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「LOOP THE LOOP」を読んだ感想・レビュー

LOOP THE LOOP表紙

 

僕が初めてプレイしたノベルゲーは「かまいたちの夜」だったと記憶しています。当時は文章を読むだけのゲームに対し「それって別にゲームじゃなくて本でよくねえ?」って思いました。

でも実際は選択肢を自分で選んだりすることでエンディングが変わったり、結構奥深いんですよね。428のザッピングシステムは非常に革新的でした。そして携帯電話、スマホが進化していく過程で、サウンドノベルは手軽に楽しめる分野に昇華したように思います。

本作はそんなノベルゲーが元になっている漫画です。というわけで今回は、初期設定が抜群にうまい「LOOP THE LOOP(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

LOOP THE LOOP あらすじ

ある日突然【望んだ物が何でも手に入る】不思議な洋館に閉じ込められた高校生・レミは、そこで同じ境遇の11名の男女に出会う。彼らは互いを【家族】と呼び合い、館からの脱出を夢見て仲良く暮らしていた。だがそんな平穏な日々は一人の【家族】の死によって終わりを迎える。猜疑心膨らむ残された【家族】。犯人は誰か。事件の真相は? 究極の飽和状態が生み出す、惨劇と絆の物語が幕を開ける。

 

LOOP THE LOOPの見所をチェック!!

不思議な洋館が醸し出す不気味な雰囲気と楽園のような空気感

LOOP THE LOOP1

 

本作には「気づいたら謎の洋館に辿り着いていた」とか「この洋館では望んだ物が何でも手に入る」という初期設定があります。食べ物も自分が念じることで好きなものが食べられるし、ゲームや読書もお手の物です。

ただ、そんなに都合の良い設定を手放しで喜べない理由として「無償ではなく、何かと引き換えに得られているものだとしたら?」という疑念が起こります。人の奢りだったらガンガン飲み食いできても、自腹だとそうはいかないってのと一緒です(←違う)。

いずれにしてもつまらない日常から解放されて、自分に良くしてくれる同世代の人間が集められ、好きなだけ飲み食いしたり遊んだりできるっていう楽園のような空気感の中に、一滴の毒が混じる恐怖って言うのかな。そこから悲劇に繋がっていく加速度は、絶叫マシンを連想させるほどの魅力があると思います。

 

晴れることのない猜疑心が常に付きまとう展開

LOOP THE LOOP2

 

主人公が洋館に辿り着いた時には既に何名もの登場人物がいたわけで、時を遡ると洋館には到着した時差があります。もちろん初期メンバーはそれなりの時間を過ごしてきたこともあって結束も高いだろうし、もしかすると「新メンバーに対して伝えていない何か」があるだろうってことは想像に容易いです。

そんな中、もしメンバーの誰かが殺されたら…。望めばなんでも手に入るわけですから、誰もが正当防衛のための武器を用意するだろうし、昨日今日会ったばかりの見ず知らずの相手を信頼できるかどうか、そして殺しの動機と人間関係が不明なまま、殺人鬼がいるかもしれない空間にいなければならないという気持ち悪さが本作の魅力となっています。

 

リアルタイムで進行する失踪事件

LOOP THE LOOP3

 

本作の舞台となっている洋館は、現実世界とは隔離された世界となっていて、時間の進み方も違うという設定があります。ちょっと言葉は悪いけど、こういうご都合主義が物語の雰囲気を格段に向上させていることは間違いないでしょう。

現実世界に戻れるのかって部分も気になるし、あとは「登場人物たちが集まったことに対する規則性はあるのか」とか。「もしかすると現実世界で死んだ人間が、生き残りを賭けて試験でもされてるんじゃないか?」とも想像できるような、答えの見えない展開が面白いです。

実際に主人公の親は自分の子供がいなくなった事実を前に「どこかに遊びに行ってるんだろ」程度の認識でいたりしています。このあたりの真相も非常に気になるところです。

 

LOOP THE LOOP コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー

元々はノベルゲーのアプリでそれをコミカライズしたものらしいです。kindleレビューを見ていると原作を持ち上げる意見が多々掲載されており、それと比較すると本作はイマイチという意見が多かったように感じました。

僕は漫画verしか知らないけど、不気味な館の雰囲気といい、デスゲームのように1人ずつ登場人物が消えていく恐怖感みたいなものを感じたし、単純に「誰が犯人なの?」っていう好奇心を持ったまま、全3巻を一気に読み進めることができました。

この手の作品は犯人の意外性とか犯罪のトリックの内容によって評価が大きく変わってくるような気がするものの、望んだものが何でも手に入る洋館という舞台が一切の矛盾を取り払っていて「あー、うまくやったなぁ」と感心させられたくらいです。

絵がかわいらしいのと登場人物がほぼ全員若い男女なので、あまり本格的な推理系サスペンスのようには感じられなかったけど、全3巻でサクッと読めるし、ノベルゲーとして人気が高いという呼び声も納得できるクオリティの一作だと思います。

ちなみにKindle Unlimited登録者なら、全3巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。

 

 

あとがき

LOOPっていうから「殺されても何度も生き返るとか?」って思ってたら、良い意味で裏切られた。

 

 

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