表紙とタイトルを見た段階で、かなり期待してしまうホラー漫画です。しかも真偽のほどは不明ですが、作者の方が言うには「本作を執筆しているときに奇病にかかって休載している」ようです。
個人的には猜疑心でもって見てしまう部分が強いんだけど、内容はその辺のホラー漫画とは全然違う雰囲気を持っているように感じました。というわけで今回は、恐怖感が後遺症として残るほどのホラー漫画「後遺症ラジオ(連載中?)」を紹介します。
※本作は2018/6/8にコミックス6巻が発売されて以降、続編が出ていません(2021年7月現在)。
後遺症ラジオ あらすじ
………か……みぃ…………手手手ッ……手…て……………火………………う…しろ…に………血………ぅ…………か…影……………イタぃ……痛ぃ……た……ぃ……………こ…ぶぅわ……箱………………子…ド…モ………藁……………ハ………鋏…………テ………断…………ぎょおおおおおッ…………ぅオ……グ…シ……サッ…………………コチラハAERN-BBC、「後遺症ラジオ」デス。チューニングノ必要ハ……アリマセン。『不安の種』の作者が、再び描く“魔”の瞬間!
後遺症ラジオの見所をチェック!!
直接的な恐怖を煽ってくる場面
基本的にホラー漫画は少しずつ少しずつ恐怖心を煽って、ある瞬間で一気に爆発させるから鳥肌モノの恐怖になるのであって、一気にオチを見せたところで怖くないことがほとんどです。
…が、本作はオチから行っても怖い。上記の画像なんか伏線がなくたって怖くないですか?ちなみにこれは物語の流れがあるとマジでびびるやつです。僕は幽霊を信じていないので、こういうのに恐怖を感じることはあまりないんだけど、このシーンはゾクッとしました。
見方を変えればギャグ漫画に登場する変顔か何かに見えないかなーって思って挑戦してみたけど、やっぱ無理ですね。そして薄目にすると余計に怖い。
一見すると意味のない行動に意味があったと気付く怖さ
怪談の中には「意味が分かると怖くなる」みたいなジャンルがあるじゃないですか?本作は色んな恐怖の煽り方をしてくるんですが、中には「え?なにそれ?」という類の煽り方をしてくることがあります。
例えばいじめられている少年がいて、抵抗しようと思ったら普通はいじめっ子に殴りかかるのがセオリーです。わざわざ自分の手が折れるほど地面に叩きつけることってないでしょ。確かにいじめっこが引くことで自己防衛にはなるかもしれないけど、それ結局ケガしてるじゃんってなります。でもこの行動に真意があるとしたら…。
実は本作は非常にクセが強く、ものの数ページで終わる短編が連続するような形式になってるんだけど、あっち行ったりこっち行ったりするパターンがあったかと思えば、すぐに結果が出たりなどの緩急がマジでエグいです。
「いじめられっ子が自傷行為をする→その真相が明らかになる→幾つかのエピソードが入る→いじめられっ子の今」みたいな奇想天外な見せ方をしてくるので、この意外性なんかも恐怖に繋がっていると思います。
丁寧な恐怖と雑な恐怖
テレビで披露される怪談とかは隅から隅までちゃんと練られていて、怖がらせるポイントとかロジックがしっかりしているものばかりです。言い方を変えると「何がどう怖いかを説明できる恐怖」がほとんど。
一方で本作の場合、それこそ怪談になりそうなクオリティのものもあるんだけど、意味が分からない恐怖もあります。ぶっちゃけ意味が分からないのにゾッとするっていうのが一番怖いです。
ここは読者の中でも評価が分かれるんじゃないかと思う部分で、たぶん意味不明なまま進んで全く恐怖を感じないって人も少なくないと思います。他のエピソードでビビってるから恐怖を感じてしまうみたいな部分もあるだろうし。少なくとも僕は、もう坊主の女性ってだけで怖い。
後遺症ラジオ コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
最初は意味が分からない部分も多くて、たまに見開きページの分かりやすい絵にビビらされたりするくらいでした。で、2周目に入ったときに新しく気付く部分が色々出てきて、そこで本作が高評価になっている理由に気付けたという感じです(そこまで高評価ってわけでもないけど)。
だからぶっちゃけ「意味が分からない」って人の言い分も理解できます。なんなら僕も間違った解釈をしている場面があるだろうし…。でも「意味が分からないのに怖い」ってなってしまうと、これ以上の恐怖はないと言っても過言ではないでしょう。
少なくとも小さい子に見せたら後遺症になるくらいの絵が山ほど出てくるので、この手の漫画が苦手な人は手を出さないのが賢明です。ホラー漫画が好きという人はぜひどうぞ。
あとがき
アナログなものほど怖いよね。4Kの幽霊とか怖くないもん。
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