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「いじめるヤバイ奴」を読んだ感想・レビュー

いじめるヤバイ奴表紙

 

最初の数ページを読んでいるとマジでやばい胸糞悪い系の漫画なんだけど、その印象はすぐに180度変わってしまう漫画がこちら。いじめがテーマになっていて少なくとも健全とは言えないんだけど、こういう漫画は今までにありませんでした。

ジャンルを決めるのがとにかく難しく、個人的にはギャグ漫画じゃないかなって思ってます。というわけで今回は、とりあえず1巻を全部読んでから判断してほしい「いじめるヤバイ奴(連載中)」を紹介します。

物語の設定に関するネタバレがあります(あらすじで明かされる程度のものです)。

 

 

いじめるヤバイ奴 あらすじ

ただの「いじめ」ではありません。仲島は、クラスに君臨する「いじめっ子」。いじめの対象は儚げな女の子・白咲さん。暴虐の限りを尽くし、彼女は毎日いたぶられた。憑りつかれた様にいじめる仲島は、どこか狂っていた。──そう、狂っていたのだ。この「いじめ」の真相。仲島は、「いじめ」を強要されていた。いじめられっ子の白咲さんによって。加害者になるという未知の恐怖。悲劇とは、彼のことを言うのだろう。

 

いじめるヤバイ奴の見所をチェック!!

胸糞悪くなるいじめの展開

いじめるヤバイ奴1

 

ぶっちゃけ胸糞悪くなるようないじめのシーンを連続で見せられて、気分が悪くならない人はほとんどいないんじゃないかと思ってるんだけど、本作では読み物として割り切っていたとしても相当しんどい内容のいじめが展開されます。

ハッキリ言って現実に起きていたら間違いなく問題になるレベルのやつで、ドラマとか多くの人の目に触れることを前提に作られているコンテンツの中では、マジでキ〇ガイと言っても過言ではないくらい最高峰のレベル。

ぶっちゃけ僕はものの数ページで「これ読めるかなぁ…」ってくらいに日和ってたんだけど、ごく一部のサイコパス的な読者に受けているにしちゃあ評価がいいなぁということに気付き、そこから読むことができました。いじめがテーマになっている以上、面白いとは言いにくいんだけど、少なくとも設定はめちゃくちゃ面白いです。

 

一般的ないじめの斜め上

いじめるヤバイ奴2

 

例えばクラスでいじめがあった時、いじめてる奴が悪いっていうのは満場一致だと思います。しかしバラエティ番組なんかのノリは「いじめじゃなくていじり」と言われているように、どこからがいじめなのかっていうのは線引きが難しいものです。

暴力は良くないと言いながら、ジョークを言ったときに頭を叩かれることのすべてが暴力になるというわけではないし、そこで重要なのは「本人がどう感じているか」という部分と言えるでしょう。もちろんそんなのは、恐怖で本音を押さえつけるくらいのことはするだろうから、周りで見ている方も難しいよね。

ここで1つ。「一見するといじめられている側が、いじめているように見える方に対して、自分をいじめることを強要している」とすれば?「俺(私)をいじめなきゃ殺すぞ」みたいなのがあったら?実際にそんな設定が起こりうるのかは不明だけど、それが実現するんだとしたら「いじめているように見える側が実は被害者」みたいなことになります。本作はそんな入り組んだお話です。

 

いじめられっ子を助けるヒーローが水面下では…

いじめるヤバイ奴3

 

例えば「ガラの悪い集団に袋叩きにされている男性がいて、それを助けるかどうか」という局面に立たされた時、普通の人なら見て見ぬふりか、あるいは警察・救急車を呼ぶという感じになると思うんです。で、一部の勇敢な人は止めに行くんじゃないかと思います。

そこで袋叩きに合ってた方が急に立ち上がって「お前、俺の楽しみを邪魔すんじゃねえよ」的な感じになったら、助けた方も唖然とするじゃないですか?親切心でやったことが大きなお世話になってるっていう…。

本作もそんな感じで、いじめを見過ごせないという勇敢なクラスメートが出てくることによって、場の空気が一変します。本来ならいじめを防止するための勇気ある行動として称賛されるべきなのに、いじめっ子もいじめられっ子もそれを望んでいないという展開。なんか頭がこんがらがってきますが、この時に水面下で行われているいじめっ子といじめられっ子の駆け引きが大きな見所です。

 

いじめるヤバイ奴 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

世の中には「SかMか」みたいな話があって、痛いのが好きとか虐げられるのが好きっていう人も少なくないわけです。それが行き過ぎた結果って考えると、まぁ無くはない話だと思いつつ(一般的な学校生活においては、こんなことは無いと断言してもいいんだろうけど)、中にはそれを望む人もいるんじゃないかと思いました。

特にMの人の話を聞いていると「サービス料を払わされたのに何もサービスしてもらえなかった」みたいな、一見すると詐欺のような行為にも喜ぶ人がいるわけで、これをサービス受ける側が詐欺だと思ってなければ問題ないじゃないですか?それを第三者よりも遠い外野が、詐欺だなんだというのもお門違いなわけです。

根っから真面目な人が本作を読んだ場合、恐らく気分を害する以外の何物でもありません。でもあくまでフィクションとして楽しめる人にとっては、「いじめているように見える方が実はいじめられている」的な展開は、高度なギャグ漫画に思えるような魅力があると思いました。…健全な漫画ではないけど。

 

あとがき

いじめる側もいじめられる側もやべー。

 

 

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