記事内に広告を含みます

「りゅうおうのおしごと」を読んだ感想・レビュー

 

羽生善治さんの永世七冠や超が付くほどの新鋭・藤井聡太さんの活躍により、今までにないくらいの大盛り上がりを見せている将棋界ですが、漫画人気から火が付くケースも珍しくありません。

かつてスラムダンクが流行ってバスケ部に入る人が増えたように、意外と漫画人気っつーのは侮れないもんです。まして囲碁は「ヒカルの碁」でその人気に火が付きましたから。

そういう意味で本作は将棋の火付け役、人気を更に加速させる漫画として一躍買ってくれるのではないかと。というわけで今回は、冴えない竜王保持棋士と女子小学生の弟子が繰り広げる物語「りゅうおうのおしごと(全10巻)」を紹介します。

 

 

りゅうおうのおしごと あらすじ

「のうりん」白鳥士郎が送る最新作は、「将棋」が舞台!! 史上最年少の16歳で将棋界最高位「竜王」となったプロ棋士・九頭竜八一。そしてその下に、弟子にして欲しいと押しかけた少女・雛鶴あい。苦悩する若すぎたタイトルホルダーは、将棋に真摯に向かい合う弟子を通して、自分の将棋を取り戻し……え、あいちゃん9歳なの? JSじゃんJS!! で、八一と同居してんの? そして夜な夜な、朝まで、え?え? おまわりさーん、こっちでーす。そんなカンジ(?)の、マンガ版『ガチ将棋押しかけ内弟子コメディ』

 

りゅうおうのおしごとの見所をチェック!!

史上最年少竜王とその弟子のJSが主人公

 

表紙からも察しが付くように、本作は普通の将棋漫画ではありません。将棋×幼女の融合というか、幼女とひとつ屋根の下みたいな展開のある将棋漫画です。JDとかJKはよく聞く表現だし、ギリJCまでは聞いたことがあったけどまさかJSとは…。

美少女って言っていいのか分からないけど、幼女ジャンルが好きな人にとっては「ここが入り口になって将棋に興味が出てくる」なんて展開も十分にあり得ると思います。逆に言うとここのハードルが高くて「純粋に将棋に興味を持ち始めた層が手に取りにくい」って部分もあるのかも。個人的には決して邪なアレじゃなくて、ちゃんとした将棋漫画だと思いました。

まぁ「女子小学生じゃなくて男子小学生でも良かったんじゃないの?」って部分はあるし、そこは普通に読者ウケを狙ったもんだろうけど、決してそっちに逃げた結果じゃなく、ちゃんと将棋漫画として高いクオリティを持っている作品です。

とりあえず「将棋は好きだけど、幼女が出てるっていう軟派な雰囲気が受け付けない」って感じで、本作を読まず嫌いになっている人がいたら、それは勿体ないとだけ言っておきます。

 

将棋ファンを唸らせるシーンが多彩

 

「序盤・中盤・終盤~」の一連の流れは、将棋ファンなら思わずにやけてしまうんじゃないかと思います。こんな感じで表紙からは想像がつかないほど、ちゃんと将棋漫画として成立していると言っていいです(ちょっと失礼だけど)。

棋譜はそんなに出てこないけど、将棋に興味を持ち始めた層が取っ付きやすいような工夫(例えばRPGの対戦形式に見立てて進行するとか)が見られるし、初心者にも読みやすく、かつ将棋ファンも飽きさせない将棋漫画かと。

将棋ってちょっと堅苦しい空気感があるじゃないですか?でも裏では棋士の先生たちも結構オープンだったりするし、さすがにここまでではないにしても「棋士のプライベートな一面」って感じで、普通に面白いです。

「将棋には興味がないけどJSには興味がある」という層を取り込みつつ、更に「従来の将棋ファンも飽きさせない」という…。これは結構すごいことだと思う。将棋ファンの方も安心して手に取ってみてください。

 

弟子の成長が師匠の成長に繋がる

 

最初はちょっと厄介なお荷物扱いだった弟子が、主人公にとって欠かせない存在になっていきます。

やっぱ弟子を取ると師匠として「弟子にみっともないところは見せられない」とか思うだろうし、その積み重ねが自分にとってプレッシャーにもなり、成長にも繋がるんでしょう。本作はそんな人間関係も大きな見所です。

これは何となくだけど「子の成長から色々と学ぶ親の感じ」に近いんじゃないかと思いました。大人になって忘れかけていたことを子供から教わる的な。まぁ僕には子供いないから知らんけど。

 

りゅうおうのおしごとを読んだ感想・レビュー

ぶっちゃけ最初は「将棋ジャンルに幼女を持ってくるなー」って思ったけど普通に面白いです。女の子要素があってギャグ要素も強いけど、それがテンポも良くしている感じ。少なくとも「将棋に興味を持ち始めた層の入り口」としては最適だと思う。

主人公が最年少竜王ってことで現実的には結構あり得ないレベルの才能の持ち主なんだけど、スランプに悩んでるっていうね。まぁ最強すぎない不安定な強さって部分とスランプ脱却のトリガーが弟子にあるっていう展開は、ケチをつけるほど陳腐なもんじゃないです。

師弟関係もかなり熱くて、ちょっと目頭が熱くなる瞬間も多々ありました。やっぱ師匠と弟子がただの上下関係じゃなくて、共に刺激になって成長できる関係性が素晴らしすぎます。

ちなみに本作はコミカライズ作品で原作の小説とアニメも存在しており、僕は漫画を読んでからアニメを見たけど、アニメのクオリティもめちゃくちゃ高かったから本作が気になっている人はこっちもおすすめ。

 

あとがき

続編で「めいじんのおしごと」希望。

 

 

全10巻以内で完結する面白くておすすめの漫画を紹介する

頭脳を使った盤上の戦争!!面白くておすすめの将棋漫画を紹介する