僕はちょうど世代的にウルトラマンと接してこなかったというか、それこそ元祖ウルトラマンは古すぎるし、新しいウルトラマンが始まる頃には特撮モノ自体に興味を失ってた頃だったような…。
新しいって言っても記憶によるとV6の長野さんとか、つるの剛士さんとか、辻ちゃんの旦那さんがやってた頃ね。いわゆる「子供と同時にそのお母さんも取り込もう」的なビジネスが見え始めてきた頃。
だから思い入れも全くないし、本作を読むまではウルトラマンの面白さを一切知りませんでした。そして本作を読んで「ウルトラマンめっちゃ面白いやんけー!」ってなった1人です。というわけで今回は、世代を超えて超大作がパワーアップした「ULTRAMAN(連載中)」を紹介します。
ULTRAMAN あらすじ
この物語は、ウルトラマンの息子に意志が受け継がれてからの物語である。当初、ウルトラマンは数十メートルもの体の大きさを持ち、パッと見でも分かるような大きさであったが、本作に登場するウルトラマンは等身大サイズで生身でも規格外に強い人間が強化スーツを着るというイメージだ。
40年前を最後に地球を襲ってくる侵略生物はいなくなったが、それは文明を持つ星々が同盟を結んだからであり、ここに来て不穏な空気が流れ始めてきたというわけである。主人公はご存知、ウルトラマンとして地球を守っていた早田進…の息子、早田進次郎。今ここに、一新されてパワーアップしたウルトラマンの物語が幕を上げる。
ULTRAMANの見所をチェック!!
大人向けのヒーロー作品というイメージ
僕はウルトラマンそのものを見たことがないからアレなんだけど、本作に関して言えば小さい子がワーキャー言うような感じの作品ではないと思いました。もちろん迫力あるバトルシーンなんかでは子供のテンションも上がるかもしれません。でも本質はもっと別の所にあるというか、なんて言うんだろう…「敵が来たからやっつけて、はい終わり」じゃないんですよね。
人間ドラマというか種の共存というか、敵(人類の敵という意味であえて敵と表現します)にもそれなりの理由があって地球に来たんじゃないかとか、いろいろ考えさせられる部分が多いヒーローSF作品です。
当時ウルトラマンに夢中になったという大人の読者が読んでも楽しめるし、僕のようにウルトラマンに何の思い入れもない読者が読んでも楽しめるはず(ただしウルトラマンを全く知らないと、幾つかの疑問も出てきます)。
ヒーローものにはあまり見られない葛藤
最近になって特撮ヒーローの概念が変わってきているんだとしたら申し訳ないけど、僕の中で特撮ヒーローって「悪い敵をやっつける→ヒーローが崇められる」っていう単純な構図というイメージでした。
まさかそこに「いくら危害を及ぼす可能性があるとは言え、相手にも人権が…」どうのこうの言う余地は無いと思っていたし、まして「地球を救うという立場の人間が嫌われている」なんて夢にも思わなかったです。
ここで思い出したのはエヴァね。エヴァではトウジっていうキャラの妹がエヴァと使途の戦いに巻き込まれて負傷したってことで、トウジからしたら「地球を守ったはずのエヴァが憎い」っていう絵も描かれていて、当時はメチャクチャ斬新だと感じたのを覚えています。そんな感じで「かっこいい!」「ウルトラマン強い!」だけじゃ終わらない深い物語っていう部分にも注目すると、たぶん幸せになれるんじゃないかと。
ULTRAMAN コミックス序盤を読んだ感想・レビュー
ウルトラマンを全く知らない僕のような人間が読むと「え?ウルトラマンってゼットンにやられてたの?」とか「ウルトラマン○○って、ウルトラマンとは関連性がないの?」とか、色んな疑問が出てきます。
それこそウルトラマンを倒したゼットンという存在がいて、ウルトラマンの正体である早田進が普通に生きているっていうのが最初に引っ掛かりました。これについては間違ってるかもしれないけど「エヴァ初号機が死んだだけで、碇シンジは生きている」みたいなことで勝手に納得。
あとウルトラマンがいなくなってから40年間、地球は侵略生物からの煽りを受けていないっていう設定になっていて、まぁウルトラマンの息子が活躍するというシナリオには最適な時系列になってるんだけどここにも疑問がありまして…。
「ウルトラマンティガとかダイナとかコスモスとかいっぱいいたけど、あれはウルトラマンとは関連性のない物語だったの?」とか、ちょこちょこ「ウルトラマンを知らないが故に出てくる疑問」みたいなものに悩まされつつもあります。
僕はどっちかっていうと適当なんで自分なりに納得できる答えを見つけて納得させるけど、そういうのができないとか「ちゃんとした設定を理解してから楽しみたい!」とかなると、たぶん「ウルトラマンを最初から見てくれ」ってなるような気が。
とりあえず疑問は残しながらも作品自体はめちゃくちゃ面白いです。大人読者も楽しめるヒーローSF作品って感じで、これを機に過去のウルトラマンとか観てしまうかもってくらい夢中になってます。ヒーロー作品、バトル作品、SF作品が好きな人には文句無しにおすすめです。
あとがき
当時ウルトラマンに憧れた少年たちの気持ちが分かる。