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「8月アウトロー」を読んだ感想・レビュー

 

アウトローって言葉にはちゃんとした意味もあるんだけど、ある種の和製英語みたいな部分もありまして…。僕らがアウトローって言うと、ちょっと不良っぽいというか「普通の人と比べて危険な奴」みたいな感じじゃないですか?

格闘技界で強くて生意気な若い選手が出てきたら「○○のアウトロー」って呼び名が付くことも少なくないんじゃないかと思います。でも英語で言うところのoutlawには「無法者」って意味があって、僕らがイメージするようなカッコイイ感じじゃないんですよね。

まぁ常識では計り知れないって部分は同じだけど。というわけで今回は、常識破りの高校球児が大活躍する野球漫画「8月アウトロー(全4巻完結済み)」を紹介します。

 

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8月アウトロー あらすじ

 

アメリカのU-14で「全米No.1」と呼ばれた日本人投手がいた。彼は多くの球数を投げることで、自分がより強く成長できると信じており、1球でも多くの球を投げることにこだわっている。

しかしベースボールの本場では、8歳の50球から17歳以上は105球という球数制限が徹底されており、プロでもいくら調子が良くても先発投手がそのまま完投勝利ということは極めて少ない。

少しでも長く投げたかった彼は、日本の甲子園には球数制限がないことを知って胸を躍らせた。そして彼は、自身の次のキャリアに日本の高校野球という舞台を選択することとなる。

 

8月アウトローの登場人物

日高 悠昂

 

本作の主人公にして、アメリカのU-14で全米No.1と呼ばれた日本人投手。体格にも恵まれていてバッティング能力も高く、闘志を剥き出しにするタイプの選手である。

日本語は話せるが敬語の概念をあまり理解しておらず、先輩相手に馴れ馴れしくしてしまうことが多いが、言われる先輩たちよりもそれを本人が1番気にしている。

 

鬼木 利一

 

帝釛高校野球部のキャプテン。アウトローだらけの野球部の中で唯一と言ってもいいくらいの真面目キャラ。野球部が廃部に追い込まれてからもずっと1人で野球を続けてきた。どこでも守れる器用さを持っているが、レギュラーになるのはやや厳しいという実力の持ち主。

 

先輩部員たち

 

野球部が廃部に追い込まれてから、野球を辞めてしまった部員たち。世間からのバッシングなどを受け、やむを得ずに野球を諦めた者ばかりで、心の奥底では再び野球ができるようになることを願っていた。

悠昂が帝釛高校野球部に入部し、かつての野球部の輝きを取り戻そうとしている姿に感化され、1人ずつ野球部に戻ってくることとなる。

 

8月アウトローの見所をチェック!!

アメリカ→日本という逆輸入のスタイル

 

普通は、日本で活躍した野球選手がメジャーリーグに殴り込むってのが王道パターンです。それが本作では、全米No.1と呼ばれるような選手が逆に日本に野球をしに来るっていう、通常の野球漫画にはあまり見られない大きな特徴があります。

その理由が「弾数制限に縛られたくない」っていう危ういものではあるんだけど、よくある感じの野球漫画でも掟破りの1項目を加えるだけで、全く新しい野球漫画になり得るんですよね。そういう部分にも注目して読んでみて欲しいです。

 

線が細かい絵

 

ほとばしる躍動感という表現がピッタリの迫力ある絵です。野球漫画で絵が上手くないってのは致命的だと思うけど、そういう感は全くありません。バッティングで球を叩く時の迫力もすごいし、ピッチングで球がキャッチャーミットに吸い込まれるような感じは本当にすごい迫力を感じます。

漫画だからちょっと誇張していて、キャッチャーミットが「プスプス」言いながら煙を立てるような感じだけど違和感は感じないんじゃないかと。表情の作り方も上手くて感情がストレートに伝わってくるのも良い感じです。

 

仲間が徐々に集まってくる感じ

 

本作の大まかなストーリーとしては、ほぼルーキーズと似たような感じです。ルーキーズに限らず日本のスポーツ漫画では割と使い古されている初期設定って言った方がいいかも。

早い話が「野球部が廃部に追い込まれてもう野球部を辞めた連中(あるいは籍だけ置いている幽霊部員)が、主人公の熱量に魅せられて徐々に野球部に戻ってくる」的な展開です。「うわー、こんなん何回も見たわー」って思いながらもやっぱ面白い。面白いのがわかってるからそういう作品が多くなるっていう、いわば自然な流れですよね。

しかもその仲間たちが「中学校時代の全中メンバー」とか「超高校級」ってあたりやっぱ漫画って感じはするけど、主人公が1年生のうちに夏の甲子園での活躍を目指すんならそんくらいやらないと難しいですから。個人的には「ロールプレイングゲームで少しずつ仲間を増やしていく感覚」みたいな感じで、すごく楽しめました。

 

8月アウトロー コミックス全4巻を読んだ感想

まず最初に言っておかなきゃならないのが、本作は打ち切られてしまった作品であるということ。4巻の途中から一気に展開が早くなって多くの読者は唖然としてしまうでしょう。時期的には4月に主人公が入学して野球部の夏は8月には終わるわけだけど、コミックス4巻の始まりまでは4月とか5月上旬くらいだったんじゃないかと記憶してます(勘違いだったらごめんね)。

1巻~4巻の頭までで1ヶ月くらいの期間を書いてるのに、第4巻の後半で一気に3ヶ月を描くって感じになってるから、どうしても「うわぁ…」って感じがしちゃいました。まぁ打ち切りになっちゃったもんは仕方ないから、それはさておき…。個人的には逆輸入でスーパープレイヤーが甲子園を目指すって展開に斬新さを感じたし、ワクワクする展開だったと思います。

あとはルーキーズなどで既に実証されている、仲間たちが徐々に集まっていく感じも生きてるし、普通に面白い野球漫画でした。なんで打ち切りになったのかが謎。「既視感があるから」とかかなぁ。

読み始めた当初は「球数が増えてケガ→それでも頑張って投げる→美談」みたいになるのが心配だったけど、幸か不幸かそういう感じになる前に終わっちゃいました。絵が綺麗な漫画家さんなので次回作に期待したいと思います。

 

あとがき

この駆け抜け方こそがアウトロー。

 

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