世の中には色んな趣味がありますが、その中でも異色なのが「自転車」ではないでしょうか。だって休みの日にわざわざ肉体を酷使して辛い思いをするんですよ?
自転車に興味がないって人からすれば「なんで?」以外の何物でもないと思うんだけど、これこそが自転車の楽しみの1つだったりするわけで…。本作はそんな自転車の魅力が存分に詰まった作品です。
というわけで今回は、滋賀の三姉妹による自転車旅の魅力が詰まった「びわっこ自転車旅行記(連載中)」を紹介します。
びわっこ自転車旅行記 あらすじ
東京⇒滋賀450Km走破!!東京在住の三姉妹が自転車での帰省を計画。実家はなんと滋賀県!!このロード、どうなる!?作者の実体験を元に描かれた人気作が発単行本化!!
実はコミックスの1巻のみが「びわっこ自転車旅行記」という無印タイトルで、2巻以降は「〇〇編」という形式になっています。一応kindleで探せば1巻、2巻…という感じでナンバリングされてるけど、一見すると順番が分かりにくいかも。
ちなみに無印の1巻に主役の三姉妹の説明が入るので最初に読んだ方がいいと思いますが、それ以降はどこから読んでも大丈夫そうです。
びわっこ自転車旅行記の見所をチェック!!
三姉妹が自転車で旅をする物語
自転車をテーマにした漫画ってことは表紙を見れば明らかなので、琵琶湖周辺で自転車を楽しむ系の漫画かと思いきや、実家が滋賀にある三姉妹が日本全国(たまに外国)を自転車で旅するという内容の漫画でした。
美人三姉妹が主人公ではあるんだけど萌え要素とかエロ要素では勝負しておらず、あくまで作者の実体験に基く旅物語という感じ。自転車乗りで特に地元から他県まで旅をしたり、地方一周なんかをしてる人にはめちゃくちゃ刺さる自転車漫画だと思います。
自転車で旅をすることが目的で観光を目的としていないので、各地方の名産品やおいしい料理、お祭りなんかはサラッと触れて終わりってことが多いけど、その分ちゃんと自転車要素が濃くなっているのでご安心ください。
自転車あるあるや細かい解説あり
自転車乗りなら誰しもが犯す失敗が惜しげもなく披露してくれています。たぶん自転車が趣味だという人なら、誰しもが一度は通ってきた道じゃないかと。
こういう苦い失敗も楽しい要素だったりするから、自転車好きによる漫画の多くは「こういうトラブルすらも面白く描く」という部分が大きい気がするんだけど、本作では自転車の厳しさなんかも淡々と事実を描いているという感じ。
これから自転車に挑戦しようと思っている人にとっては少なからず経験値になる部分も多いし、楽しいことばかりじゃないって部分を見ておくことは良いと思います。というわけで自転車に興味を持ち始めているという読者にもおすすめしたい自転車漫画です。
笑えるポイント、パロディーネタも
所々に有名漫画のパロディーネタなんかが投下されていて、楽しく読み進めることができます。自転車に限らずスポーツ経験者ならほとんどがそうだと思うけど、疲れてくると頭が働かなくなってきて変なことを考え出したり、変なテンションになったりしませんか?
本作は気心の知れた三姉妹が主人公になっているので、疲れすぎて限界が近くなってきた時の変なノリみたいなものも息がぴったりで、トリオ芸を見ているかのような錯覚に陥るくらいです。
まぁパロディーネタは元ネタを知らないと笑えないっていう諸刃の剣みたいな部分はあるけど、本作に登場するそれは割とメジャーなものばかりなので多くの人が理解できるんじゃないかと思います。
びわっこ自転車旅行記 コミックス序盤を読んだ感想・レビュー
熱量があるという感じでもなく、自転車好きな作者による「ね?自転車って面白いでしょ?」というような押しつけがましさもなく、淡々と自転車の旅についての経験談を描きあげているという感じ。
主観がないって言ったら悪く聞こえるかもしれないけど、僕としては非常に褒めていて、自転車の良さも悪さもちゃんと俯瞰的に見て描かれているように思いました。コミカルに描かれていますが、非常にリアリティがあって読み応えばっちりです。
自転車好きなら本作を読んで自分の経験と照らし合わせて楽しめるし、これから自転車を始めたいという読者にとっては自転車の本来の姿が見られるという感じ。変な脚色もなく理想の姿みたいなのじゃないので、これを読んでも「自転車やってみたい」って思うのであれば良い趣味になりそうな気がします。自転車が好きな人、自転車に興味がある人におすすめ。
あとがき
自転車に乗ると車が嫌になるし、車に乗ると自転車が嫌になる。