僕が中学、高校と所属していた部活にはマネージャーがいませんでした。サッカー部、野球部は弱かったけど女子マネージャーがいて、それぞれ部員のかっこいい奴と付き合ってたっけ。
一方で、男子がマネージャーをするっていうのは見たことも聞いたこともなく、そういう意味では本作の設定が斬新すぎて、初めてその設定を聞いたときは度肝を抜かれたのを覚えています。というわけで今回は、超特殊な設定の青春物語「クロス・マネジ(全5巻完結済み)」を紹介します。
クロス・マネジのあらすじ
どの部活も長続きしなく、上手くいかない日々を送る櫻井はある日、一人でラクロスの練習に励む深空と出会う。そのひたむきな姿に衝き動かされ、平凡な彼の高校生活がいま、大きく変わろうとしていた――。
クロス・マネジの見所をチェック!!
女子ラクロス部のマネージャを略してクロス・マネジ
タイトルにある「クロス・マネジ」というのは「女子ラクロス部のマネージャー」という意味です。そしてそのマネージャーは、なんと元サッカー経験者の男子という…青春がクロス持って走ってきたと言っても過言じゃないくらいの設定となっています。
あ、ちなみにクロスっていうのは、ラクロスで使用するラケットみたいなやつのことです。そして本作は、ラクロスに対する事前知識がなくても問題なく楽しめます(なんなら読み終わってもどういうルールかイマイチ分からないくらいかも)。
甲子園も目指す野球部に女子マネージャーがいるみたいな展開は珍しくないけど、女子部に男子マネージャーって珍しくないですか?個人的にはこの設定だけで少し興味をそそられました。
弱小ラクロス部の成長の過程
この女子ラクロス部は部員数も足りないレベルの最弱クラスです。楽しくやれればいいという感じの中に男子マネージャーを迎え、その男子マネージャーの指導によって上達する楽しさを知ってしまったら、今度は勝ちたくなってきたという感じ。
一朝一夕で勝てるようになるわけがないし、そもそも公式戦をやるには人数が足りない…。というわけで部員を募り、今まで以上に練習に取り組むことで少しずつ強くなっていく様子が描かれています。
そもそも正しい練習の仕方も知らなかった部員たちに、ちゃんとした練習法を教えてあげれば、それだけでメキメキ成長していくことは火を見るよりも明らかです。その辺のそこまで強くない学校に対しては、すぐに勝てるようになるでしょう。
じゃあ常勝を義務付けられているような学校には…?ということで、彼女たちがどのように成長し、どこまで強くなるのかを見届けてみてください。
青春っぽいシーンの数々
男子マネージャーはかつてサッカー部の有名選手で、優れた観察眼を持っています。そのため練習のサポートとして参加していても、部員それぞれの長所を見つけるのが得意です。
強豪校ともなれば我が我がタイプも多いだろうし、そもそも他人に負けるのが嫌な奴だったり、できない自分が許せないって奴もいるんだろうけど、楽しんでやれればいいというタイプの部活動にそういう部員はほとんどいません。ちょっとしたミスで自信をなくしちゃう部員も少なくないでしょう。
そんな時に自分の優れた部分を見つけてもらえるっていうのは、たぶん死ぬほど嬉しいんじゃないかと思います。こういうシーン、本作にはめちゃくちゃ多く登場するので必見です。
クロス・マネジを読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
ラクロスっていうマイナースポーツに興味を持たされてしまうくらい、本作は非常に面白い漫画だと思います。スポーツ経験があって観察眼も優れている男子マネージャーが、女子部員たちに的確なアドバイスをすることで成長していく姿は、読んでいるこっちとしても応援したくなるほどです。
青春的な要素が非常に強いので、ラクロス漫画というよりは「部活動メインの青春譚」という気がしないでもないけど、一生懸命頑張る姿はなんでも青春っぽくなるし、まぁどっちでもいいでしょ。
今までろくに指導を受けてこなかっただけで、別に才能やセンスがないということでもないはずなので、今後どこまで強くなっていくのかに期待しています。
コミックス全5巻を読んだ感想・レビュー
本作はラクロス部を題材に描かれているスポーツ漫画ですが、ラクロス漫画というよりも青春要素の方が色濃く描かれています。当ブログではスポーツ漫画に分類してるけど、ラクロスのルールにはあまり触れてないし、言葉を選ばずに言うなら「本作のテーマがラクロスじゃなくても成立してたんじゃね?」ってくらい。
例えば「何のために部活動をやるのか」ってテーマがあったとして、部活動そのものの競技が上手くなることよりも、対人関係や心身を鍛えることに重きを置いているという感じ。
でも素直に面白かったと思える全5巻でした。ちょっと練習がきつくなって自信が持てなくなる部員が出てくるみたいな描写も、普通だとやりすぎちゃってしらけたりもするじゃないですか?そういう過剰な演出がないし、穿った見方が出来なくなるほど爽やかな作品だと思います。
あとがき
そうだ、男子マネージャーだ!!