「さよなら私のクラマー」を読んだ感想・レビュー

さよなら私のクラマー表紙

 

前作の「さよならフットボール」が大好きでした。いや、今でも大好きです。そしてその続編が本作となっており、前作の主人公が主人公というわけではない初期設定に度肝を抜かれました。「そんな手法があるのかよ!」って。

また新しい女子サッカーの物語が読めると思ったらワクワクが止まりません。というわけで今回は、期待度抜群の女子サッカー漫画「さよなら私のクラマー(全14巻完結済み)」を紹介します。

 

 

さよなら私のクラマー あらすじ

中学時代輝くことなく終わったウイング、周防(すおう)すみれは、ライバルである曽志崎緑(そしざき・みどり)から誘いを受ける。「一緒のチームに行こうよ、一人になんてさせないから」。そんな真摯な言葉に、周防が出した答えは……。たくさんの個性豊かな選手が集まり、今物語の幕が開く!!

 

さよなら私のクラマーの見所をチェック!!

弱小高校女子サッカー部に集うダイヤの原石たち

さよなら私のクラマー1

 

サッカーに限らず団体競技においては「スーパーマン(女子サッカーの場合はスーパーウーマン?)1人じゃ総合力が高いチームには太刀打ちできない」という部分を痛感します。

そこで出会った2つの才能が、高校女子サッカーという舞台で手を組むのが本作の始まりです。というか、この2人が入学を決めた高校でも「部長が孤軍奮闘している」という感じの設定なので、この時点で3つの才能が揃います。そして本作の前日譚「さよならフットボール」に登場した天才主人公も本作に登場します。というわけで最低でも4つの才能が集うという展開です。

素直に見ればわくわくするし、穿った見方をするのであればスーパーサイヤ人の安売りセールみたいに感じるかもしれませんが、前作を読んでいる人なら期待せずにはいられないでしょう。ちなみに前作はめちゃくちゃ面白かったです。

 

 

 

女子サッカーの未来

さよなら私のクラマー2

 

そういえば日本の女子サッカーってワールドカップで優勝したんですよね。僕はそれまで女子サッカーというものが、オリンピック競技になるほどのスポーツだっていう認識はありませんでした。

でもワールドカップの優勝をキッカケに、日本ではもっと流行るような予感がしたのも事実です。しかしながら日本に女子サッカーのプロがあるってことも知らないし、女子サッカーの日本代表選手の名前を言えって言われても、悩みに悩んだ挙句「澤…さん?」みたいになります。

本作はもう一度女子サッカーを盛り上げるキッカケになり得る作品です。女子サッカーに対して問題提起をし、女子サッカーの未来を憂うサッカー漫画になると思います。

 

さよならフットボール主人公・恩田希の再来

さよなら私のクラマー3

 

作者の新川氏は以前に「さよならフットボール」という女子サッカー漫画を描いているのですが、その主人公だった恩田希が本作にも登場しています。これだけでも前作のファンは期待してしまうってもんです。

で、しかも衝撃的だったのが恩田が主人公じゃないっていう点です。主人公の1人っていう言い方はできるんだろうけど、あくまで主役は曽志崎と周防の2人。この初期設定にまず痺れました。まるでジョジョの4部に承太郎が出てきた衝撃って言うのかな。

類まれなる才能を持っていたにも関わらず、男子サッカーに混ざってプレイするということが障壁となり、その才能をフルに発揮できなかった恩田が遂に女子サッカーの舞台に上がったんです。これはマジで期待度大。

 

さよなら私のクラマーを読んだ感想・レビュー

コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

とにかくワクワクが止まらないスタートでした。前日譚の「さよならフットボール」がとにかく面白かったので、その続きが読めるってだけでも感動モノです。

すごい選手が1人いるだけではどうしようもなかった中学時代。「突出した才能が環境のせいで死んでいく」という言葉に重みを感じ、そうはさせないという強い意志を感じた物語の始まり。ダイヤの原石が集まって1つのチームを作り上げていく姿を見て、わくわくしない読者はいないでしょう。なにより弱小校が強くなっていく過程が、面白くないわけがない!

絵も綺麗で定評のある新川氏の作品です。サッカー好きはもちろん、スポーツ漫画やヒューマンドラマが好きな人はぜひ読んでみては?

 

コミックス全14巻を読んだ感想・レビュー

読み始めた時の期待度、そして夢中になって読んでいた手前、本作の終わり方を残念に感じてしまいました。僕は単行本だけで本作を追っていて週刊誌は読んでいなかったんだけど、まさか打ち切り?…ではないよね。そんな感じの唐突な終わりのように感じました。

kindleレビューの中に「スラムダンクでいうと、神奈川決勝の初戦が始まった段階で終了したような感じ。」という表現があって、まさにそんな感じ。人によっては余韻を残す終わり方って言うのかもしれないけど、僕は「色んな伏線を張った割に全部丸ごと放り投げて終わらせた」ように感じました。余韻を残す終わり方の数歩手前で終わったかのような不完全燃焼した感じがあります。

 

あと次から次へと天才プレイヤーが登場するので、読み進めていくうちに「実は主人公たちもその他大勢の1人なのかな」って感じてしまった部分も少し寂しかったです。そして真顔のキャラは見分けられるんだけど、ちょっとコミカルなタッチの絵に変わると「このキャラ、誰?」ってこともあって、絵は巧いのに見にくく感じることも。

女子サッカー漫画として間違いなく面白い作品だとは思うんですが、全14巻を通して考えると「初期の期待度を上回れなかった」ような気がします。少なくとも個人的には前日譚の「さよならフットボール(全2巻完結済み)」の方が大好きです。

 

あとがき

前作を読んでいた方が楽しめます。

 

 

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