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「LV999の村人」を読んだ感想・レビュー

 

最初の入口は「転生系の漫画かな?」っていう感じだったんだけど、いわゆる転生モノではなく、ちょっと趣向の違うファンタジー漫画でした。

何が普通のファンタジー漫画かっていうと、まず村人が主人公である点。しかもレベルが999っていうね。もちろん勇者様御一行よりも遥かに強いです。

他にも色々あるけど、詳しくは以下で紹介していくことにして…。というわけで今回は、異端系RPG漫画「LV999の村人(連載中)」を紹介したいと思います。

 

 

LV999の村人 あらすじ

 

本作はよくあるタイプの「人間vs魔族」という縮図を描いたRPG漫画である。町人はモンスターなどに怯え暮らし、それを勇者たちが助け、最終的には魔王の討伐を目指すという王道の流れを汲んでいるが…。

その王道の流れを覆す要素が幾つか組み込まれており、まず1つ目は「主人公が村人」であること。それもLVが999ということで勇者よりも遥かに戦力が高く、その気になれば魔王も倒せるのではないかと思うほどの強さである点。

そしてもう1つは「人間も魔族もない」という考えを持っているということだ。人間にも善人と悪人がいるように、魔族だからと言って敵対視するのは良くないという考えを持っている。

この考えを持っている人間は非常に少なく、それと同時に主人公は「魔物を倒すことでゴールドが得られる仕組みは誰かによって仕組まれているのでは?」とまで考えていた。タイトルから連想されるようなギャグ感はない。シリアス調で展開される村人の物語を堪能せよ。

 

LV999の村人の見所をチェック!!

モンスターがお金を落とす理由

 

ドラクエとかファイナルファンタジーで遊んできた読者なら、モンスターを倒す=お金が手に入るというのは当たり前のことすぎて疑問に感じたことはないと思います。

あえてここをほじくり返すとすれば、僕の中では「アイテム化はされていないモンスターの毛皮とか骨とかを素材屋のような所に売ったテイにしている」って解釈してました。

これについて本作の主人公は「この世の中の仕組みとしておかしいポイント」として捉えてるんだけど、僕はこの考えが面白いと思ったんですよね。どうやって収拾付けるかって部分も大きな見所です。

 

常識外の強さを持っている村人が主人公

 

タイトルだけで見ると「今流行りのチートものかよ」って思う人も多いはず。僕も最初はそう思ってたし。でも内容を見てみるとそんなんじゃありません。話の展開もシリアス寄りで割と重めです。

所々に「村人はめっちゃ強いけど勇者みたいに偉そうな素振りをみせない」というような、ちょっとした皮肉のような雰囲気を感じるしチート系作品と似た空気なんかも感じるんだけど、マジでそういうのとは雰囲気が異なります。

LVが999になった理由とかも結構重い。チートものならウケ狙いとかに持って行くことが多いのにそんなんじゃない。個人的にはそれが結構好きだったりします。

 

魔王とも人間を滅ぼそうとは思っていない

 

主人公は「人間も魔族も変わらない」という考えを持っていて、一方で魔王も「人間を滅ぼそうとは思っていない」という部分も面白い要素の1つだと思いました。それなのに人間と魔族の小競り合いは終わらないし、どちらも自己防衛のために相手を倒し、それが更に相手の恨みを呼ぶっていう流れです。

戦争なんかが話題になると「憎しみは何も生まない」っていう人がいるけど、自分がやられたターンでそれが言える人ってすごいよね。とりあえず主人公は魔王の娘と一緒に行動し「人間と魔族が共存できる道」を望んでいます。僕にはこれが人種差別みたいな感じで映ったんで、最終的に平和的な終わり方をして欲しいなって本気で思います。

 

LV999の村人 コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

物語の核心をひた隠しにして「どういう決着をつけるんだろう?」という興味心をくすぐって引っ張っていく感じの作品なので、最終的な結末を見ない限りはどう転ぶかはわかりません。

でも現時点では興味の方が勝っていて割と楽しく読ませてもらってます。だからじゃないけどKindleのレビューを見た時は評価が想像以上に低くてびっくりしました。「結構みんな辛口だなー」って思った。

主人公が強い村人っていう設定自体は似たようなのが多いけど、ここまでシリアス調な物語にしてテーマが重めのファンタジー漫画っていうのは珍しいです。最後の最後に「その設定なんやねーん!」ってなりそうな可能性が十二分に残ってるからアレだけど、とりあえず3巻まで読んだ感じでは普通に面白いと思うし、この先の展開もメチャクチャ気になります。本気でハッピーエンドになって欲しい。

 

あとがき

強いけど憧れない、でもカッコイイって斬新。