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「I”s(アイズ)」を読んだ感想・レビュー

I”s表紙

 

僕がまだ若い頃、めちゃくちゃ読みたかったけど恥ずかしくて読めなかった作品があります。その最たる例が桂正和氏の作品で、最も印象に残っているのが本作です。

手汗をかきやすかった僕は、ジャンプを読んでいてここだけフニャフニャしてたら嫌だなぁとか思っていて、友達からの「ジャンプ見ていい?」を警戒して本作を飛ばしていたのを覚えています。今思えば、とてつもなく勿体ないことをしていたなぁ…。

というわけで今回は、男心の表現が巧すぎる恋愛漫画「I”s(全9巻完結済み)」を紹介します。

 

 

I”s(アイズ) あらすじ

瀬戸一貴は私立湾田高校2年生。密かに恋心を抱くクラスメイトの葦月伊織と、新入生歓迎パーティの実行委員に選ばれ、打ちとけるきっかけをつかんだ。自分の部屋に初めて伊織を招いた一貴だが、そこに突然、彼を想う幼馴染み秋葉いつきが現れる…。桂正和の描く美少女の魅力があふれる純愛物語の傑作。

 

I”s(アイズ)の見所をチェック!!

高校生男子の脳内を見事に再現

I”s1

 

作者の桂正和氏と言えば「女の子を描かせたら天下一!」と言っても過言じゃないくらい、すごくそそられる女子を描くことで有名です。もちろん見た感じもそうなんだけど、それ以上に中身も伴っているので、まさに男の理想という感じ。

それでいて主人公たちが考えそうなこともリアリティがあって、同世代の男性読者ならめちゃくちゃ共感できると思うし、そういう経験を経て大人になった男性読者にも漏れなく刺さるんじゃないかと。

少年誌で可能なギリギリのラインのエロを再現してるというか、読者の想像力次第でどうにでもなりそうなシーンが多いのも本作の特徴。この年代で異性に向ける好意を巧く再現している恋愛漫画です。

 

不器用すぎる主人公に共感の嵐

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「漫画やん!」って言いたくなるようなベタベタな展開も本作なら許せます。遅刻寸前の通学路における曲がり角とか、実行委員を決めるくじ引きで気になる異性とペアになるとか…。男なら誰もが想像したであろうシーンを、クオリティの高い女子の絵でもって再現してくれているわけです。

で、陰キャ男子の内部事情みたいなものも詳細に再現してくれているので、実際に「高校時代はシャイすぎて恋愛が楽しめなかった」という男性はめちゃくちゃ多いと思うんだけど、そういう人たち全員が共感できるというか、応援したくなるシーンに溢れています。

さすがに本作の主人公ほどのこじらせ男子はいないだろうけど、だからこそ応援したくなるんですよね。小学生男子にありがちな「好きな女子に意地悪をしてしまう」ほどのアレじゃないけど、とにかく読んでて「がんばれっ!」ってなる、そんな恋愛ストーリーが最高です。

 

「これぞ青春時代!」という熱量

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単にこじらせている男主人公が、最終的に可愛い女の子と結ばれてチャンチャンという展開では、その間の根拠に乏しくて読者を惹きつけるに至りません。本作が秀逸なのは「主人公は不器用なんだけど熱い気持ちを持っていて、色んな失敗を繰り返しながらも自分の気持ちに嘘をつかない」という点です。

良くも悪くも漫画の主人公っぽくないんですよね。漫画の主人公ならもっとスマートにやるというか、純粋に「好き」だけをアピールするというか…。本作の主人公はヒロイン相手にゲスい妄想もするし、付き合ってもいないのにやきもちを妬いたり、妄想がいきすぎて勘違いもします。

それがその辺の男子高校生っぽくて、自己投影しやすいのかもしれません。青春時代に好きな子がいて、その子が先輩と付き合っているって噂だけで胸を痛めた瞬間…みたいなものに心を動かされる人なら文句なし。今すぐ読んでほしい。

 

I”s(アイズ) コミックス全9巻を読んだ感想・レビュー

「これほどまでにそそられるシーンが連続するかね!」ってくらいに魅力的な恋愛漫画です。単純に好きという気持ちだったり、純粋な恋愛感情の奥底に眠っている下心の表現も上手いし、現実と妄想の境目が分からなくなるふわふわした境界を表現するのがうますぎる。

演劇に興味がある彼女が芸能事務所に所属して…みたいな展開は、ちょっと僕の人生に前例がなかったので自分のものとして楽しむのが難しかったんですが、それを差し引いてもリアリティも感じるし、ドキドキが止まらない作品です。

「これはいけるでしょ!」って展開で失敗する主人公の姿は、乙女心の理不尽な難しさを表しているものの、それこそが恋愛の難しさであって大人になるにつれて忘れしまう感情だと思いました。青春真っただ中の男性読者にはもちろん、大人の方も青春時代を思い出してキュンとできるはず。

 

あとがき

特に接点がないうちから相手の女の子が自分の下の名前を知ってくれていて、それがチーム名になるってだけでもうお腹いっぱいなんですけど案件。

 

 

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