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「ヘルドッグス 地獄の犬たち」を読んだ感想・レビュー

ヘルドッグス 地獄の犬たち
Ⓒヘルドッグス 地獄の犬たち

警察のことを卑下する表現として「国家の犬」って言ったりすることがあると思うんだけど、ヘルドッグスとはまぁ上手いこと言ったもんだなぁと。直訳すれば地獄の犬ですが、まさにそんな感じの作品です。

個人的に「本当にそんなことあるの?」みたいな設定の話が好きで、特に潜入捜査みたいなやつは好きで好きでたまりません。だから警察がヤクザになって潜入捜査する的な話は、もうよだれが出るほどの大好物です。

というわけで今回は、地獄に足を踏み入れた表はヤクザ・裏は警察官という男の物語「ヘルドッグス(連載中)」を紹介します。

ヘルドッグス 地獄の犬たちのあらすじ

東鞘会の兼高は若頭補佐までのぼりつめた腕の立つヤクザ。組織の命令で沖縄に降りたった彼は、ターゲットである喜納を殺害した。その夜、兼高は激しく嘔吐する。彼は警視庁の潜入捜査官だった!兼高の目的とはいったい!?

ヘルドッグス 地獄の犬たちの見所をチェック!!

有能なヤクザの男が主人公

ヘルドッグス 地獄の犬たち
Ⓒヘルドッグス 地獄の犬たち

本作の主人公はイケメンというか割と整った外見をしている男で、少なくとも武闘派ヤクザって感じはしません。でも非常なまでに相手をボコボコにするし、相手を恐怖で支配する術に長けています。

そもそも抗争相手の所にカチコミに行くのに、銃を使わないっていうあたりがもう危険じゃないですか?現実世界のヤクザが閑静な住宅街でアサルトライフルぶっ放したってやつも相当怖いけど、簡単に手に入るような武器を持ってたった二人で襲撃するのも相当怖い。

で、あとは襲撃後の処理の仕方なんかにも恐怖感が溢れています。変にリアリティがあるというか、ヤクザ稼業が相手に舐められたら終わりっていうのを示しているかのような雰囲気がたまりません。

かなりダークな雰囲気がある裏社会の様子

ヘルドッグス 地獄の犬たち
Ⓒヘルドッグス 地獄の犬たち

前項で武器について軽く触れたけど、削ったマイナスドライバーってめちゃくちゃ怖いなぁと。こういうのって「せめて一思いにやってくれ」みたいな感情があったりするから、ナイフとか拳銃よりもその辺で簡単に手に入る武器の方が怖かったりしませんか?

こういう恐怖心の煽り方が上手い漫画だと思いました。ヤンキーもゴリゴリなキン肉マンよりも細い奴の方が怖かったりするし、こんな感じの「うまく言えない怖さ」みたいなものがしっかりと表現されています。

作品全体がダークな雰囲気に包まれていて、こういう空気感が好きな人にはたまらない作品と言っていいでしょう。ヤクザ漫画の仁義とかそういう部分じゃなく、抗争とかサスペンス要素に惹かれるなら文句なしにおすすめです。

待ち受けている「裏の裏」みたいな展開

ヘルドッグス 地獄の犬たち
Ⓒヘルドッグス 地獄の犬たち

あらすじ部分でも明かされてる要素だからネタバレでもないと思うんだけど、本作の主人公は実は潜入捜査官で、ある男を殺すためにヤクザになったという設定があります。どっかで聞いた設定だなーって思ってたら、確かキムタクが如くの二作目「ロストジャッジメント」がそんな感じの設定だったような…。

で、本作の設定はそれだけじゃなくて、ここにさらにプラスαの要素があります。これがまぁ面白い!ミイラ取りがミイラになるじゃないけど、さらに輪っかをかけてきたって感じが最高だと思いました。

これは実際に本作を読んで欲しいと思うんだけど、少なくとも「警察がヤクザになって潜入捜査する」みたいな展開が好きな人なら間違いなく夢中になるはず。

ヘルドッグス 地獄の犬たち コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

個人的にドンピシャの作品で、ダーク感もさることながら「警察vsヤクザ」みたいな縮図も面白いと思いました。そして単純な警察とヤクザの戦いでもないっていうプラスαの要素がとにかく面白くて、先の展開が気になって仕方ないんですよね。

これまでに見てきた作品でいえば「サンクチュアリ」みたいなヤクザと政治家のコントラストとか、あとは「ウロボロス」みたいなヤクザと警察のコントラストに非常に近いんだけど、そこから更に一段階のギミックが用意されているのが面白いです。

残酷なシーンは少なくないものの、過剰なグロさで引っ張っていくタイプの漫画じゃなく、サスペンス的な要素で勝負している本格派だと思います。続きが気になって仕方ないです。

あとがき

ヘルドッグスってタイトルがまた何とも言えない。