たまに大島てるをネット検索して、自分の行動範囲内に事故物件がないかどうかを調べたりするくらいには、特殊清掃業という仕事に対して興味があります。
僕自身、田舎のアパートに一人暮らしをしているので「自分が突然死んだら大家さん的にきついだろうなぁ」って思ったりもするし、死んでも親に見られたくないパソコンの中身とか遺品なんかがどう処理されるのかってのが気になったりもしていました。
個人的には事故物件だろうが余裕で住めるんだけど、人が亡くなった後(特に他殺だったり血が出る系)の現場を掃除できるかって言われるとなかなかヘビーです。というわけで今回は、人が亡くなった現場を掃除する特殊清掃業×サイコ・サスペンスの融合「ROUTE END(全8巻完結済み)」を紹介します。
物語の結末に関するネタバレはありません。
ROUTE ENDのあらすじ
人の死が日常的となる職業、“特殊清掃業”を生業とする青年・春野。彼が近隣で続発する連続猟奇殺人事件、｢END事件｣に足を踏み入れて…。生と死の在り方を問うサイコ・サスペンス開幕!!
ROUTE ENDの見所をチェック!!
主人公は特殊清掃員
僕自身、身内とか近しい人が自殺したっていうことはないんだけど、すごく嫌なことがあったときにふと「自殺しようかな…」って思ったことが何度かあります。で、その方法について軽く考えたことがありました。
まず電車の飛び込みは一瞬だろうけど遺族に賠償請求があるみたいなことを聞いて、とりあえず飛び込みはやめようと。で、高い所からの飛び降りは確実に死ねる高所が意外と無いっていうね。
そこで「首吊り」に辿り着くんだけど、どうやら首吊りは苦しくないっていう眉唾もんの情報があったりして…ただ、腸の中身が全部出るって聞きました。糞尿を撒き散らすっていうのが結構ヘビーだなぁと。
ちなみに部屋で人が死んだ場合、腐敗した場合となれば糞尿のレベルじゃ済まないとのこと。そういう裏の情報、殺人課の刑事でもなければなかなか分からない状況なんかも見ることができる漫画です。
突如として巻き起こる猟奇的な連続殺人事件
特殊清掃員のお仕事漫画かと思いきや、内容は猟奇的な殺人事件を題材にしたサイコ・サスペンスです。その物語の主人公がたまたま特殊清掃員だったってだけで、ぶっちゃけ特殊清掃員じゃなくても全然成立するレベルだと思いました。
ちなみにどれくらい猟奇的かっていうと、現場では死体をバラバラにしてENDという文字に並べていくってくらいには猟奇的。なぜこんなことをするのか、犯人の目的は何なのかって部分も含めて、結末が気になって仕方がない物語と言っていいでしょう。
「それってグロ耐性必要？」って心配になる人もいるかもしれないけど、僕としてはグロ耐性がなくても全然問題ないと思う。少年ジャンプで連載されてた作品だし、そこまでリアルな絵って感じでもないし…夢に出てくるようなグロさや恐怖って感じは一切ありませんでした。
この連続殺人事件の犯人の正体と目的は？
序盤から色んな伏線が張られていて、とにかく先の展開が気になります。主人公がなぜ特殊清掃員になったのかっていうバックボーンもそうだし、その主人公に目をかけて育ててきた会社社長の存在もそう。導入部分の気になる感じは満点と言っても過言じゃありません。
ここでハマったら後はもう「こいつ怪しいな」とか「あ、もしかしてこいつが犯人なんじゃね？」の繰り返し。新たに出てくる登場人物が怪しいの何のって…。これに関してはネタバレ一切なしで楽しむべきだと思うんで、下手に色々調べないことをおすすめします。
ちなみに本作は全8巻なんだけど、8巻のAmazonの商品ページで盛大にネタバレしてるのにはビビった。まだ読んでない人は絶対に見ないように。
ROUTE END 全8巻を読んだ感想・レビュー
特殊清掃員っていう掴みが「ちょっと裏側を覗いてみたい」っていう興味をそそられて非常に良き。で、気が付いたらサスペンスの魅力にどっぷり引き込まれてるって感じの導入部分も〇です。
主人公の生い立ちやら人間関係なんかもリンクしてきて、ちょっと意表を突く感じの展開も含めて非常に面白いサイコ・サスペンス作品だったと思いました。全8巻でサクッと読めるボリュームだし、先行きが気になる感じのサスペンス漫画が好きな人にはおすすめです。
ただ、絵がそんなに綺麗じゃないというか表情が同じなのかな。物語の設定も関係してるんだろうけど、新しい登場人物が出てきても頭に入ってこなかったのが気になりました。これまでの被害者の名前やら現場状況やらって情報がノイズにもなるし、いまいち頭に入ってこないです。
あと結末は予想できない展開ではあるんだけど、スッキリするかって言われると微妙。賛否あるのは仕方ないとして、個人的にはやや消化不良な感じがあるかも。
あとがき
家賃が安くなるなら事故物件でも問題なし。
