表紙を見た感じでは完全に空手の漫画だと思いました。で、確かに空手が1つのテーマであることは間違いないんだけど、少しずつ「あれ?なんか違くね?」って感じになってって…。
なにやら小栗旬とか山田孝之が頂点を争って戦う的な流れになりーの、気が付いたら日本vs中国みたいなスケールの大きいケンカに発展するっていう、なんだかよくわからない漫画があります。
ジャンルはヤンキー×空手でしょうか。とりあえず厨二っぽさを残しつつも熱い!今回はそんな「ランブル・フィスト(全5巻)」を紹介します。
ランブル・フィスト あらすじ
空手を通して育まれた友情と復讐を胸に、決して道徳的とは言えない道を歩みながらも強さを追い求めた1人の高校生の物語。
キッカケは、目の不自由な親友に対して卑怯な手を使って勝利した人間に復讐したいという気持ちから。強さを追い求めてとある空手道場の門を叩いたところ、それは武道とは言い難い抗争の道へと足を踏み入れることになる。
ランブル・フィストの登場人物
カツミ
かつて親友を傷付けた人間に復讐したいという想いから、人間離れの強さを持つタイサに憧れ始める。タイサが運営する羽生塾に入門してからは少しずつ場数を踏み、ゆくゆくはタイサの右腕に。
もともと親友の剛汰と一緒に空手のトレーニングをしていたせいか、スマートな戦い方こそ見せないまでも実力はそこそこあるようで、羽生塾の塾生たちにもポテンシャルの高さを認められている。
剛汰
カツミの親友で、小学生の頃から空手をやっている。スターガルト病と呼ばれる目の病気を患ってからは空手の大会でも良い結果を残せなくなってしまい、盲学校に通い出して空手とは疎遠になったところをガーデンズ(不良チーム)に誘われた。
カツミやタイサの敵として相まみえることになるが、それは「かつて空手の大会で無敵を誇っていたタイサと手合わせしてみたい」という純粋な気持ちからである。
タイサ
羽生道場の長。空手が強く、小学校から中学にかけて空手の大会で全国優勝を何連覇もしていたが、ある時を境に公式試合には姿を見せなくなっていた。
喧嘩も強く、大人数の中に数人で切り込んで行ってただ一人無傷で帰ってくるほど。そのあまりにもの強さから、多くの人間に慕われている。
ランブル・フィストの見所をチェック!!
厨二病全開のワクワクする展開
スポーツ漫画の宿命と言えば「主人公が入部した途端に部の存続が危ぶまれる」的な展開だと思うんだけど、格闘技漫画の宿命と言えば「その格闘技を始める前のテスト」が挙げられると思う。
特に厨二病をくすぐる展開としては「俺の顔面に一発でも入れたら合格だ」的なやつね。もしかしたら「俺は右手1本しか使わねぇ」みたいなパターンに発展するかも。実際に「顔面に一発入れたら勝ち」ってルールで戦ったとして、前髪をかすったっていうのは有効なんだろうか…。
とりあえずその辺を含めて、一昔前のスポ根モノの醍醐味っつーかヤンキー漫画の醍醐味的なものが堪能できるんじゃないかと思います。
ヘタレ主人公の成長ぶり
正確にはヘタレではなくて「周りが化け物じみているせいで、ヘタレに見えてしまいがちな主人公」って言った方が正しいか。ずっと化け物たちにやられっぱなしだったけど、その辺の不良レベルと実際に手を合わせてみたら案外大したことが無かったって気付くパターンですね。「あの人たちと比べたら、お前なんか屁でもねぇ」的な。
もともと主人公は努力家で、空手に関しても丸っきりの初心者ってわけでもないから、スポ根モノにありがちな「初心者が才能を開花させて一気に強くなるパターン」でも無いし、その辺は安心して見ていられます。
さすがに全5巻のボリュームだから一気に強くなってる感は否めないけど、それ以上に強い人が身近にいるってことでバランスも取れててイイ感じ。泥臭くも成長していく主人公の姿は必見です。
2000vs2から2vs2の戦いへ
すごい規模の不良グループがワンマンチームを倒す場合に、大人数で袋叩きにするんじゃなくてタイマンで決着をつけるって展開は既視感ありありなんだけど、まさかチームの代表2名同士による戦い、それもリングを用意しての戦いってのは驚いた。
ぶっちゃけ地元のチームと戦ってた頃はまだ可愛いもんで、気付いたら中国のチームとの抗争に発展してるもんだから、そのスピードについていけないと「ここはどこ?」って感じになりかねないと思う。
あとはコテコテの厨二っぽさがどう映るかってとこですね。少なくともヤンキー漫画によく見られる正々堂々感とか熱い友情みたいな雰囲気が嫌いじゃないなら楽しめると思います。
ランブル・フィスト コミックス全5巻を読んだ感想・レビュー
僕としては最初は空手漫画を期待して読み始めたのに、気付いたらヤンキー漫画になってたから戸惑いを隠しきれなかったけど、純粋な格闘技としての空手漫画を期待しているわけじゃなければ楽しめるんじゃないかと思います。
あとは中国の残留孤児の話なんかも出てきて不良チームも取り上げてるもんだから、実在する半グレ組織が脳をよぎるんですよね。だからじゃないけど、いわゆるアンダーグラウンド系の漫画とか「どこどこの族の抗争が~」みたいな武勇伝が好きな人も楽しめると思う。
とりあえず、ヤンキー漫画にありがちな男同士の友情とか仲間意識みたいなものが好きなら文句無し。
あとがき
熱い漢が好きならハマるかも。
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