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「おっさん冒険者ケインの善行」を読んだ感想・レビュー

 

個人的には「徳を積む」っていう考え方は、すごく好きです。もちろん自分に返ってくることを期待して善行をするっていうのは微妙に違うとは思うけど、自分の行いが巡り巡って自分に返ってくるっていう世の中ならいいのにって思います。

それをまさにファンタジー作品に応用したのがこちら。もう主人公が驚くほどの善人で、マジで現実世界にはいないようなレベル。神レベル。それでいて鼻につく嫌味な感じもないので、素直に物語に入っていけます。

というわけで今回は、おっさん冒険者の善行が運命を変えるファンタジー「おっさん冒険者ケインの善行(連載中)」を紹介します。

 

 

おっさん冒険者ケインの善行 あらすじ

20年間毎日せっせと薬草採取に励んできた、善良だけが取り柄のDランク冒険者ケイン。偶然手に入れた超レアアイテム「蘇生の実」を、Sランクの神速の剣姫アナストレアに銀貨3枚で譲った時から、ケインの日常は一変する! バトルありコメディーあり美少女ありの、おっさん系【究極】癒しファンタジー!!

 

おっさん冒険者ケインの善行の見所をチェック!!

めちゃくちゃお人好しなおっさんが主人公

 

本作の主人公はおっさんだけど、読者から超好かれるタイプのおっさんです。タイトルにもあるように徳を積むタイプの人格で、とにかく困っている人を放っておけないタイプの性格はファンタジー作品の主人公としてはちょっと頼りないような気がするものの、このキャラを嫌いになる人はいないでしょう。

実際にこんな感じの人がいたら「一周回ってむしろ不気味」くらいに感じそうだし、あるいは「寄付をした人に対して偽善というような穿った見方」をしてしまいそうなもんだけど、そういうのが一切ないのは凄いです。

簡単に手に入るポーションを集めて生計を立てている下位ランクの冒険者が、超超超レアなアイテムを見つけるも本当に困っている相手に無条件でそれを渡すっていうのは、ぶっちゃけこのご時世にファンタジー作品でもなければお目にかかれない出来事だと思います。

見返りを要求することもなく、下心があるわけでもない。まさか漫画を読みながら心が洗われるとは思わなかったよね。

 

パラメータ:運の良さMAX!?

 

とにかく善行を積み重ねまくっている主人公だからこその展開に見応えがあります。例えば自分が困っている時に手を差し伸べてくれた人に対しては、誰しもが「お礼がしたい」と思うはず。でも「そういうつもりでやったんじゃないですから」とか言われて、お礼を受け取ってもらえなかった場合は困るよね。

そんな時に自分の冒険者ランクが高かったりしたら、恩人にバレないように遠くからバトルの援護射撃くらいのことはすると思うし「素直にお礼を受け取ってもらえないなら、何らかの形で強引にお礼していく」くらいのことを考える人もいるはず。

そんな感じで、本作の主人公には様々な方面から僥倖があります。もちろんそれは「誰かからの意図的な援護がある」というケースもあれば、「神様は見ている的な運の要素」もありつつ、決して「正直者が馬鹿を見る」というスタイルになっていません。

このすさんだ時代にこういうハートフルな物語を読めること自体が非常に嬉しいというか、やっぱ「良いことをしたら良いことが、悪いことをしたら悪いことが巡り巡って自分に返ってくる世の中であって欲しい」って感じがします。

 

おっさん冒険者ケインの善行

たまたま助けた相手が超人で、そこからの援護がハンパないっていう展開は、誰しもが少しは想像したことがある展開じゃないかと思います。「財布を拾って届けた相手がビルゲイツだった」とかね。

童話でも「鶴の恩返し」とかがこういう展開なんじゃないかと思うんだけど、本作の場合は善行がたまたまじゃなくて「常に善行を行っていて、そのうちの1つがたまたま大当たりだった」っていう展開なんで、妬みとかもなく素直に応援できます(もちろん本人は当たりもハズレも無いと思ってる)。

割と世の中は暗いニュースだらけで、ぶっちゃけ正直者が馬鹿を見るというケースが多いじゃないですか?オレオレ詐欺だって結局はそういうことでしょ?

それでも分かりやすい部分で言えば災害時の寄付とかをしてくれる善意を持った人もいるわけで、そういう人が最終的には報われる世の中って素敵だと思うわけです。そんな世界観を漫画にしてくれてるわけだから、多くの読者に刺さると思う。

 

あとがき

タイトルでちょっと損しちゃってる感のあるファンタジー漫画です。