似たような設定の漫画が出てくると「〇〇のパクリ」と言われてしまうのは、面白いか面白くないかは別にして、もはや漫画の宿命と言っていいでしょう。それは長編サッカー漫画として高い人気を誇った本作にとっても例外ではありません。
僕は本作を初めて読んだとき、純粋に「ルーキーズのサッカー版」って思ったし、今後もしヤンキーがサッカーをやる漫画が出てきたら、その度に「エンジェルボイスのパクリ」って言われるんじゃないかと。
いずれにしても本作が持つ熱量は相当なものだし、これほど熱くなれるサッカー漫画はまずないでしょう。というわけで今回は、魂を揺さぶる熱いサッカー漫画「ANGEL VOICE(全40巻完結済み)」を紹介します。
ANGEL VOICE(エンジェルボイス) あらすじ
ケンカだったらレアル相手でも楽勝!! 腕に覚えのある“ワル”が集まり、“県内最強軍団”と皮肉られる市立蘭山高校サッカー部。その奇跡の物語が始まる。熱き心を取り戻せ!! 本格高校サッカー巨編!!
ANGEL VOICE(エンジェルボイス)の見所をチェック!!
不良たちが真剣にサッカーに打ち込む姿
本作の表現として最適かどうかは微妙だけど、一言で言えば「サッカー版のルーキーズ」です。サッカー部が不良の巣窟と化していて、先生たちも「今あるサッカー部を廃止してから新たなサッカー部を立ち上げたい」と言うほど。
そんなサッカー部を1人の教師が中心となって再生させていくという感じ。最初は部活として全くと言っていいほど機能していないこともあり、新入生を口説き落とすことから始まります。このサクセスストーリーがたまりません。
もともと素質のある人間も揃っていて、運動能力は高い人材が集まっているとは言え、今までサボってた人間たちが急に勝てるようになるわけもなく…。色んな挫折を繰り返しながらも、不良仕込みの根性で乗り切っていくという熱血サッカー漫画と言えるでしょう。
監督の人柄に惹かれて集まってくる部員たち
本作の主役はサッカー部員たちと監督を務める先生です。少年漫画らしい展開として、学校から「県大会でベスト4に入れなければ廃部」という条件を出されます。
そもそも部活として機能していないサッカー部を機能させるために、まずは新入部員の確保から始め、それに刺激を受けたサッカー部員たちを少しずつサッカーの世界に引き戻していくという展開です。
元からサッカー部に所属していた生徒の多くが「サッカーの上手い不良」ということで、後輩に好き勝手やられてイラつく先輩部員…みたいな衝突も見所があるし、熱くなる展開が山ほど待っています。
しかし何といっても、最終的にサッカー部をまとめ上げるのは監督です。県内ベスト4の条件を飲む度胸もそうだし、不良たちにも全身でぶつかっていく先生の姿に心を揺さぶられない読者はいないはず。
少し大袈裟な仕上がりが最高
スポーツ漫画にはリアリティ志向なものと、現実には考えにくい魔法系の2種類が存在します。さすがに完全なリアル志向な作品は少ないけど、まぁちょっと盛ってるくらいの作品が多いじゃないですか?「あと2センチ上だ」みたいなやつ。
本作はリアル志向とは言えないものの、完全な魔法系とも言い難く、程よくエンターテイメントという塩梅です。「ケンカならレアルに勝てる」とか「そこそこの強豪校相手に11人抜き」とか。少なくともシュートしたボールが、炎に包まれたりってことはありません。
個人的にはそこまで茶化すような感じでもなく、真剣に読める魔法系のレベルをギリギリ再現しているという印象を受けました(個人的な基準です)。
ANGEL VOICE(エンジェルボイス) を読んだ感想・レビュー
とにかく熱いサッカー漫画です。最初の設定でもある「不良たちが真剣にサッカーをする漫画」と言われて、多くの人が想像した通りの作品だと思います。良くも悪くも裏切りのない超王道という感じ。
でも普段から意見の不一致とかで殴り合ったりするような不良たちが、試合になった瞬間に共通の敵を倒すために手を組む的な展開は、予想できているにもかかわらず胸を熱くさせられてしまいます。これは予想を裏切る展開よりも、読み手側が用意したハードルを越えてくると言っても過言ではありません。
ヤンキー要素とサッカーが上手く嚙み合って、高い熱量を発揮しているサッカー漫画です。魂を揺さぶられるようなサッカー漫画を求めている人には、文句なしにおすすめ。
あとがき
あの歌声に応えよう。
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