日本には2020年現在、スパイを規制する法律がありません。だからスパイとか工作員に対して「アニメや映画の成果の話では?」と感じる人も少なくないんじゃないかと思う。でも実際に海外ではスパイが捕まるのは珍しくないし、たぶん日本にもめちゃくちゃ潜伏してるんでしょう。ただ、それが見えてこないだけで。
それにAmazonのレビュー操作なんてのも、一種のスパイ行為なんじゃないかと思ったり思わなかったり。ちなみに本作は正義のために悪の組織にスパイする物語です。というわけで今回は、エロとコメディーの視点から描かれるスパイ漫画「RaW HERO(全6巻完結済み)」を紹介します。
※コミックス1巻のみネタバレを含みます。
RaW HERO あらすじ
人類の一部が“特殊能力”を手に入れた世界――。その力で正義に奉仕する者を“ヒーロー”、悪に従事する者を“怪人”と呼んだ。無職の青年・千秋は、両親に代わって弟たちを養うべく、就職活動の真っ最中。ある日、面接に向かう道中に痴漢を目撃し、思わず助けに入ってしまう。正義感溢れるこの行動が、千秋を“ある仕事”へ導く。それは「善と悪」、「虚と実」、「表と裏」のはざまだった・・・・・・!!
RaW HEROの見所をチェック!!
家族を守るために極秘任務を請け負う
本作は「貧乏一家の長男が家族を守るためにスパイになり、その潜入先で色んなゴタゴタに巻き込まれる物語」という感じです。痴漢の現場を目撃してしまい、被害者のことを助けようとしたらそれが実は痴漢プレイで、他人の趣味を邪魔してしまった挙句、肝心の就職面接にも参加できないという…。
しかしながら、痴漢プレイをしていた男性によってヒーローとしてスカウトされ、怪しさのあまり一度は断ったものの、家族を養うためにスパイになることを決意するという流れ。こんな感じで、運やタイミングの悪い展開が続きつつも、持ち前の誠実さや家族愛で幾多の困難を乗り越えていくという流れの作品です。
ボケっ放しのまま続くトンデモ展開
冒頭の「痴漢被害者を守ったつもりが、まさかのプレイ中だった」みたいな流れがずっと続きます。ボケに対するツッコミが入らず、そのまま完走するみたいな感じ。
例えば極秘任務の最初のミッションが「とある会社の面接に合格する」というものなんだけど、用意された衣装が間違えられてしまい、本来スーツで行かなければならなかったのに、女装(しかも売れない地下アイドル設定)で行ってしまうっていうね。
結果的に合格し、ここにスパイとして潜り込むことになるわけですが、潜入先では女性として過ごさなければならないわけで、変な人間関係に悩まされたり、「家では男、仕事先では女」という二足の草鞋を履いているがゆえのトラブルに巻き込まれたりします。
冷静に考えたらおかしな事態が2つも3つも続くのに、誰もそれにツッコミを入れることなく、ボケっ放しのまま続く展開は読んでいて不思議な気持ちになるでしょう。
ドキッとするエロシーンが満載
コスプレイヤーの人とかを下から撮影している人いるじゃないですか?あれをローアングラーっていうらしんですが、本作のタイトルである「RoW HERO」っていうのも、そこから来てるんじゃないかと思いました。
というのも、場面場面で下からのアングルが描かれているし、少年誌で掲載することは許されないレベルのお色気シーンが結構あります。絵のクオリティも高く、なんせ監獄学園の平本氏ですから。妖艶な雰囲気を持つビジュアルの女の子を描かせたら一級品です。
内容としては類を見ない独特な作品なんだけど、エロ+コメディーとしてしっかり成立しているし、美少女が好きな人やドキッとするエロシーンに目がないという読者におすすめです。
RaW HERO コミックス全6巻を読んだ感想・レビュー
kindleレビューが非常に好評だったので一気読みしたんだけど、個人的にはイマイチでした。確かに絵は綺麗だし、ヒーローが悪の結社にスパイとして潜入するって展開だけ聞くと、すっげーワクワクするのも分かります。
ただ、ボケっ放しでツッコミが無いっていうのは、笑うタイミングを永久的に失ってしまうというか…。シリアスな展開で下ネタとか出されても「これ、笑うところ?」って思ってしまいました。
あとはエロシーンについて。男なら少なからずも「羨ましい!」って思う部分があると思うんだけど、本作に関してはそういうのが一切なかったです。絵は綺麗だし、女の子も可愛いんだけど不思議ですね。最後は打ち切りだったのか、唐突に終わってしまって不完全燃焼の感じも残ります。ただしエロ要素は高いので、そういうのが好きなら読んでみる価値はありです。
あとがき
これが男の娘ってやつか。