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「トーキョーバベル」を読んだ感想・レビュー

トーキョーバベル表紙

 

これまでにも「塔」を登る系のゲームとかは数多くあったと思うんですが、それぞれに明確な目的があったように思います。例えば「塔の最上階に魔王がいる」とかね。

そういうのが無しに突如として塔が現れたってなったら、まず「なんで?」って思うじゃないですか?そういう興味心を刺激しつつ、迫力あるバトル・サバイバルに展開した漫画があるんです。というわけで今回は、謎だらけの塔を舞台に始まるバトル漫画「トーキョーバベル(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

トーキョーバベル あらすじ

その巨大な塔“バベル”は、ある日突然、東京の街に出現した――。「目立たないのが一番」が信条の高校生・大牙。
消息を絶った自衛隊員の姉を追って”バベル”を登ることを夢見ながらも、その毎日は退屈で、平凡で。ーーしかし、とある日を境に、大牙に「戦いの時」が訪れる! 少年よ、その”塔”で、抗い生きろ! 掴み取れ!

 

トーキョーバベルの見所をチェック!!

突如として現れた高さ5kmの塔

トーキョーバベル3

 

本作は東京湾に突如として出現した、高さ5kmにもなる塔を舞台にして巻き起こるバトル・サバイバルです。実態は完全に不明なうえに宇宙人襲来説やらアメリカ軍陰謀説なんかが囁かれていて、もう完全に都市伝説化しています。

で、未公開の入り口があってそこから自衛隊や米軍が調査に入ったけど、誰も戻ってこなかったがためにパンドラの箱として扱われているという状況。もっと言えばその自衛隊の先発隊に主人公の姉がいて、その姉に導かれるような形で主人公がバベルに足を踏み入れていくという感じの物語です。

まずこの設定にワクワクしない人がいるんだろうかってくらいに、序盤から大々的に大風呂敷を広げている感じがしました。でもそのハードルの高さに答えるかのように急展開に次ぐ急展開を見せてくれるバトル・サバイバルと言っていいでしょう。

 

塔に蔓延る魔物と仲間たち

トーキョーバベル2

 

意味不明なまま塔の中に導かれる主人公ですが、まぁ塔の中が安全なわけもなく…。本作には急に謎の生き物に襲われるというパニック・ホラー的な要素も含まれています。

その生き物は「天使」と呼ばれていて正体は不明です。恐らく塔を作った人物と関連性があるものと思われますが、序盤の時点では謎に包まれており「果たして天使の正体とは?」みたいな部分も大きな見所となっています。

そして塔の中には主人公よりも先に導かれている仲間たちもいて、彼らと協力をして天使たちと戦っていくっていう感じ。もうこの段階で先に入った自衛隊が生きているフラグも立ったし、姉との再会も見えてきそうな気がしました。仲間の個性も際立っているので、仲間同士のトラブル1つを取っても退屈しない展開が楽しめます。

 

塔の中では書いた文字が具現化する

トーキョーバベル1

 

塔の中にはファンタジー要素があって、それは「書いた言葉が実体化する」というもの。炎って書けばそこに炎が出現するし、穴って書けばそこに穴が出現します。これは主人公だけの能力というわけではなく、塔全体が持っている特徴です。だから男女関係なく「いかにこの能力を上手く使っていくか」が生存のカギと言えるでしょう。

ただし幾つかのルールがあって、例えば「炎」を具現化するには書いた人物のイメージによって強さが変わるという設定があります。消防士なら多分めちゃくちゃ強い炎が出せるだろうし、料理人なら美味しい食事を簡単に出現させられるっていう感じ。

一見すると何でも出来そうだけど意外と応用力が求められる能力なので、読みながら「自分だったらこーするあーする」みたいなのを含め、主人公たちと一緒になって楽しむことが可能です。

 

トーキョーバベル コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー

最初の設定がめちゃくちゃワクワクするし、書いた文字が実体化するっていう能力が想像しやすいっていうのが面白く感じた要因だと思います。

実体化する大きさや強さみたいな部分の検証もそうだし、拳銃を出そうにも「構造を理解できていないと出せない」みたいな設定は上手くやったなぁと感心しました。逆に言えば銃を作ったり、分解・結合できる人なら出せるってことだからね。自衛隊員なら出せるってことだもんね。

絵も綺麗でバトル展開も面白いし、天使たちとのバトルだけじゃなくて仲間割れみたいなのもあってお腹いっぱい楽しめる全3巻です。ただ、最後は打ち切りだったのかな…。ラスボスみたいなのが出てきたかと思ったら一瞬で終わるし、姉がどうこうの伏線は未回収のまま本編が終わってしまうのが残念でした。

でも姉のこととか忘れるくらいに、面白かったっちゃ面白かったような気がします。冷静になって考えると打ち切り感はあるけどそこまで気にならない着地だと思うし、謎要素のあるバトル・サバイバルが好きな人にはおすすめです。

 

あとがき

高さ5kmってどんだけよ。

 

 

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