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「ハーン ‐草と鉄と羊‐」を読んだ感想・レビュー

ハーン ‐草と鉄と羊‐

 

個人的には、チンギス・ハーンなんて歴史の授業でちょろっと出てきただけのモンゴルの偉人ってくらいの印象しかありません。源義経に至っては「牛若丸って呼ばれてた人?」くらいの感じ。

「そんな2人が同一人物だったら?」という、下手な都市伝説もびっくりするくらいの設定で描かれた漫画が本作です。というわけで今回は、牛若丸=チンギス・ハーンのIFの世界「ハーン ‐草と鉄と羊‐(全12巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ハーン ‐草と鉄と羊‐ あらすじ

蝦夷地に住んでいた源義経は、兄・頼朝から追われていた。船に乗り込んで逃げようとしたが、その船は難破、着いた先はだだっ広い大陸。彼は復讐に囚われた人生を捨て、新たに生きることを決意した。裸一貫! 土地、人種、しがらみ。義経はすべてを飛び越え、曲者だらけのユーラシア大陸を駆け廻る! そして人類史最大の支配者になることができるのか!?

 

ハーン ‐草と鉄と羊‐の見所をチェック!!

源義経が生きていたら…というIFの世界

ハーン ‐草と鉄と羊‐ 1

 

壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼし、その後は源頼朝に後を追われて死んだとされる源義経が「もし生きていたら?」という仮定を描いた歴史漫画です。史実では岩手県の平泉で自刃したと言われていますが、蝦夷地でひっそりと生きていたという設定になっています。

その後は大陸へと渡り、これまでの戦いで受けた傷を癒すと共に狩りなどをして生計を立てていたものの、遊牧民に村を襲われてしまい、再度旅立つ過程で大陸の勢力争いに加わっていくという流れ。

ぶっちゃけ史実とかけ離れた歴史漫画なので好き嫌いは出ると思うんだけど、歴史のIFが好きなら楽しめると思います。「明智光秀が死んでなかったら?」とか「上杉謙信が女だったら?」みたいな漫画が楽しめるという人におすすめ。

 

戦国時代(モンゴルバージョン)

ハーン ‐草と鉄と羊‐ 2

 

タイトルから入った場合「チンギス・ハーンの話じゃないんかい!」と思うようなスタートを切る本作ですが、本作の内容を大まかにいうと「死んだはずの源義経が生きていて、海を渡ってモンゴルでチンギス・ハーンとして活躍する話」です。

とは言っても異国の地で一気にスターダムにのし上がれるというわけではなく、言葉の通じる仲間を作ったり、強者に取り入ったりして少しずつ出世していく様子が描かれています。武術に心得がある義経と言えども簡単に事は進まず、時には姑息で卑怯な手を使ったりもするので、大きな野望が感じられる作品といっていいでしょう。

 

大草原を駆け回る爽快感や躍動感が抜群

ハーン ‐草と鉄と羊‐ 3

 

日本史の戦国漫画と大きく異なる点は、広大な大地を思わせるような壮大さ・爽快感があるという点です。馬に乗って戦場を駆け回ったり、遠くの敵を弓で射るみたいな描写は日本史漫画でもよく見るシーンだけど、あんまりガチャガチャしてないと言うかスケールの違いを感じました。

一騎打ちのようなシーンも珍しくないし、時にはモンゴル相撲で勝負したり…でも残虐性なんかもしっかり再現されていて、戦闘シーンの迫力は鬼気迫るものがあります。

設定が斬新な歴史漫画の場合、設定が面白そうなものほど中身が期待外れってパターンも少なくないんですが、本作は絵も上手いし、非常に読み応えのある歴史漫画です。

 

ハーン ‐草と鉄と羊‐ コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

「源義経が実は生きていて、海を渡って大陸でチンギス・ハーンになってた」という設定にワクワクする人なら楽しめると思います。ただ、歴史に詳しければ詳しいほど本作の設定は無茶苦茶に感じてしまう部分もあるかと思うので、その辺はご自身で判断してみてください(モンゴル人の方が読んだらブチ切れするレベルかも)。

絵から伝わってくる気迫もなかなかで、非常に読みごたえがあります。主人公も正々堂々という感じではないし、遊牧民は残虐非道な描写が少なくないので、まさに綺麗事なしの戦争物語という感じ。

ただし史実とは大きく異なる点があって勉強にはならないので、チンギス・ハーンや源義経がどういう人物かを知っている人、あるいは本作をきっかけにして調べてみようと思える人におすすめしたい作品です。

 

あとがき

昔、チンギス・ハーンなのかチンギス=ハーンなのかで悩んだ記憶がある。

 

 

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