでみてください。
暴力探偵 全3巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
絵は非常に綺麗で読みやすいです。あとは本作に何を求めるかによって評価は分かれると思うんだけど…。
個人的にはヤンキー漫画でバトルアクションがあるなら適度に苦戦してほしいし、全然苦戦しないならギャグ方向に持っていって欲しいっていう気持ちがあるんですよね。それがどっちもなかったので、僕にとってのヤンキー漫画としては少し物足りなかったかも。
探偵モノとして見るにしてもぶっちゃけ謎解きなんてほとんどしておらず、もしかしたら水面下では犯人をがっつり捜してたりするのかもしれないけど、表面的には犯人と引かれ合ってるような感じがしてここも物足りなかったです。
ただ、少年向けのヤンキー漫画として見たらめちゃくちゃ面白いんじゃないかと思う部分もあるし、何を求めるかによって評価は大きく変わることは間違いありません。絵が綺麗なヤンキー漫画、学園モノが読みたいという人におすすめします。
あとがき
事件を頭脳じゃなくて暴力で解決するパターン。