記事内に広告を含みます

「ジャガーン」を読んだ感想・レビュー

ジャガーン表紙

 

あまりに退屈な日常を送っていると、心のどこかでスパイスを求め始めたりするものです。これが人によっては「明日、隕石降ってこないかな」みたいな、とんでもない刺激だったりします。

ただ何となく過ごしている日常において、一般人が怪人化し、その抗争に巻き込まれる自分もまた怪人化したとしたら…。ぶっちゃけ狩る側としての立場が担保されるなら、大抵は憧れの眼差しが向けられるんだろうけど、本作の主人公は全然カッコ良くないっていうね。

というわけで今回は、コレジャナイ感が異質のバトル漫画「ジャガーン(連載中)」を紹介します。

 

 

ジャガーン あらすじ

交番勤めの警官・蛇ヶ崎晋太郎は同棲中の彼女と、このまま結婚して家庭を持って子供が生まれて――という未来をつまんなそうに思っている。

ある日、目前に壊人(カイジン)が出現!!
…と、その瞬間、右手に異変が…!!

破壊と絶望の新ダークヒーロー、ビッグバン(爆誕)!!

 

ジャガーンの見所をチェック!!

良い意味での緩さが魅力

ジャガーン1

 

本作の主人公は熱量のない警察官。コンビニ前でたむろする若者に注意する時も、ちょっとヘラヘラした感じで注意するような緩さがあります。この冷めた感じ、どっかで見たことあるなぁって思ったら「僕たちがやりました」でした。

掴みどころのない人間というか、相手を見下しているからゆえの緩さなんだって気付いた時に、なんとも言い難い感情が巻き起こります。本当にこの人は非常識な若者とそれに対する人間の心理描写が上手い。

少なくとも本作は「こいつが主人公なの?」っていう感がハンパないバトル作品なだけに、結構衝撃を受ける読者も少なくなさそうです。この衝撃はまさにいぬやしき以来。

 

皮肉の利いた敵キャラの数々

ジャガーン2

 

本作の主人公はヒーローかダークヒーローなのかは微妙なんだけど、とりあえず主人公が超人になって悪を成敗する感じのバトル漫画です。で、その敵にあたるキャラクターたちにも特徴があって「人間の嫌な部分がモンスター化する原因になっている」みたいな感じ。

部下を理不尽に怒りまくってるパワハラ上司は、舌を武器にするモンスターに変身します。こんな感じでちょっと皮肉めいているというか、誰しもがモンスターになる可能性を秘めているって部分が面白いです。なんなら主人公もモンスターだからね。

最近はセクハラ、パワハラ以外にも色んなハラスメントが囁かれるようになり、色んな迷惑をかける人間が可視化されるようになってきました。それらを皮肉っているという意味でも楽しめるんじゃないかと。

 

諸刃の剣を手にした主人公

ジャガーン3

 

世界観としては「寄生獣」にめちゃくちゃ近いけど、緩い雰囲気や皮肉めいた雰囲気がオリジナルで、主人公が最終的にモンスター化しないとも言い切れない危うさも魅力です。

敵を撃ち殺した後の主人公は完全にモンスターだし、運良く支配されずに済んでいるっていう不安定な感じは、まさに寄生獣そのものって感じ。まぁぬ~べ~の鬼の手しかり、FF4の暗黒しかり…。完全に取り込まれないように上手く制御しながら戦うことの難しさみたいな部分は面白いです。

 

ジャガーン コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

主人公は警官ながらも若いDQNの扱いにすら四苦八苦している感じで、常に脳内で「あー、こいつら撃ちてぇ」って思っているからこそ、銃の能力が開花したんだろうけど…。

そんな感じで1人1人の能力の目覚め方が面白い。そして主人公の能力が結構しょぼいっていうね。やっぱ能力バトル漫画の主人公なら、スタープラチナとかクレイジーダイヤモンドとか「チートに足を踏み入れてる能力」じゃないかと思うんです。そういうのが一切ないのも本作の魅力かもしれません。

kindleのレビューにもあったけど、すっげー安っぽいヒーローものっていう表現がちょうどいいです。もちろん良い意味で安っぽいって意味で、決してディスってるつもりじゃないのであしからず。

 

あとがき

特撮ヒーローっぽくもあり、敵キャラの名前っぽくもある。