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「理系が恋に落ちたので証明してみた。」を読んだ感想・レビュー

理系が恋に落ちたので証明してみた。表紙
Ⓒ理系が恋に落ちたので証明してみた。

「人はなぜ恋をするのか」みたいな問いかけがあったとしたら、大抵の人は「そこに恋愛感情があるから」みたいな返しをするんじゃないかと思います。いっそ素直に「わかりません」って答えるのが最も美しいような気がしないでもないです。

それを本作では無理やり証明しようと試みます。本能的なものを理屈で証明しようとする行為は不毛なんだけど、当の本人たちは真面目にやっていることもあってこれがめちゃくちゃ面白いんです。

というわけで今回は、理屈家の面倒くさい展開が面白いラブコメ「理系が恋に落ちたので証明してみた。(連載中)」を紹介します。

理系が恋に落ちたので証明してみた。 あらすじ

「……私、貴方のこと好きみたい」「よし! この恋、証明するぞ!」研究に情熱をそそぐ、理系女子と理系男子がもし恋に落ちたら? 個性的な理系達が集う大学の研究室を舞台に、山本アリフレッドが描く、笑いありキュンキュンありの『恋の定義から始まる』実験理系ラブコメディ登場!! 『理系女子』×『理系男子』=理ア充!?

理系が恋に落ちたので証明してみた。の見所をチェック!!

理屈じゃない恋愛を理屈で解く

理系が恋に落ちたので証明してみた。1
Ⓒ理系が恋に落ちたので証明してみた。

恋は理屈じゃないなんて言われますが、本作では「なんとかこの恋心を証明しよう」というような展開になっています。ドキドキするのであれば心拍数を計測し、様々な検証を行ったうえで「なぜドキドキしたのか」について掘り下げていくという感じ。

上記画像は「なぜ彼に好意を持っていると判断したのか」みたいな要素が円グラフになってるんだけど、サラッと描いてる割には恋愛漫画の根底を揺るがしている感すらあります。通常の恋愛漫画ならその辺の要素をふんだんに使ってストーリーを練り上げていくのに…。

これが恋愛オタクっぽい雰囲気を醸し出していて、良い意味でめちゃくちゃ面倒くさいんです。読者がみんな「そんなんどーでもいいだろ!」って突っ込まされてしまう空気感とか、見ていて不快にならないタイプのバカップルみたいで楽しめるでしょう。

いわゆる賢い人が言いそうなボケが面白い

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Ⓒ理系が恋に落ちたので証明してみた。

まぁ恋を証明するっていうテーマがあるから「理系」というキーワードを使ってるみたいで、漫画の内容自体はそこまで理系っていう感じはないです。どっちかっていうと「学者」とか「勉強をしすぎてそれ以外を全くしてこなかった人」という印象を受けました。

恋に興味を持たずに勉強ばかりをしてきたから、異性と会話している時のふとした仕草に違和感を感じて「これが恋なのか!?」みたいな。中学生くらいならそれを認めるか認めないかっていう部分が重要になってくるのに、本作では下手に証明しようとして気持ちに折り合いが付けられない様子を面白おかしく描いています。

数学の授業でやたら出てくる「A´(エーダッシュ)」みたいな言葉が飛び交うのも本作ならでは。理屈っぽい物言いが好きだという人なら間違いなく楽しめるラブコメ漫画です。

理詰めでくるかと思いきや感情論も使ってくる

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Ⓒ理系が恋に落ちたので証明してみた。

自分たちの恋愛感情には徹底的に根拠を求めて証明しようとするくせに、意外な部分では理屈よりも感情を優先したりする部分も本作の大きな面白ポイントです。例えば「手料理」なんかには、感情的な部分が大きく出てきます。理論上、栄養的なものとか作る人の技術が同じであればAもBも大差ないと思うんです。

プロの料理人同士が料理対決をしたなら、食べる人の好みとか料理人の技術によって賛否が出てくると思うんだけど、これがじゃあ若い女の子と筋肉隆々のおっさんが作った物を比較したら、多少味が落ちたとしても前者の方が美味しく感じるなんてことは往々にしてあるわけです。

ここは感情論だけで納得してるけど「これを何とかして証明してみよう!」みたいなものが本作のコンセプトなので、そりゃ面白いよなぁというのが僕の感想であり、本作が人気の理由なんだと思います。

理系が恋に落ちたので証明してみた。 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

理屈っぽい感じがめちゃくちゃ面白くて、個人的にはすごく好きです。心理戦とはまた違うんだけど「かぐや様は告らせたい」とか「金剛寺さんは面倒臭い」に近いような印象を受けました。

世の中には「そういうものだって思った方が楽なもの」がいっぱいあって、そのうちの1つが恋愛感情だと思うんです。それを理屈で理解しようとすると雁字搦めになるわけで、それを1人でやってたら独りよがりの痛い奴なんだけど、本作の場合はカップルになりそうな2人が一緒になってやってるから微笑ましく読むことができるという感じ。

理屈っぽい展開が楽しめるという人には文句なしにおすすめしたいラブコメ漫画です。

あとがき

頭の良い人がバカバカしいことを全力でやる面白さよ。