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「あせとせっけん」を読んだ感想・レビュー

あせとせっけん
Ⓒあせとせっけん

すっごいデリケートな部分に踏み込んできた恋愛漫画って感がすごかった本作。せっけんの匂いが好きっていう人は多いと思うし、好きな人のにおいなら汗臭いのも悪くないって人も少なくないと思うけど…まさかこんなテイストの恋愛漫画が出るとは。

簡単に言えば汗かきをコンプレックスにしている主人公と、においフェチの男性社員が商品開発を言い分に接近し、社内恋愛をするっていう感じの作品です。両者の気持ちにちょっとでもすれ違いがあればセクハラ間違いなしだけど、この恋愛物語がどう決着をつけるのか見届けてみませんか?

というわけで今回は、においから始まるフェチ系恋愛漫画「あせとせっけん(全11巻完結済み)」を紹介します。

あせとせっけんのあらすじ

女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップに勤めるOL・八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。デオドラント製品が手放せない生活の中、ある日、商品開発部の名取香太郎(なとりこうたろう)に、「君の体臭は素晴らしい! 新商品の石鹸開発のため、これから毎日、君のにおいを嗅ぎに来ます!」と言われてしまう。でも、においを嗅がれるのは、そんなに嫌でもなくて…。

あせとせっけんの見所をチェック!!

汗っかきというコンプレックスを抱える主人公

あせとせっけん
Ⓒあせとせっけん

本作の主人公は小さい頃から汗っかきなことをコンプレックスに感じている女性です。麻子を汗子って読んじゃうあたり、マジで子供って残酷だなぁと思うわけですが、そんな彼女がバス用品メーカーに勤めているっていうのが何とも言えません。

自分の体臭に自信があるっていう人はいないだろうし、汗っかきな人だと余計に自分のにおいが気になってしまうという人は多いんじゃないかと思います。というか僕からしたら、まったく気にならないって人が信じられないくらい。

ぶっちゃけにおいに関する悩みとか相談って割と近しい人にも話しにくい部分があると思うし、他人のそういう部分にも踏み込みにくいじゃないですか?だからにおいフェチっていう人からすれば、本作のコンセプトはめちゃくちゃ刺さるんじゃないかと思いました。

においがきっかけで同じ会社の男性に言い寄られる

あせとせっけん
Ⓒあせとせっけん

付き合ってる人のにおいが好きっていう人は少なくないと思います。決して良いにおいじゃなくてもクセになるというか、お風呂上がりとかそういうのじゃないやつ。くさいのともまた違って気になるにおいっていうのかな…。

なんか遺伝子レベルではにおいに惹かれているみたいな話も聞いたことがありますし、においで苦手だなって思ったらどんなに見た目が好みでも難しい部分もあると思うんで、そういう意味ではにおいから始まる恋愛っていうのは理にかなっているのではないでしょうか。

でもまぁ共感できるかどうかって言ったら難しいよね。ぶっちゃけ僕みたいなモテない男がすっごい綺麗な人からだとしても「あなたのにおいを嗅ぎに来ます」とか言われたら引くし。恋愛物語って共感できるかどうかが大きいと思うんで、この辺は賛否が分かれるのではないかと思いました。

ただ「恋人のにおいが好き」みたいな気持ちが分かる人なら、感情移入して楽しめる部分も少なくありません。においフェチなら言うまでもなくおすすめ。

ドキドキの社内恋愛

あせとせっけん
Ⓒあせとせっけん

同じ会社に勤めている二人による恋愛ストーリーなので、いわゆる社内恋愛です。最初は商品開発のためににおいを嗅ぎに行くという設定だったのが、社会人同士ということもあって恋人関係になるまでもめちゃくちゃ早いっていうね。

ぶっちゃけここからは公私混同になるし、コンプレックスを褒めつつイチャイチャするっていう展開になるからマジで評価は分かれると思うんだけど、良い方に転がればこれ以上ないってくらいの恋愛漫画になると思います。

ましてにおいにスポットを当ててる恋愛漫画なんて替えが利かないので、そういう意味でも本作は希少価値のある作品と言っていいでしょう。この二人が最終的にどういう決着をつけるのか、最後まで見届けてみてください。

あせとせっけん 全11巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

主人公がコンプレックスを克服していく感じはすごく素敵だと思いました。それで女として自信が持てるようになっていくっていう展開は、まさにこの二人の相性が良かったっていうそれ以上でもそれ以下でもないんだけど、やっぱ好みが大きく分かれるタイプの恋愛漫画です。

少なくとも他人ににおいを嗅がれて快感だって思える感情がないと、本作を本当の意味で楽しむことは難しいんじゃないかと思います。逆に好きな人にならコンプレックスもすべて曝け出せるっていうなら刺さるかも。ラブコメって紹介されることが多いけど、ラブコメ要素はあまり感じませんでした。ちょっと特殊なヘキを持っている大人同士の恋愛という感じ。

ただ一つ言えるのは、序盤を読んだだけの感想と全巻を読んだ時の感想は大きく変わるんじゃないかってことです。僕は序盤は本作の魅力を計りかねてたんだけど、最後まで読んだら面白い恋愛漫画だと思いました。最後がちょっと駆け足だったのが気になるものの、一風変わった恋愛漫画や大人の恋愛漫画に興味があるという人におすすめです。

あとがき

セクハラと紙一重だけど本人たちがいいならそれで良し。