タイトル的にも「ちょっと奇をてらったグルメ漫画かな?」って思ったけど、それが勘違いだったことに気付くまで、そう時間はかかりませんでした。
本作はジャンルに分類するならダークファンタジーです。しかも結構なエログロ要素が詰め込まれているダークファンタジーと言っていいでしょう。
読む人を選ぶとは思いますが、ダークな世界観が好きな人ならハマてしまうかも。というわけで今回は、殺人者を相手にしている料理店を描いたダークファンタジー「DINER(連載中)」を紹介します。
DINER あらすじ
本作の主人公・オオバカナコ(25歳)は、報酬30万円に釣られて闇バイトに手を出した。「軽リスクあり」という忠告はあったが、手取り14万円ほどの彼女にとって1日で30万円もの大金を稼げる仕事は魅力的だったため、参加することを決める。
その結果、強盗の片棒を担がされ、気付いたらヤクザに捕まってオークションにかけられることに。若い女ということもあり、いくらでも買い手が見つかるかと思いきや、殴られたことによって顔がボコボコだったせいか買い手は現れなかった。
「売れない以上、生かしておく意味もない」ということで、山に埋められそうになった寸前、彼女に買い手が現れる。しかしその買い手は、命の恩人と呼ぶにはあまりにもクセの強い人物だった…。
DINERの見所をチェック!!
第二の人生が殺し屋専門の料理店のウェイトレス
相手がヤクザとは言うけどヤクザって感じのヤクザじゃなくて、もう完全に強大な闇組織って感じのとこに捕まって一命をとりとめたっていう展開があるなら、その先に向かう場所なんてそこまで地獄じゃないと思うじゃないですか?
もうね、助かったのが幸運だったのか、それとも救われなかった方が幸運だったのかってのが分からなくなるくらい過酷な運命が待ち受けてるんです。
簡単に言うと「殺し屋を相手に商売している料理店でウエイトレスをやることになる」んだけど、ここではカナコが九代目。先代や先々代は、客への不手際で殺されてしまったっていうね。
掃除なんかの雑用もしっかりとこなさなきゃいけないようなので、客はもちろん店長(オーナー?)に対しても配慮していかないと、また命を落としてしまうような危機にさらされてしまうというプレッシャーが見応えありです。
異常なまでの客層
殺人者を相手にしている料理店だってことは理解したけど、まさかこんなクセの強い客がくるとは…。例えば上記画像の大男、女連れで来店したかと思えばその女は戦利品、いわば先ほど殺してきた相手から奪い取ってきた女のようで、おもちゃみたいにして扱っています。
というのも、笑顔を絶やした瞬間に骨を折るらしい…。こ、こえぇ。こんな感じの客がエピソード毎に店を訪れます。そしてそんな客が店で暴れた時、店長はそれを解決できるだけの力を持った人物であるということも意味しています。…僕だったら生きてる心地がしないな。
客同士のいざこざ
毎回、客とウエイトレスが揉めるとか、客と店長が揉めるというわけではなく、客同士のいざこざに発展することも少なくありません。そりゃそうか、殺人者同士だし。で、それが思わぬ形に発展することがあるんです。例えば「ギャンブル対決」とか。
ここで登場した「スカルジャック」は、ブラックジャックに負けたプレイヤーが刃物のようなコインを口の中に入れて、最終的な順位でトップがビリの顔面をぶん殴るというもの。
僕はこれを初めて見た時、大好きなギャンブル漫画でもある「嘘喰い」のような展開に胸が躍りました。特にイカサマどうこうっていう細かい描写や伏線があるわけじゃないけど、こういった単純な殺し合いじゃないシーンも少なくないので、アクセントとして面白いです。
DINER コミックス序盤を読んだ感想・レビュー
結構グロい描写が出てきます。そしてエロいシーンも少なくないです。でも料理店という設定ならではの「客が料理を欲している理由」みたいな部分にドラマがあったりして、単なるデスゲームとかエログロを全面的に出している漫画とは全く異なった作風になっていると思う。
例えばワンピースの序盤の方でも、サンジが海賊に料理を振る舞ったシーンがあったけど、あの時もギンとサンジの間にドラマが生まれたじゃないですか?そんな感じの感動ではないけど、物語が派生する感じは面白い部分だと思います。
kindleのレビューを見ると、まぁ件数は付いてないけど悪くないという感じ。ただ、原作が小説で「小説の方が面白い」っていう意見が散見されました。僕は小説を知らないから比べようがないけど、原作とは主人公の年齢にも隔たりがあるようです。ちなみにコミックスの方しか知らない状態で読む分には、普通に楽しめると思います。
あとがき
注文じゃなくて、血の気が多い料理店。
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